1万1,000光年離れたカシオペヤ座Aで発見された“グリーンモンスター”
NASAが新たな宇宙の謎を発見

NASAが今年5月に行った報告によれば、地球から1万1,000光年離れたカシオペヤ座Aに緑色をした奇妙な構造がみつかったという。これは“グリーンモンスター”と名付けられた。
画像:NASA
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とX線観測衛星チャンドラ

今回の発見は、X線観測衛星チャンドラとジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって得られたデータを突き合わせることでなされたものだ。
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カシオペヤ座Aの超新星爆発

カシオペヤ座Aはおよそ340年前に超新星爆発を起こしたと見られているが、今回の発見によって、その状況が詳しく分析できるようになった。
画像:INAF-Osservatorio Astronomico di Palermo/Salvatore Orlando
地球から1万1,000光年の地点

カシオペヤ座Aは超新星爆発によって放出された物質の雲であり、地球からおよそ1万1,000光年離れた地点にある。
画像:NASA
興味深い研究対象

なお、カシオペヤ座Aは超新星爆発の例として、もっとも研究がなされているものだ。
X線観測衛星チャンドラによるデータ

X線観測衛星チャンドラはカシオペヤ座Aの雲からケイ素や鉄を含む高温ガスを検出。とりわけ、外側の領域では衝撃波が広がり続けており、今もX線を放っているのだ。
画像:INAF-Osservatorio Astronomico di Palermo/Salvatore Orlando
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によるデータ

一方、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は、高温ガスによって熱せられた宇宙塵と、それより低温の超新星残骸から発せられる赤外線を検知した。
3Dモデルを作成

天文学者らはX線観測衛星チャンドラのデータに基づき、カシオペヤ座Aの3Dモデルを作成。このような3Dモデルは以前にも、「はくちょう座ループ」と呼ばれる超新星残骸に対して作成されたことがある。
画像:INAF-Osservatorio Astronomico di Palermo/Salvatore Orlando
恒星の最期

NASAのウェブサイトによれば、こういった3Dモデルを最新の観測データやシミュレーションと組み合わせることで、恒星の最期をより深く理解できるようになるとのこと。
画像:NASA
”グリーンモンスター”はどのようにして生じたのか?

なお、“グリーンモンスター”は超新星爆発の衝撃波が周囲の物質にぶつかって生じたものだと結論づけられた。これはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータに基づく既存の仮説を裏付けるものだ。
可視光線では観測困難

超新星残骸を可視光線で観測することは難しいが、赤外線観測やX線観測を用いれば、その姿を捉えることができる。
画像:INAF-Osservatorio Astronomico di Palermo/Salvatore Orlando
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