「正直、複雑な想いも」“世界一のピザ職人”と“南インド料理のブーム火付け役”のセブン談義

セブンで売られている「金の」シリーズが15周年です!
セブン-イレブンのプライベートブランドの中でも最上級ラインである「セブンプレミアム ゴールド」が、9月28日に15周年を迎えます。これを記念して、新商品の追加や既存商品のリニューアルなど、ラインアップの強化が進められています。
今年7月には「セブンプレミアム ゴールド 骨付き肉3本入 金のバターチキンカレー」が新登場し、8月には人気商品「セブンプレミアム ゴールド 金のマルゲリータ」がリニューアル発売されました。

「セブンプレミアム ゴールド 金のマルゲリータ」がリニューアル発売

「セブンプレミアム ゴールド 骨付き肉3本入 金のバターチキンカレー」が新登場
8月に開催された15周年記念PRイベントでは、各商品を監修する専門家によるトークセッションが行われました。

(左)「ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ」シェフ 山本尚徳氏、(中央)セブン-イレブン 商品本部 チーフマーチャンダイザー 井手口 美紗氏(右)「エリックサウス」総料理長 稲田俊輔氏
プロ驚きの本気の冷凍ピザを!
「金のマルゲリータ」監修山本シェフのこだわり

▲ナポリピッツァ「ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ」山本尚徳シェフ。ナポリで開催際される世界ピッツァ選手権で2年連続で優勝をはたした“世界一のピザ職人”。「セブンプレミアム ゴールド 金のマルゲリータ」の監修を手掛ける。
冷凍ピザ=手抜き? 最初は戸惑った
監修を最初に依頼された時は、冷凍ピザには“手抜き”のピザのイメージが強くて、正直「どうなんだろう」と悩みましたね。ただ、担当者の方が「お腹を満たすものではなく、ご褒美になるような贅沢な商品を作りたい」と熱意を込めて話してくれた。その言葉がとても印象に残っています。店の味にできる限り近づける努力をすると言ってくれたので、「それなら挑戦してみよう」と思えました。

食材輸入業者「佐勇」が監修商品のクオリティを担保
正直、工場で生産するのであれば、お店の味に近づけるにはレシピだけでは難しい。私の店ではほとんどの食材をイタリア産でそろえていて、食材輸入業者の「佐勇」さんの存在がなければ成立しなかったと思います。生地に合わせるトマトソース、チーズ、オリーブオイルまで徹底的にこだわる。それは信頼できるパートナーがいたからこそ実現できました。
効率重視ではなく低温長時間発酵に
ナポリピッツァは具材も大事ですが、何より「生地を食べるもの」と言われるように生地が大事です。どうしても譲れなかったのが低温長時間発酵。最低でも24時間はかけたい。これは生産効率が大きく落ちる条件ですが、担当者が「必要ならやりましょう」と理解してくれて、それが信頼関係が強固になりました。「これをやらないならやらない」と言えるほど重要な要素でした。

工場では1日1000枚以上生地を手伸ばし
お店では薪窯を使いますが、工場ではジェットオーブン。500度近い火加減を再現するのが難しかったです。
また、重要なのが生地の裏がわの“焼き色”。普段はお客様が見ない部分ですが、ナポリでは裏に焼き色がつくと香ばしさが増すんです。これをどう表現するか試行錯誤のため、工場へ何度も足を運びました。

リニューアルした商品は、非常に焼き色が付いています。プロがみても、釜で焼いてないのにどうつけたんだろうって不思議になると思います。
さらに、生地の粉や加水率も見直しました。加水率を上げれば生地は柔らかくなりリスクも増えますが、うまさは倍増します。工場では生地を手で伸ばすのですが、1日3万枚以上も伸ばします。工場のスタッフのみなさん、「金のマルゲリータ」の話があってから、1日1000枚以上ピザ生地を扱ってきたんですよね。この技術向上につきると思います。
コンビニ食の15年を振り返って
15年でクオリティが上がっていって、安心して食べ物を買える“憩いの場所”になったと思います。
驚きの「骨付き肉3本」!
「金のバターチキンカレー」稲田料理長のこだわり

▲南インド料理専門店「エリックサウス」総料理長 稲田俊輔氏。南インド料理ブームの火付け役としての呼び声も。「セブンプレミアム ゴールド 骨付き肉3本入 金のバターチキンカレー」を監修。
監修を依頼された時、食いぎみでオーケー
セブン-イレブンさんとは、すでに数年にわたりチルドのお弁当やカレー、ビリヤニを中心に取り組ませていただいていました。その中で「スパイスの扱い方」や「カレーの味の組み立て方」といったノウハウを十分に共有し、共に高め合ってきた自負があります。
ですから「金のバターチキンカレー」の提案をいただいた時には、すでに盤石の信頼関係がありました。私のほうが「ぜひやりましょう」と食い気味にお答えしたのを覚えています。
シンプルなことが大量生産だと難しい
ゆずれなかった箇所は、細かい部分まで挙げれば数え切れませんが、ひと言でいえば「自然なおいしさ」です。大量生産の商品であっても、本質はお店で作るものと同じでなければならない。あたり前の食材を使い、あたり前の技術で、あたり前においしいものを作る。シンプルなことですが、大量生産になると難しくなってしまいます。そこは重々承知しながらも、絶対に譲れないと考えています。

手羽元3本入れる仕様にびっくり!
意外に思われるかもしれませんが、「金のバターチキンカレー」の開発にあたって大きな苦労はありませんでした。提案されたのが“骨付き手羽元を3本入れる”という仕様。最初は驚きましたが、肉が3本も入っている時点で、素材のうまみを引き出す条件が整っている。インドカレーは素材ありきで、スパイスはあくまでサポート役です。良い素材が潤沢にあるなら、あとはノウハウを活かして全体にうまみを行き渡らせるだけ。開発はむしろ楽しいと思えました。

嬉しいけど複雑な気持ち
コンビニの食の15年を振り返って、監修に携わるなどして、試食をすると驚くほど完成度の高い商品も増えました。監修した側の本音を言えば監修商品を通じてお店を知ってもらえればうれしいし「ぜひお店にも来てほしい」と思っています。
ですが、今回の「金のバターチキンカレー」は「これだったらお店に来なくてもいいのでは」というくらい完成度の高い商品で、うれしい反面、複雑な気持ちもあります。
※記事中の価格は税込
ナベコ

酒好きご飯好きのライター、編集者。フードコーディネーター。
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