【みんなの貯蓄額】「貯蓄4000万円以上ある」世帯の割合は?〈年代別〉「負債」保有割合と「平均貯蓄額」も一覧表で紹介
あなたはどう?7割以上が現在の資産・貯蓄に「不満」と回答
【みんなの貯蓄額】「貯蓄4000万円以上ある」世帯の割合は?〈年代別〉「負債」保有割合と「平均貯蓄額」も一覧表で紹介
近年、日本人の健康寿命は着実に伸び続けていますが、その一方で老後を見据えた「貯蓄額」への不安は多くの方の心に重くのしかかっているのではないでしょうか。
内閣府の最新調査によると、現在の資産・貯蓄に「不満を感じている」と回答した人の割合は全体の7割以上にも上るという結果が出ています。
資産・貯蓄への満足度調査
特に老後を控えた40歳代・50歳代でその不満を持つ割合が高く、「自分の貯蓄額で老後を安心して過ごせるだろうか」という切実な不安を抱えていることがうかがえます。
そこで今回は、二人以上世帯の貯蓄額の割合を最新の統計データから詳しく分析し、老後の生活設計に必要な貯蓄額の考え方について解説していきます。
ぜひ、ご自身の現在の貯蓄状況と照らし合わせながら、将来の資金計画の参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
二人以上世帯の「貯蓄額」の実態
まずは、二人以上世帯が現在どのくらいの貯蓄を持っているのか、総務省による「家計調査報告(貯蓄・負債編)」のデータをもとに見ていきましょう。
貯蓄現在高階級別世帯分布
・100万円未満:10.2%
・100万円以上1400万円未満:46.4%
・1400万円以上1600万円未満:4.5%
・1600万円以上1800万円未満:3.0%
・1800万円以上2000万円未満:3.0%
・2000万円以上2500万円未満:6.7%
・2500万円以上3000万円未満:5.1%
・3000万円以上4000万円未満:7.2%
・4000万円以上:13.9%
【中央値:1099万円】
【平均値:1984万円】
※ここで言う中央値とは、金融資産非保有(貯蓄現在高が「0円」)の世帯を含めた世帯を、貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高を指します。
統計では、二人以上の世帯のうち13.9%、つまりはおおよそ7世帯に1世帯が4000万円以上の貯蓄があるという結果が出ました。
「負債と貯蓄」の実態
どんなに貯蓄があったとしても、同額の負債があった場合、それは資産として考えることが難しくなります。
次に、二人以上世帯の、年代別の負債保有割合と、資産と負債の平均額を見ていきます。
世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合
【世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高、負債保有世帯の割合】
・40歳未満
・40歳~49歳
・50歳~59歳
・60歳~69歳
・70歳以上
統計によると、若い世代(40歳未満)は借金が貯金を上回っていますが、年齢が上がるにつれて借金は減少し、70歳以上になると貯金が借金を大幅に超えています。
これは多くの人が若いうちに住宅ローンなどの大きな借金をし、年齢を重ねるとともに返済を進め、老後までに借金をほぼ完済している傾向を示しています。
「資産・貯蓄内訳」の実態
ここからは、貯蓄額の階級ごとの、資産・貯蓄の内訳を確認していきます。
貯蓄額の階級ごとの資産・貯蓄の内訳
貯蓄額によって、資産の内訳は大きく異なります。 一般的な世帯では、資産のほとんどが「預貯金」と「生命保険」です。
しかし、最も貯蓄の多い富裕層になると、「有価証券(株式や投資信託など)」の割合が約25%と突出して高くなります。
つまり、ただ貯めるだけでなく、投資に資金を回す余裕を持つことが、大きな資産形成の鍵となっているようです。
貯蓄額の不満・不安の解消方法は
ここまで、現状の貯蓄額・年代別の貯蓄負債割合・貯蓄額階級ごとの内訳を統計データから確認してきました。
貯蓄の実態は、個々の世帯の状況により、大きく異なることがわかります。
それでは、多くの人が抱える貯蓄に関する「不満」「不安」にはどのように向き合えば良いのでしょうか。
自身の世帯の収入・支出・貯蓄を知る
経済的な不安を軽減させるためには、平均値を知ることと同じくらい、「自分自身の状況を把握すること」が重要です。
世帯の収支や貯蓄額を把握することで、自分が目標とする貯蓄額が見えてきます。
ただやみくもに収入増を目指したり節約をすることは、ゴールのない迷路に足を踏み入れるようなもので、途中で息切れしてしまう場合が多くあります。
自分が何のために、いつまでに、いくらが必要なのかを見据えてそこに向かって努力をしていくことで、もやもやとした不安が解消されるはずです。
物価上昇に備えるために
次に、もう一つの大きな不安材料である「物価上昇」に備えるためには、どのような対策ができるのかを考えていきましょう。
物価上昇という経済的課題に対して、私たちはどのように備えることができるでしょうか。
これは個人の努力では止められない経済現象ですが、その影響から自分の資産を守る方法は確かに存在します。
第一の方法としては、金融商品を戦略的に活用することです。
特に積立投資信託、中でも物価連動型の商品は、物価上昇対策として大きくメリットがあります。
これらの投資商品は物価の上昇に合わせて価値が高まる傾向があるため、あなたの購買力を実質的に保護してくれるのです。とはいえ、投資商品にはリスクも伴います。ご自身の資産とリスク許容度とのバランスを考慮して検討しましょう。
もう一つのアプローチとして、就労期間の見直しが挙げられます。
一般的に物価上昇時には賃金も上がる傾向があります。
そのため、働く期間を延長することで、インフレの影響を受けやすい老後の経済状況を安定させることができるのです。
言わば、長く働くことは物価上昇の波から身を守る堅固な防御策となります。
まとめ
本記事では、日本の二人以上世帯における貯蓄の実態について、最新の統計データをもとに詳細に分析してきました。
貯蓄額4000万円以上の世帯が全体の約14%を占める一方で、多くの世帯が貯蓄や資産に不満を抱えていることが明らかになりました。
老後への経済的不安を解消するためには、まず自身の家計状況を正確に把握し、具体的な目標を設定することが第一歩となります。
統計データは全体の傾向を示すものですが、一人ひとりの生活設計は個別の事情によって大きく異なります。本記事が読者の皆様の将来設計を考える上での一助となれば幸いです。
参考資料
・内閣府「「国民生活に関する世論調査」の概要(令和6年8月)」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)平均結果の概要」