創業以来変わらない味。渋谷道玄坂「ムルギー」でスパイスたっぷりのカレーを満喫

グルメやファッションなど最先端のトレンドが集まる渋谷。道玄坂の裏路地でひっそりと営業する老舗カレー店「ムルギー」は、創業当時から変わらないカレーを味わえることで人気のお店です。インパクトのある山のように盛られたライスに、スパイスたっぷりのカレーは一度食べたら忘れられない味。6月から20年ぶりに夜営業を再開したので、仕事帰りもゆっくりと絶品のカレーを味わえますよ。

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渋谷駅から徒歩約10分。ハチ公口前から目黒方面へ向かう道玄坂の脇道を一歩入った先に老舗カレー店「ムルギー」があります。昭和26年創業、渋谷で70年以上続く「ムルギー」は、国産の材料と手作りにこだわったオリジナルのカレーを提供しており、創業当時から変わらない味を守り続けています。

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重厚感のある扉を開けると、昭和の時代にタイムスリップしたような懐かしい空間が広がっています。創業から74年が経っているとは思えないほど清潔感のある店内は、老朽化した建物や設備をリニューアルしており老舗の雰囲気を残しています。席には仕切りがあり、半個室のような空間でゆっくりとカレーを楽しむことができます。

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店内では、昭和26年の創業当時から変わらないレシピで作る絶品のカレーを味わえます。一番人気の「玉子入りムルギーカリー」は、チキンや野菜がたっぷり溶け込んだルーにスライスしたゆで卵を並べ、仕上げにケチャップと山の雪解けをイメージしたミルクをかけたスパイスたっぷりのカレー。鉱山技師だった創業者の松岡憲策さんがミャンマー(当時のビルマ)に行った時に、現地で食べた忘れられないカレーの味を日本人に食べやすく再現したのだそう。

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ムルギーカレーの象徴ともいえる山のように盛られたライスは、山登りが好きだった先代の松岡さんが山に見立ててお米を盛り付けたのが始まり。固めに炊いたライスは一粒一粒の食感がしっかりと感じられ、お米を噛みしめるたびに旨みが広がり、食材が溶け込んでいるルーの味を引き立てます。 山の麓に流れるルーは、フルーティーでサラッとした口当たり。食べ進めるとじわじわと辛さが増して、スパイスの風味とコク深さがクセになる味わい。食べた後は心も体もぽかぽかと温まります。

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カレーのお供に野菜たっぷりの「ガドガドサラダ」はいかが。「ガドガド」はインドネシア語で「ごちゃまぜ」という意味があり、さまざまな具材を混ぜて食べることから名付けられたインドネシアの伝統的なサラダです。味の決め手となるピーナッツペーストのコクと、野菜の甘みや食感が絶妙にマッチし、野菜もたくさん摂ることができますよ。

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カレーと一緒に合わせるのにおすすめのドリンクをご紹介します。「ミッケラーバーストIPA」は、デンマークで誕生したクラフトビール。ラベルに描かれている北欧らしいキャラクターがキュートですね。ややヘイジーなゴールデンカラーとバブルガムのような甘い香りが特徴で、フレッシュシトラスにパイナップル、マンゴーのフルーティアロマが弾けます。後味にグレープフルーツの苦みがキリっと残り、スパイシーなカレーとの相性は抜群です。

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アルコールが苦手な方は、東京・下落合発祥のクラフトコーラ「イヨシコーラ」を選んでみて。コーラにはカルダモンやシナモン、コーラの実などのスパイスが豊富に使用されており、コカ・コーラやペプシとは異なる個性的で深みのある味わいを楽しめます。 カレーと一緒に合わせて見ると、イヨシコーラの爽やかな風味とカレーのスパイシーな味わいが見事にマッチ。さっぱりと飲めるのでカレーがどんどん進みますよ。

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「ムルギー」を支えるのは、創業者の娘である二代目姉妹と、創業者の孫で三代目にあたる勝山友瑚さん。早稲田大学を卒業したあと、総合広告代理店に入社。コンサルティングファームに転職後2023年独立。現在は家業であるムルギーの経営をサポートしています。 先代が亡くなってから生まれた友瑚さんは、母の玲子さんが自分の夢を諦めてまで、二代目として店を継ぎ懸命に続けてきた姿を見て、いつかお店を継ぎたいと思い始めたのだそう。自身の環境が整ってきたのをきっかけに6月から20年ぶりとなるムルギーの夜営業をスタートさせました。「これまで昼間の営業に限られていたため、来店が難しかったお客様も夜営業の再開をきっかけに、ぜひゆっくりとカレーを食べに来てほしいです。」(三代目・友瑚さん) 今年で創業74年を迎える「ムルギー」には、50年以上通う常連客もいるのだそう。ぜひ絶品のカレーを味わいに足を運んでみてくださいね。

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