金正恩の妹が北朝鮮の次期指導者になる可能性はあるのか？
金正恩（キム・ジョンウン）は2011年から北朝鮮の最高指導者を務めている。この間、彼は国の経済と国民に容赦無く、厳格な統制を維持してきたことで知られている。
しかし最近、注目は妹の金与正（キム・ヨジョン）に集まっている。彼女は忠実な家族の一員としてだけでなく、影響力のある政治家としても彼に寄り添ってきた。また、現在では、正恩の唯一の正当な後継者でもある。つまり、彼女は北朝鮮初の女性最高指導者になる可能性があるということだ。
さあ、クリックして彼女が何者なのか、そしてそれが国と世界にとって何を意味するのかを見てみよう。
謎に包まれた誕生
金与正は、北朝鮮の強大な権力を握り、金王朝に1987年9月26日頃に生まれたとされる。北朝鮮は金一族の個人情報を厳しく管理しているため、正確な日付は不明である。
強力な家族
彼女は平壌で生まれ、1948年の建国以来、国家の権威主義的支配を維持してきた一族の一員となった。これにより、彼女は瞬く間に北朝鮮近代史において最も政治的に重要な女性の一人となった。
秘密主義の兄弟姉妹
金与正は金正日（キム・ジョンイル）と高容姫（コ・ヨンヒ）の娘である。兄弟姉妹の正確な人数は不明だが、兄が2人、母親の違う異母兄弟が2人いると考えられている。
忠実な妹
しかし、彼女が2011年から北朝鮮の最高指導者である金正恩の妹であることは知られている。与正は正恩より約3歳年下と推定されており。2人は常に非常に親密な関係にあったとされている。
孤立した幼少期
彼女は裕福ながらも保護された環境で育ち、厳格なセキュリティ対策を守らなければならなかった。兄弟たちと共にスイスのベルンにあるインターナショナルスクールに通い、偽の身元を名乗らざるを得なかった。
彼女の最初の西洋体験
スイス滞在中、与正は初めて近代教育を経験した。国際学校教育は彼女にとって西洋の規範に初めて触れる機会でもあり、そこで彼女は英語とフランス語を流暢に話せるようになった。
北朝鮮への帰国
2000年頃、与正は北朝鮮に戻り、金日成（キム・イルソン）総合大学で政治学とコンピューターサイエンスを学んだと考えられている。この高度な教育と政治に関する経歴は、やがて起こるであろう大きな変化に備えるためのものだったのだ。
金正日の死
2011年、与正の父である金正日が死去した。彼は1994年から北朝鮮の最高指導者であった。彼の統治は極度の秘密主義、経済的困難、そして核開発計画の推進で記憶されている。
政権内での台頭
息子の金正恩が新たな最高指導者となり、忠実な妹を傍に置きたいと考えた。そこで、金与正は宣伝扇動部副部長に任命された。
プロパガンダを主導する
これは、彼女が政権のメッセージと内部ブランディングを監督する責任を負っていたことを意味した。しかし、最も重要なのは、彼女が兄の個人崇拝を形成する責任を負っていたことである。
兄のイメージを創造する
この役割において、彼女は金正恩のイメージを現代化し、柔らかくしたと評価されている。彼女の影響下で、彼は国民に対して、父よりも温かく外交的な印象を与えるようになった。
一般の人々と会う
これにより、彼女は新たな権力構造に不可欠な存在となり、世間の注目を集める存在となった。彼女が初めて重要な場に姿を現したのは2014年で、国家行事などで見かけられる際は、たいてい兄の隣に座っている。
歴史的なオリンピック
彼女の最も影響力のある出演の一つは、2018年の平昌オリンピックだ。このオリンピックは韓国で開催され、彼女は出席することで朝鮮戦争以降、同国を訪れた最初の金一族となった。
国際的な注目を集める
オリンピック期間中、与正は韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領と会談し、金正恩からの親書を手渡した。これが南北関係の緩和のきっかけとなった。この出来事は瞬く間に世界的なニュースとなり、与正は新たな国際的な注目を集めた。
舞台裏
彼女は公の場でほとんど発言せず、私生活についてはほとんど知られていない。結婚していて子供がいるとされているが、確認されてはいない。しかし、彼女が舞台裏で大きな権力を握っていることは確かだ。
トランプとの交渉
この権威は、トランプ・金首脳会談において最も顕著に現れた。2018年から2019年にかけて、ドナルド・トランプと金正恩の間で一連の会談が行われ、与正は特に映像演出や物語のコントロールに尽力した。
魅力攻勢
彼女は、その落ち着きと計算高い外交的魅力から、すぐに「北朝鮮のイヴァンカ・トランプ」と呼ばれるようになった。しかし、彼女の権力とイデオロギーははるかに不吉であり、柔らかな外交的イメージとは裏腹に、冷酷な人物として知られている。
韓国への脅威
2020年、脱北者による宣伝ビラが南北境界線を越えた後、与正は韓国に対し、強い言葉で脅迫する声明を次々と発表した。彼女は、平和協力の象徴であった南北連絡事務所の撤去を命じた。
人権侵害
彼女は悪評だけでなく、国際的な制裁も受けている。米国財務省は2017年1月、北朝鮮の宣伝煽動部副部長として深刻な人権侵害に関与したとして、与正に制裁を科した。
民衆を抑圧する
彼女は国家検閲の実施、表現の自由の抑圧、そして政権によるイデオロギー統制の促進に関与したと認定された。制裁により、彼女の米国の管轄下にある資産はすべて凍結され、米国企業は彼女と関わることを禁じられた。
回復力のある人物
それにもかかわらず、同年、彼女は多くの共産主義国や権威主義国における最高政策決定機関である政治局の補欠委員に任命された。その後、2019年に解任されたが、再び復職した。
力強い女性
2021年には、北朝鮮の最高意思決定機関である国務委員会にも加わった。これら2つの役職により、彼女は伝統的に男性優位の北朝鮮の権力構造において、これほど高い地位についた数少ない女性の一人となった。
影響力と支配
金与正は現在、朝鮮労働党39号室を監督し、影響力を及ぼしていると考えられている。39号室は北朝鮮政権内の秘密組織であり、合法的な事業と密輸などの違法行為の両方を通じて外資を獲得する役割を担っている。
39号室
39号室は、金一族の生活、軍事、そして戦略プロジェクトの資金調達に不可欠な存在である。そのため、同室における彼女の地位は、兄の後継者としての彼女の政治的立場を強化するものとなっている。
指導者になる
では、彼女は北朝鮮の次期最高指導者となる可能性があるのだろうか？現在、金正恩が死去、あるいは行動不能になった場合、直ちに指導権を担える立場にある唯一の成人家族は与正ではないかとの憶測が出ている。
家族内の競争
金正恩には、娘の金周愛（キム・ジュエ）がおり、彼女が直接の後継者となる可能性はある。しかし、彼女は現在12歳か13歳であるため、たとえ次期最高指導者になったとしても、彼女が成人するまでは与正が摂政または暫定指導者として職務を遂行することになるだろうと推測されている。
イメージを築く
この考えは、政権が彼女を個人崇拝の対象にしようとしているという初期の兆候によって裏付けられている。これは過去の指導者たちに対して用いられた戦略と似ている。彼女はしばしば、尊敬される政府高官たちに囲まれ、笑顔で撮影されている。
家父長制の反対
しかし、北朝鮮は依然として家父長制社会であり、これまで女性の指導者は存在しない。そのため、女性を最高指導者に任命することは、政治的および軍事的な強い抵抗を招く可能性がある。
金与正の将来
いずれにせよ、金与正の政治的将来は金正恩の指導者としての安定にかかっている。世界が金正恩の後継者を待ち望む中、世界の大国は今後の動向を不安に思い、金与正からヒントを得ようと注視している。
出典：(Politico) (AP News) (Al Jazeera) (Financial Times)
