漬ける、蒸す、塩をするだけ──アレンジ自在の使える“野菜”の下ごしらえ
撮影・黒川ひろみ 文・河野友紀
野菜は蒸すか、塩もみか漬けるか。このまま食べてもアレンジしても美味。──野菜や肉・魚に少しの手を加える下ごしらえ。いくつもの料理に展開できて、食事作りの負担感が大きく軽減。少し前の自分に感謝したくなりますよ。今回はなす、にんじん、きゅうりの下ごしらえをご紹介。
“なす”のフライパン蒸し
漬ける、蒸す、塩をするだけ──アレンジ自在の使える“野菜”の下ごしらえ
【作り方(2人×2食分)】
1. なす8本(600g)はピーラーで皮をむき、ヘタを切る。
2. フライパンに1を並べて水1/2カップを入れ、蓋をして中弱火にかける。煮立ったら5分を目安になすに火が通るまで蒸す。水がなくならないよう注意。
3. 蓋を取ってなすを冷まし、保存容器に入れ、冷蔵庫で保存する。保存期間は3日。
なすと冷しゃぶのナンプラーたれ
【作り方】
1. 鍋に湯を沸かし、数枚ずつ豚肉(しゃぶしゃぶ用200g)を入れ、箸で泳がせながらしゃぶしゃぶの要領で火を通し、手早く取り出す。皿などに広げて粗熱を取る。
2. ナンプラー大さじ1、砂糖大さじ1、一味唐辛子適量を混ぜ合わせる。
3. 蒸しなす4本を食べやすい大きさに割いて皿に広げ、1をのせ、2をまわしかける。好みで万能ねぎを散らす。
なすと生ハムのカルパッチョ
【作り方】
1. 蒸しなす2本を縦半分に切って皿に広げる。オリーブオイル大さじ1/2をまわしかけて全体になじませ、生ハム適量を上にのせる。胡椒をふる。
千切り塩もみ“にんじん”
【作り方(2人×2食分)】
1. にんじん2〜3本(400g)は皮をむき、千切りスライサーで細く切る。
2. 1をボウルに入れ、塩4gを入れて軽くもみ、10分程度置く。水気をしっかり絞り、保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。保存期間は3日。
にんじんとニラのチヂミ
【作り方】
1. ボウルに卵1個を割りほぐし、小麦粉80g、塩ひとつまみ、水大さじ3を入れて混ぜる。
2. 1に千切り塩もみにんじん150gと、4cm幅に切ったニラ1束(100g)を入れて混ぜる。
3. フライパンにごま油適量をひき、中火にかける。2を広げ、片面4分を目安に両面焼く。表面をフライ返しで押さえて平らにし、反対の面も同様に焼く。
にんじんとツナ、トマトのサラダ
【作り方】
1. ミニトマト8個はヘタを取り半分に切る。ツナ缶小1缶は油を切る。
2. ボウルにレモン汁、サラダ油、オリーブオイル各大さじ1を入れてよく混ぜ、千切り塩もみにんじん150gとツナを入れて混ぜる。トマトを加え、ざっくり合わせる。
塩水“きゅうり”
【作り方(2人×2食分)】
1. きゅうり4本はヘタを切り、長さを3〜4等分に切る。
2. 熱湯2カップに塩大さじ1を入れてよく混ぜて溶かし、冷ましておく。
3. 保存容器に2を入れ、きゅうりを漬ける。冷蔵庫で半日おく。保存期間はその後3日。
きゅうりと挽き肉の辛味噌炒め
【作り方】
1. 塩水きゅうり2本分は縦半分に切り、1.5cm幅に切る。
2. フライパンにごま油適量をひき、中火にかける。豚挽き肉150gを入れてパラリとなるまで炒める。味噌小さじ1、砂糖小さじ1、おろし生姜少々を加え、なじむまで炒める。
3. きゅうりを加え、さっと温める程度に炒め、器に盛り、ラー油適量をかける。
ささみときゅうりのからし醤油和え
【作り方】
1. ささみ2本は筋を取り、耐熱皿にのせて酒大さじ2をかける。ふんわりラップをし、電子レンジ(600W)で1分半加熱する。粗熱を取り、細く割く。
2. 塩水きゅうり1本分、みょうが1本を細切りにする。
3. 醤油小さじ1と練りがらし少々を合わせ、1、2を加えて混ぜ合わせる。
漬ける、蒸す、塩をするだけ。アレンジ自在の使える下ごしらえ
「灼熱の中を帰宅し、そこから野菜の皮をむいて切ってコンロで調理……なんて、正直無理ですよね」
と、料理研究家の上田淳子さん。だからといって“素麺だけ”みたいなメニューでは夏バテのもと、と語る。
「冷蔵庫に千切りの塩もみにんじんがあればすぐにサラダが作れますし、醤油漬けの豚肉があれば、フライパンで焼くだけで一品できる。調理ステップも少なく味がすぐ決まるというのは相当ラクですよ。いずれも保存期間は冷蔵庫で3日程度なので、たくさん下ごしらえするのではなく、野菜1種類、肉か魚のいずれか1つ準備するくらいのテンポ感が良いと思います。これで野菜もタンパク質もしっかり摂って、厳しい夏を乗り切りましょうね」
上田淳子さん(うえだ・じゅんこ) 料理研究家
著書に『夏をのりきるラクごはん77:灼熱の夏も「おいしい」をあきらめない、すべての人へ』(主婦と生活社)など。
『クロワッサン』1147号より