愛猫が『飼い主さんの髪の毛をせっせと舐める』3つの理由 やめさせるには?
愛猫が『飼い主さんの髪の毛をせっせと舐める』3つの理由 やめさせるには?
1.毛づくろいの延長
猫は、親しい仲間同士でお互いに毛づくろいし合います(アログルーミング)。猫にとって、「舐める」という行為は、人間の想像以上に大切です。コミュニケーション手段として非常に重要な役割を担っています。
愛猫が飼い主さんのツヤツヤの髪を舐めたがるのも、「アログルーミング」の延長線上にあると考えられます。一説によると、猫は、飼い主さんのことを「巨大化した猫」とみなしている、とも言われています。
たとえば、背中までのロングヘアーの飼い主さんであれば、愛猫から「スーパー長毛種猫」と認識されているかもしれません。
いずれにしても、飼い主さんの髪の毛を舐めるのは、愛猫なりの心のこもったスキンシップであり、信頼感に基づいた愛情表現と言えます。
ただ、手放しで喜んでいられないのも事実で、人間の髪の毛には、シャンプーやトリートメントなど、猫に有害な物質(香り、成分)が付着している可能性もあります。万が一、愛猫が口にすると、中毒症状などの健康被害の危険性も否定できません。
愛猫が飼い主さんの髪をやさしくグルーミングし始めたら、内心のうれしさをぐっとこらえつつも、巨大猫の体格を活かし、愛猫を軽々と抱き上げて、危険の及ばない場所(ソファーなど)に避難させるようにしましょう。
2.何だか楽しい
個体差はありますが、猫は好奇心が強い動物です。不思議なモノ、新規のモノを見つけると、調査のため、触ったり、戯れたり、舐めたりします。とりわけ、子猫や若い猫はその「気分」が濃厚です。
愛猫が飼い主さんの髪の毛で遊ぶのも、旺盛な探求心をかき立てられたせいかもしれません。猫の視点に立って、飼い主さんの髪の毛を見てみると、やはり、どこか奇妙に思えるのでしょう。
ロングヘアーなら動けばゆらゆら揺れて、遊び心に火がつきます。一方、五分刈りは、毛先のチクチク感が何だかシュールです。パンチパーマにいたっては、どこかにおやつが紛れてないか、つい探したくなります。
なかには、おもちゃ遊びみたいに戯れたあげく、勢いあまって髪の毛を噛んでしまう猫もいます。猫じゃらしと勘違いしているのでしょうか。
愛猫が飼い主さんの髪の毛をおもちゃグッズと認識すれば、今後も同じ行動が繰り返される恐れもあります。何らかのタイミングで、髪の毛を誤って飲み込んでしまうと、量次第では消化器系のトラブルにつながりかねません。
飼い主さんは、愛猫の安全を守るためにも、自分の髪の毛で遊ばせないよう注意してください。
3.匂いが気になる
猫の嗅覚は鋭く、飼い主さんの髪の毛の匂いに興味を持って、舐めるパターンもあります。髪の毛の根元である頭皮は、人間の身体のなかでも最も匂い立つ場所で、ある意味、「その人らしさ」が凝縮されています。
匂いフェチの愛猫からすると、濃厚な匂いが立ち込める頭部エリアは、絶好の探索スポットです。おまけに、飼い主さんの匂い以外にも、シャンプーや外出中についた匂いまで含まれています。まさに多彩な情報の詰まった「匂いの玉手箱」です。
飼い主さんが迷惑に感じない限り、多少のレベルなら問題ないのですが、愛猫があまりに「飼い主吸い」に夢中になると、どこかで歯止めをかける必要があります。
もし愛猫が飼い主さんの髪の毛に執着するようになったら、柑橘系のシャンプーに変えるのもひとつの対策です。多くの猫は柑橘系の香りが苦手で、変更すれば、髪の毛にまったく関心を示さなくなるかもしれません。
まとめ
本文でも紹介したように、愛猫が飼い主さんの髪を舐めたがる理由には、「アログルーミングの一種」「好奇心が刺激される」「匂いが気になる」といった3つの可能性が考えられます。
スキンシップの延長線上として許容できる範囲であれば、それほど心配はいりません。ただし、人間用のシャンプーやコンディショナーなどには、猫の健康を害する物質が含まれていることもあり、一定の注意が必要です。
万が一、髪の毛を誤飲し、嘔吐や便秘など愛猫の調子が悪くなったら、すぐに動物病院で診てもらってください。