料理家・栗原はるみ「相手に気を遣わせない」贈り物のアイデアとさじ加減

75歳でレシピやライフスタイルを紹介する雑誌『栗原はるみ』を創刊。

号を重ねながら、雑誌の企画で挑戦したギターが新しい趣味になったり、猫を飼いはじめたり……。料理はもちろん、自分らしくひとりでも楽しく暮らすためのヒントを発信し続けている料理家の栗原はるみさん。

そんな栗原さんが、誌面だけではどうしても伝えきれない料理のコツ、そして何より料理を作ることの楽しさ、丁寧な暮らしのエッセンスをお届けするオンライン料理教室を9月にスタートさせます。

6月、7月にお届けした無料のインスタライブレッスンは、一週間で約7万人以上が視聴するなど、大反響!

料理家・栗原はるみ「相手に気を遣わせない」贈り物のアイデアとさじ加減

6月のメニューはトマトすき焼きとたたききゅうり、7月は麻婆豆腐と卵チャーハン。レシピ、7月のアーカイブ動画は雑誌公式アカウントでも公開中!

今回は、栗原さんの気を遣わせない贈り物と贈り方のアイデアをご紹介します。

そのまま楽しめるようお皿やカトラリーもセットに。焼いたパンだけではなく、食べるシーンをイメージして、手作りした季節のジャム、白いお皿、ジャムを入れる器、バターナイフを一緒に贈ります。 ジャムの瓶はふたを布で覆ってから紐でくるり。

①一番大切なのは、さり気なさ。お返しの気を遣わせることがないように

人に何かプレゼントするのが好きなので、相手の喜ぶ顔を想像しながらあれこれ選んでいる時間がとても楽しいです。

でも、贈り物ってさじ加減が難しいですよね。こだわればこだわるほど、お返しをしなくては、と相手に気を揉ませてしまいます。

では、どんな贈り物がいいのか、どう贈ればいいのか。

私がずっと心がけているのが、とにかく普段通りで、かしこまらないこと。

張り切って、特別なものをわざわざ買うということはしません。

贈り物というより、感覚としてはお裾分け。

「今朝パンを焼いたのでどうぞ〜」と言われたら、誰だって気負いなく「いただきます」ってすぐ受け取れるでしょう ?

自家製のシロップやソースなどもそう。花も、フラワーショップに足を運ぶのではなく、庭に咲いているハーブを摘んでブーケにします。

 

衣類や調理器具を贈る時も高価なものではなく、普段使いできるカジュアルなものを。

スニーカーソックスや、コンパクトで使い勝手のいいサラダスピナーなど、よく贈るものは、いざというときに焦ることがないよう、自宅のお土産ストックコーナーに常備しています。

仕事場に作ったラッピングコーナー。収納バーにはリボンや紐を通しているので、使う時はくるくる引き出してカットするだけ。包装紙やカード、シール類もさっと取り出せるようにしています。

②相手が使うシーンを想像して組み合わせる

そして、個人的に大事にしているのが、使うシーンを想像して組み合わせること。

単品で何かを贈ることはほとんどありません。

例えば、ケーキやクッキーをあげるとき、おいしい紅茶のティーバッグを一緒に添えたら、その時間がより充実したものになりますよね ?

白ワイン好きには、私の好きなたまりじょうゆのおせんべいをセットで。

そうめんやうどんを贈るときは、薬味をすってそのまま食卓に並べられるかわいいミニおろしを。

料理を始めたばかりの人には、フッ素加工で使い勝手のいい16cmの深型フライパンと、簡単に作れるチャーシューのレシピなどを一緒に。

そうして組み合わせると、贈られた方にもわかりやすくて喜ばれます。

③面倒と思わず、少しの手間をかける

そして最後に、包み紙や結ぶ紐を選ぶひと手間で、感謝の気持ちが伝 わります。

ギザギザに切れるはさみでカットした布を巻いて紐でキュッと結ぶくらいのお手製が、ちょうどいい。

ミシンで縫った布袋に入れることもあります。

添える手紙はメッセージカードやマスキングテープにペンでひと言。

それぐらいが相手に気を遣わせない気がしています。

手間を惜しまず、自分らしさをさりげなく表現すること。

それが、贈り物を楽しむ秘訣だと思います。