資産運用をしたいけれど…目安となる平均値は? 「年収300万~500万円未満」世帯は株式、投資信託をいくら持っているのか

資産運用をしたいけれど…目安となる平均値は? 「年収300万~500万円未満」世帯は株式、投資信託をいくら持っているのか

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から、まずは年収300万~500万円未満世帯の金融資産の保有状況ランキングについて見ていこう。

投資信託、株式が定期性預貯金を上回る単身世帯

単身世帯の結果は以下のようになっている。

金融商品(種類別)保有額(年収300万~500万円未満、単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※年間収入300万~500万円未満かつ金融資産保有世帯、実数475)よりFinasee編集部作成

金融商品(種類別)保有額ランキング(年収300万~500万円未満、単身世帯)

1位 預貯金(運用または将来の備え) 517万円(うち定期性預貯金213万円) 2位 投資信託 327万円 3位 株式 315万円 4位 生命保険 141万円 5位 個人年金保険 97万円 6位 債券 60万円 7位 その他金融商品 14万円 8位 損害保険 12万円 9位 財形貯蓄 6万円 10位 金銭信託 4万円

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※年間収入300万~500万円未満かつ金融資産保有世帯、実数475)よりFinasee編集部作成

年収300万~500万円未満の単身世帯における金融商品の保有額ランキング1位は「預貯金」(517万円)。そのうち定期性預貯金が213万円を占めている。

2位は「投資信託」(327万円)、3位は「株式」(315万円)となっており、リスク商品も一定程度、保有している。さらに、その保有額はそれぞれ定期性預貯金を上回っている。将来の資産形成やインフレ対策として投資信託や株式に資金を振り向けているのかもしれない。

以降は4位「生命保険」(141万円)、5位「個人年金保険」(97万円)と保険商品が続く。また、生命保険の保有額は年収500万~700万円未満の単身者とあまり変わらない水準だった。リスクヘッジや老後資金の補完などを目的に一定の保有額があるのは将来への備えを求める心理の表れともいえそうだ。

この結果から、年収300万~500万円未満の単身世帯では、安全性の高い預貯金を基盤としつつも投資信託や株式といった資産運用にも積極的に一定の資金を振り向けている傾向が見て取れる。

●関連記事「3000万円以上か、100万円未満か? 「年収300万~500万円未満」世帯の金融資産保有額ランキング」

二人以上世帯は株式が定期性預貯金を上回る

年収300万~500万円未満世帯かつ二人以上世帯はどんな金融商品をいくら保有しているのか。結果を見ていこう。

金融商品(種類別)保有額(年収300万~500万円未満以上、二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※世帯主年間収入300万~500万円未満かつ金融資産保有世帯、実数987)よりFinasee編集部作成

金融商品(種類別)保有額ランキング(年収300万~500万円未満、二人以上世帯)

1位 預貯金(運用または将来の備え) 602万円(うち定期性預貯金315万円) 2位 株式 320万円 3位 生命保険 179万円 4位 投資信託 140万円 5位 個人年金保険 90万円 6位 債券 48万円 7位 損害保険 21万円 8位 金銭信託 20万円 9位 その他金融商品 11万円 10位 財形貯蓄 9万円

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※世帯主年間収入300万~500万円未満かつ金融資産保有世帯、実数987)よりFinasee編集部作成

二人以上世帯の金融資産別の保有ランキング1位は「預貯金」(602万円)で、そのうち定期性預貯金は315万円だった。2位の「株式」は320万円と、定期性預貯金を若干上回る水準だ。このことはリスクを取りつつ資産増を狙う姿勢を示しているといえそうだ。

続く3位は「生命保険」(179万円)、4位は「投資信託」(140万円)となっている。

預貯金で将来の生活安定や老後資金の確保を重視しつつ、株式や投資信託などで資産価値の向上を目指す傾向にあるようだ。一方で、生命保険によって、遺される家族などへの資金確保への備えも考えるなど、全体として堅実かつ戦略的な資産管理を心掛けているという見方もできる。

物価高騰の今、預貯金だけでない備えも

以上のように年収300万~500万円未満世帯では預貯金の保有額が他の金融商品を引き離して1位となっている。一方で、保有額が定期性預貯金と拮抗する資産として、単身世帯では投資信託と株式、二人以上世帯では株式が挙がっており、リスク資産への投資にも存在感がある。

また、いざというときの保障を備えた生命保険も一定額を保有するなど、各金融商品の持つ特徴をうまく取り入れているようだ。調査結果を1つの目安に自身のライフスタイルなどを加味して今後の資産形成を検討してはいかがだろうか。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。