航空会社が乗客の食事に費やしている実際の金額

航空会社の機内食は絶えず話題となってきた。楽しみに、する人もいれば、見過ごしがちな人もいる。そしてしばしば批判されるものではあるが、上空35,000フィートで提供されるトレーの背後には、複雑で費用のかさむ作業が隠れているのだ。各航空会社は機内食に年間で数十億ドルを費やしており、金額は路線、客室クラス、飛行時間、さらには目的地によっても異なる。
上級クラスの乗客は豪華なメニューを楽しむことができるが、エコノミークラスの乗客には通常、ずっと質素な食事が提供される。では、機内食の費用はどのような要因によって決まるのだろうか?乗客が実際に手にしているものは対価に見合ったものなのだろうか?このギャラリーをクリックして、その答えを探ってみよう。
金額はすべて米ドル表記。
トレーに乗った食事の価格

2015年、コンデナスト・トラベラーはアメリカ合衆国運輸省(DOT)のデータを調査し、同国内の大手航空会社10社における乗客1人あたりの食事代が平均わずか3.61ドルであることを明らかにした。
機内食の予算の削減

この数字は、航空会社が1食あたり4.79ドル近くを費やしていた1990年代後半に比べると大幅に減少している。これは、機内食の予算が大きく削減されたことを示している。
空で一番の安価

同じ調査によれば、航空会社の機内食の予算は2007年に底値を記録し、航空会社は1皿あたり平均3.30ドルしか費やしていなかった。これは、地上で飲むコーヒー1杯分の価格とほぼ同じだ。
無料の食事が消えた瞬間

航空会社による機内食に関する支出の減少の多くは、サービスの削減とも関連している。9/11の後、そしてこれによる航空業界への財政負担の後に、航空会社は無料の機内食を段階的に廃止し始めた。
最後の無料トレー

後にユナイテッド航空に合併されたコンチネンタル航空は、国内線のエコノミー機内食を無料で提供していたアメリカ合衆国最後の航空会社であり、2010年10月12日に機内食が無料時代は終わりを告げた。
空の上の高額消費社

2015年のDOTのデータでは、アメリカン航空がトップで、1食あたり平均6.43ドルを費やしていた。6.08ドルでユナイテッド航空が続き、デルタ航空が5.36ドルで僅差で後に続いた。
予算重視の軽食

一方のジェットブルー航空は乗客一人当たりわずか1.39ドル、スピリット航空はわずか26セントであった。しかし、両社ともフルコースの食事ではなく軽食を提供していた。
変化の10年

もちろん、これらの数字は10年以上前のものであり、その後はあらゆるもののコストが上昇している。それでも、機内食の支出に関する現在のデータを追跡するのは驚くほど難しい状況である。
空前の価格差

The Points Guyの2019年の記事では、業界関係者の報告によると、アメリカ合衆国の航空会社はエコノミークラスの食事1食につき約4ドル、ビジネスクラスで25ドルから30ドル、ファーストクラスの複数のメニューからなるコースの食事に100ドル以上を費やしているという。
変化する機内食の費用

Simple Flyingの2024年の記事によると、エコノミークラスの機内食の値段は5ドルから15ドル、ビジネスクラスは30ドルから50ドルとなっており、機内食の値段は上昇し続けている。
贅沢なごちそう

ファーストクラスの食事は1食100ドルを超えるのが一般的だが、航空会社が世界的に有名なシェフに料理を依頼した場合は、その費用は乗客1人当たり300ドルにも跳ね上がる。
フルサービスの味

フルサービスを提供する航空会社では、無料の機内食が含まれていることが多く、複数のメニューからなるコースのグルメな食事に投資している。長距離便においては、エミレーツ航空やシンガポール航空などの航空会社は、乗客一人当たり10ドルから30ドルを食事に費やすことがある。
予算重視の機内食

これとは対照的に、ライアンエアーのような格安航空会社では、無料の機内食は最低限もしくは全くなく、代わりにスナックや簡単なサンドイッチを販売している。平均的な機内食の料金は3ドル前後かそれ以下であり、フルサービスの食事ではなく、あらかじめパッケージされたものに頼っている。
飛行距離別の食事プラン

予想通り、フライトの時間は食事の予算に大きな影響を与える。長時間のフライトでは3つのメニューからなるフルコースが必要なことが多くコストがかさむが、短時間の国内線では軽食ボックスや軽い飲み物のサービスにとどまるのが普通だ。
目的地別のメニュー

フライトの目的地によって、トレーに載っているものが変わる場合もある。特殊な文化と関わりの深い路線では、伝統的な食事が提供されることが多く、その場合はコストが高くなる場合がある。例えば、アメリカ合衆国からシンガポールへのフライトでは、専門のシェフによる本格的なシンガポール料理が提供される。
費用の内訳

機内食のコストを把握するには、機内食の中身を見ることが有効だ。肉、野菜、穀物などの食材は、特に季節や特殊な調達手段が関わると費用が上昇する可能性がある。
トレーの裏側にある労働

調理も重要な要素である。大規模なケータリング施設で食事を調理し、組み合わせるには人件費がかかるため、機内食の全体的な費用に大きく貢献する。
あなたのためのメニュー

航空会社はケータリング会社と協力して、乗客が魅力を感じるようなメニューを作る。選択肢は食事制限、地域の嗜好、顧客からの期待などの要因によって決まる。
空の上のためのデザイン

料理チームは味、鮮度、そして大勢の乗客に効率よく食事を提供するという現実的な課題の間でバランスを取りながら、上空での調理や再加熱に耐えられる食事を作り上げる。
35,000フィートでの味覚

上空では味覚が鈍るため、機内食では異なるスパイスや味付けがされていることが多い。ケータリング会社は、専門的な訓練と技術を駆使して、機内でも食事が美味しく味わえるようにしているのだ。
空に浮かぶグルメ

有名シェフや人気レストランと提携し、旅行者を惹きつけようとする航空会社もある。例えば、デルタ航空では現在、一部の路線でファーストクラスの乗客に向けてシェイク・シャックの定番バーガーを提供している。
調理完了、包装済み、飛行準備万端

多くの航空会社の機内食は事前に調理され、提供されるまで冷凍または冷蔵保存される。この方法によって、航空会社は安全性と一貫性を維持しながら、大量の食事を生産し、効率的に複数のフライトに供給することができるのだ。
トレーの支払い

一般的に、無料の機内食は国際便の長時間フライトに限られており、国内線では航空会社によって乗客が食事に支払う料金は異なる。2023年版Finance Buzzの分析によると、ジェットブルー航空は平均的な前菜に13ドルを請求し、群を抜いている。
各航空会社の食事料金

デルタ航空は12ドル、アラスカ航空は10.50ドル、ユナイテッド航空は9ドルとなっている。アラスカ航空、アメリカン航空、デルタ航空、ジェットブルー航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空などを含む複数の航空会社では、現在でも乗客に無料の包装済みのスナックやソフトドリンクを提供している。
全てに追加料金がかかる

一方のアレジアント・エア、フロンティア航空、スピリット航空などの格安航空会社は、機内においてはペットボトルの水に至るまで有料としており、軽食、飲み物、食事などの全てに航空券代とは別に追加料金がかかる。
機内でのアルコール代

上空ではアルコールは割高となっているようだ。スピリット航空では、乗客は1杯あたり平均8~10ドルを支払う。これは、2024年に分析されたアメリカ合衆国の主要航空会社10社の中で最高額である。
機内でのアルコール代

ユナイテッド航空、アメリカン航空、ジェットブルー航空はいずれも1杯あたり約9ドルを請求しているが、サウスウエスト航空は1杯あたり7ドルから9ドルと一番手頃な価格設定となっており、お得感重視のサービスで定評のある同社の姿勢が反映されたものとなっている。
乗客がメニューを形成する背景

アンケート、レビュー、ソーシャルメディアなどを通じた乗客からのフィードバックは、航空会社のメニューの形成に関して大きな役割を果たしている。航空会社は、こうした意見に基づいてメニューを調整し、変化する嗜好や乗客の期待に沿う食事を提供しているのだ。
評価が航空会社の食事を左右する

あらゆる食事が写真に撮られ、共有され、オンラインで評価される現代の世界では、航空会社はこれまで以上に細心の注意を払っている。たった1つの拡散されたレビューが評判を左右することもあるため、航空会社は品質を向上させ、乗客が実際に望んでいるものに沿ったメニューを作ることが求められているのだ。
出典:(Daily Passport) (FoodDrinkTalk) (Business Traveler USA) (The Counter)