IMP.影山拓也、秋田汐梨&高田里穂とドロドロ三角関係も「みんなで仲良く」 「私の彼が姉の夫になった理由」インタビュー

「私の彼が姉の夫になった理由」に出演するIMP.の影山拓也 撮影:吉井裕志
連続ドラマ「私の彼が姉の夫になった理由」(MBSなど)に出演し、秋田汐梨、高田里穂とトリプル主演を務めるIMP.の影山拓也。連ドラ初主演を果たした本作では、恋人がこん睡状態の間に、その彼女の姉と結婚してしまう医師、吉村優馬を好演している。自分とはまったく違うタイプだという優馬役を演じる影山が、この作品の魅力や、現場でのエピソード、デビューしてから2年たった心境の変化などを語った。
「私の彼が姉の夫になった理由」とは?
美桜せりなさんの同名人気コミックスを実写化したラブサスペンス。階段から転落し、意識不明となった宮田愛子(秋田)が目覚めると、恋人の優馬が姉の紗栄子(高田)と結婚していた。それがきっかけとなり、想像を絶する悲劇に巻き込まれていく愛子。1人の男性を巡る姉妹の愛憎と秘密を描く。

「私の彼が姉の夫になった理由」に出演するIMP.の影山拓也 撮影:吉井裕志
――本作の出演を報告した際、IMP.のメンバーやご家族の方からどのような声をかけられましたか?
「メンバーからは『おめでとう』という言葉をもらいました。みんな、原作を読んでくれていたので『優馬役をやるの?』とか、興味を持って聞いてくれてうれしかったです。家族は、僕が想像していたようなリアクションじゃなかったです(笑)。僕は『え!? マジで、すごいじゃん!』というのを求めていたけど、シンプルに『そうなんだ。おめでとう』とあっさりした感じでした」

「私の彼が姉の夫になった理由」に出演するIMP.の影山拓也 撮影:吉井裕志
――それは、ほかの仕事が決まった時も同じ感じ?
「同じなんです。僕は、仕事が決まるとうれしくて家族に報告するんですけど、割と家族はあっさりしているんですよ。昔から、あまり干渉してこなくて『今日どうだった?』とか聞いてこないから、僕の方からめちゃめちゃしゃべるんですけど、そのくらいの方がいいかも」
――改めて、本作の魅力を教えてください
「原作を読ませていただいた時、人間の闇の部分を感じて、最初の方は『ひどいな』とか『なんでこんなことするんだろう』と思いましたが、読んでいるうちに、一見、悪そうに見えることでも、その人なりの正義ってあるんだなと感じるようになりました。だから、自分の価値観だけで物事を図ってはいけないんだなと。あと、とにかく先が気になって、早く続きが読みたいと思える面白い作品だなと感じました。

「私の彼が姉の夫になった理由」に出演するIMP.の影山拓也 撮影:吉井裕志
出演させていただく作品はいつも、台本を何度か読むようにしていて、1回読んだだけじゃ気づけなかったことが、2回以上読むと、細かい部分に気づけるんですよね。このセリフってこういう気持ちで言っているんだとか、それぞれのキャラクターの細かい心情がより深く見えてくるのも面白いですし、今回も、もう1回読もうかなと思っています」
――そうすることで気づいたことを具体的に教えてください
「優馬は、愛子が昏睡状態の間に紗栄子と結婚して『優馬、何やってんの?』とか『嘘でしょ?』と思ったんですけど、優馬が紗栄子と結婚した理由はきちんとあって、結婚せざるを得ない状況に置かれていたんだなって。でも、『そこまでしなくていいんじゃないの?』と思うかもしれないですが、愛子のことを大切に思っているが故の行動だったんだなと。実はすごく複雑なんですよね。紗栄子にあんなことされたら人間不信になるかも。それでも、この3人が離れない理由はちゃんとあるんです」
――実際に優馬を演じて、印象は変わりましたか?
「本読みの段階でも、クランクインしてからも、藤澤浩和監督といろいろな意見交換をさせていただいているのですが、『原作よりも、少し明るさも出してもいいよ』とおっしゃってくださったので、バランスをとりながら、いつもよりは声のトーンを落として、なるべくクールな印象を心がけて演じています」
――愛子と紗栄子の間で揺れ動く心情を、どのように表現されているのでしょう
「そこが難しいのですが…。恋人だった愛子にしか見せない表情を、紗栄子には出さないようにしています。優馬って意外と甘えん坊だなと思っていて、優馬が素の自分を見せられるのは愛子だけなのかなと。でも紗栄子に対しては、愛子のお姉ちゃんでもあるし、優馬よりも年上だから尊敬している部分もあるんですよ。両親がいなくなってから、紗栄子がずっと愛子のそばにいて支えてきた。その点は、優馬的にも紗栄子を結構頼りにしてるようなところがある。自分のお姉ちゃんではないですけど、優馬にはそういう思いもあるんじゃないかな。正直、紗栄子に対する愛情はないと思います。
とはいえ、どちらに対しても申し訳ないという気持ちもあると思います。愛子は優馬のことが一番で、優馬の思いも同じ。紗栄子の前ではその感情を出してはいけないんだけど、優馬の中には、『どうして俺がずっとそばにいたのに、紗栄子の悩みや、1人で苦しんでいたことに気づいてあげられなかったんだろう』という申し訳なさでいっぱい。愛子と紗栄子に対する申し訳なさや、自分が何もしてあげられなかった悔しさは拭えないんですよね」
――本編ではドロドロの三角関係を繰り広げていますが、現場ではどんな感じだったのですか
「3人で楽しくお話もさせていただいてますし、そういう役柄だけどカットがかかった後は普通にみんなでいろいろな話をします。『好きなご飯は?』とか、みんなで仲良く、それこそ幼なじみが集まったような現場でした」
――影山さんご自身が、もしこんな三角形に巻き込まれたらどうしますか
「逃げます! 巻き込まれたくないな…。もし巻き込まれたら、ちゃんと1対1で話し合います。紗栄子の言いなりにはならないと思います。自分の信念とか意見は絶対に曲げないと思います。相手がそれっぽいこと言ってきたとしても、あまりにも自分の生き方と違いすぎたらこの人無理だなと思います。でも、自分の意見を曲げることになったとしても、きちんと話も聞きますし、理解しようとはしますけど、それでもあまりにも考え方が違ったり、理解できなかったら僕は身を引くと思います」
――秋田さんと高田さん、お二人と共演した印象は?
「秋田さんの第一印象は、僕よりも年下だけどすごくしっかりしているなという感じでした。大人っぽく見えますし、クールな印象もあります。いろいろお話をしていくと、意外とよく笑う人だなと。ツボが浅い方なのかなという印象もありました。高田さんは、初めてお会いした時からすごくフランクにお話ししてくださったおかげで、僕の緊張が和らぎましたし、とても話しやすい方だなと感じました」
――SNSでは、白衣が似合うとか、イケメン医師と騒がれていますが、優馬というキャラクターの感想は?
「優馬は、僕の性格とは真逆で、頭も良くて、すごくスマートで、誰に対しても優しいし、しかもお父さんが医者でその後継ぎって…。全部揃っているじゃないですか。読んでいて、優馬に嫉妬しちゃいましたもん。『かっけえな、優馬』みたいな(笑)。そんな優馬を演じさせていただけるのはうれしいですし、僕が、自分の人生では味わえないものを役を通して経験できてすごく貴重です。白衣を着ることなんてそんなにないですし、一気に頭が良くなった気がします(笑)」
――逆に、自分と優馬の似ているところは
「優馬って、紗栄子にひどいことをされても結局は見捨てられないんですよね。自分で言うのも恥ずかしいですけど、実は僕も、自分がそんなことをされたとしても、見捨てられないんですよ。その人のいいところも知っているから、たまたまだよとか、人間ってそういう時もあるよなと思っちゃう。ここで僕が見捨ててしまったらどうなるんだろうとか、いいのか悪いのかわからないですけど…。だから、地元の友達とはめっちゃ仲いいんですよね。小学生からだから、もう18年ぐらいの付き合いになるのですが、いまだにご飯とか行きます。その友達に何か悪いことされたわけじゃないですけど、縁をすごく大事にしたいので、仮に僕が信頼している人に何かされても、悪いことは悪いってちゃんと自分の気持ちは伝えますけど、見捨てることはしないかも。そういうところは優馬と似ているなと思います」
――あまりケンカはしないですか?
「友達とケンカはしないですけど、妹とはめっちゃケンカしますね(笑)。一つ下の妹がいるんですけど、年が近いせいなのか、親に言えないけど、僕に言えることって結構あるらしいんです。でも、いろいろ話を聞いている時、妹が言っていることがちょっと違うなと思ったら、すぐズバッて言っちゃうんですよ。そうすると『お兄ちゃんは何もわかっていない。そうじゃないんだよ』みたいに怒ってきて、意味わからないんですよ。いやいや、相談してきたのは妹だし…。二度と相談してくるなよと言いつつ、結局、また相談に乗っちゃいますけどね(笑)。僕には妹が2人いるので、姉妹を見ていて思いますけど、2人はすごく楽しそうなんですよ。何を話しているのか聞いてみると、大したことじゃないけど盛り上がっていて。お兄ちゃんだけど入っていけないところがあります。僕が話に入ると、一気にしらけますもんね。さっきまで盛り上がっていたのに、チーンみたいなね(笑)」
――ハマっていることがあれば教えてください
「嫌いな食べ物はないんですが、ご飯屋さんを知らないんですよ。だから、現場でご飯の話が出た時に、おすすめのご飯屋さんを教えてもらってマップに保存して、後日、一人でもちゃんとそのお店に行きます。最近ですと、メキシコ料理がすごくおいしかったです。思っていたより全然辛くなくて、めちゃめちゃおいしかったんですよ。メキシコの方が作る本格的なメキシコ料理で、そこにも面白さを感じました。これだから、誰かに聞くっていいんだよなと。自分の知っているお店ばかりじゃなくて、自分の知らなかった世界を見ることができるので、最近ハマっています」
――仕事に行く時や撮影に入る時前のルーチンは?
「慌てて支度をするのが苦手なので、家を出る2時間前に起きています。余裕を持って早起きして、コーヒーを飲みながら1日の流れを把握したり、舞台の日は、朝のうちに気持ちを作ったりします。どんなに夜遅く帰ってきても、2時間前には起きるようにしていますね。小さいころもですが、実は今も朝がめちゃめちゃ苦手なんです。ただ、苦手だからこそ、2時間前に目覚ましをかけないと寝坊しちゃうかもしれないので、余裕を持って起きるようにしています。そのおかげで、遅刻しそうになったのは、渋滞にはまった時ぐらいです。基本的に僕は、めちゃめちゃ早く現場に入りたい人なので、2時間前に起きておけば大丈夫。何があっても対応できるようにしています」
――デビューしてから感じた変化や、自分の中で成長したと感じたことは?
「デビューする前、先輩のバックで踊らせていただいていたころは、先輩方にたくさんのファンがいらっしゃったので、そこで好きになってもらうためにはどうしたらいいんだろうと思っていました。デビューしてからは、自分たちのグループIMP.を好きになってもらうにはどうしたらいいのかと考えるようになりました。まず、IMP.を知らない人たちに知ってもらうにはどのようにしたらいいのか…。たくさんのアーティストさんがいるなかで、僕たちの世界観を気に入ってもらえたらうれしいので、先輩のもとで学ばせてもらったことを絶対に忘れずに、それにプラスアルファしてIMP.という個性を強く出していけたらと思います」
――ドラマの見どころをお願いします
「優馬の恋人である愛子が、事故なのか事件なのか、昏睡状態になって1週間目を覚まさなかった間に、優馬と愛子の姉である紗栄子が結婚していて、ショックを受ける。その背景になにがあったのか、より深いところまで分かってくる過程にもいろいろなことが起こります。その理由と真相に辿り着くまでの、みんなの心情にも注意してみてもらえると、より楽しめると思います」
――影山さんご自身の注目してほしいポイントは?
「優馬とIMP.影山拓也のキャラクターのギャップを楽しんでいただきたいな。『影山くんって、実はこんな人だったんだ』と、僕の真相にも迫っていただけたらうれしいですが、何よりも、この原作と僕たちが演じるキャラクターも共に愛していただけたら、僕はそれが一番うれしいですね」
影山拓也 プロフィル
1997年6月11日生まれ、28歳。7人組男性グループ「IMP.」のメンバー。グループではリーダーを担当。「IMP,」の4thシングル「Cheek to Cheek」のカップリング曲「Reckless Love」は本作のエンディング主題歌に決定。グループの活動のほか、俳優としても活躍。昨年は「Qrosの女」で初のドラマ出演を果たす。10月4日に新橋演舞場で開幕する舞台「星列車で行こう」では、主人公の太郎役を務める。
取材・文/松下光恵