鍋ひとつでできるプラントベース料理

植物由来（プラントベース）の食事を中心にすることは、健康を向上させ、環境への負荷を減らすうえでも非常に効果的だ。といっても、加工食品や乳製品、肉類を完全にやめる必要はない。大切なのは、できるだけ果物、野菜、全粒穀物、ナッツ、植物油といった植物性の食材を選ぶことだ。

食生活を変えるのは面倒に思えるかもしれないが、ここで紹介する鍋ひとつでできる簡単で手間のかからないワンポットレシピを見れば、そんな心配は不要だとわかるはず。さっそくギャラリーをチェックしてみよう。

ズッキーニのペストパスタ

ズッキーニヌードルはとても簡単に作れ、調理するソースや具材の味をしっかり吸ってくれる。ニンニクと玉ねぎで炒め、ペストを加えれば、風味豊かで低糖質なディナーがすぐに完成する。スパイラライザーがなくても、千切りピーラーを使えば手軽にヌードルが作れる。

レンズ豆とココナッツのカレー

カレーは平日の夕食にぴったりの一品である。乾燥レンズ豆、ココナッツミルク、スパイスはどれも保存がきく手軽な食材であり、常備しておけば30分以内に美味しい料理がさっと作れる。

レンズ豆のボロネーゼ

レンズ豆はボロネーゼのひき肉代わりとして驚くほどよく合い、たんぱく質も豊富である。トマトソースでレンズ豆を煮込んだら、鍋に野菜ブロスを加えて、そのままパスタを一緒に茹でると、風味がしっかり染み込んで美味しく仕上がる。

大麦のリゾット

押し麦（パールバーレイ）は、コレステロールや血糖値を下げる効果が期待できる優れた穀物である。加熱するとふくらみ、米の代わりとしても最適である。かぼちゃときのこを使った大麦のリゾットは白ワイン、ニンニク、フレッシュハーブと合わせれば、食べごたえがあり風味豊かな一皿となる。

キムチチゲ

キムチチゲは、アジアのスーパーで手に入るシンプルな材料で作る、辛くて風味豊かな料理である。キムチ、コチュジャン（韓国の唐辛子味噌）、テンジャン（大豆味噌）があれば本格的に作れる。これらの発酵食品は味わい深く、冷蔵庫で長持ちするため、さまざまな料理に手軽に旨味を加えることができる。

タイ風ピーナッツラーメン

このシンプルで美味しい料理にはココナッツミルク、ピーナッツバター、タイカレーペーストが必要である。好みの麺（そばや全粒粉麺がおすすめ）と、豆腐や野菜を加えて調理する。

自家製ラーメン

ラーメンは基本的な材料さえあれば、自宅でも簡単に作れる料理である。スープは野菜出汁、醤油、みりん、ニンニクで作り、麺やトッピングは好みに応じて自由に選べる。

ラタトゥイユ

ラタトゥイユは、豊かなトマトソースで煮込んださまざまな野菜を使ったフランスの伝統料理である。シンプルなトマトソースには缶詰のトマトとバジルペストを加えると風味が増す。ひよこ豆を加えてボリュームアップさせ、クスクスやお好みの穀物と一緒に提供することもできる。

ミネストローネスープ

ミネストローネは玉ねぎ、ニンニク、イタリアンハーブで風味をつけたトマトベースのスープである。お好みの地中海野菜を加え、全粒粉パスタや白いんげん豆を入れると、さらに満足感のある一品になる。

バターナッツスクワッシュのスープ

寒い夜に温かいスープほど心地よいものはない。バターナッツスクワッシュは自然とクリーミーで美味しいが、ココナッツミルクを加えるとさらに味わいが深まる。

モロッコ風ハリラ・スープ

モロッコの定番料理を肉なしでアレンジしたこのスープは、たっぷりのスパイスが効いたトマトベースで、ひよこ豆が入っている。ひよこ豆の代わりにレンズ豆を使ったり、キヌアを加えることもできる。特徴的なスパイスはクミン、シナモン、スモークパプリカ、ナツメグである。

トルティーヤスープ

具だくさんの缶詰トマトと野菜ブロスをベースにしたこの風味豊かなスープは、スパイスが決め手である。チポトレペッパーやスモークパプリカが肉なし料理では珍しい深い味わいを与える。ピーマン、スイートコーン、黒豆と相性が良く、トーストした全粒粉トルティーヤの細切りをのせてディップとして楽しめる。

スイートポテトのハッシュ

スイートポテトハッシュは、朝食はもちろん、どの食事にも合うシンプルなレシピ。サツマイモを小さな角切りにして、タマネギやニンニク、スパイスと一緒に炒めるだけ。さらにブラックビーンズ、トマト、ハラペーニョ、ホットソースを加えれば、栄養たっぷりで風味豊かな一品に。

野菜のムケッカ（ブラジル風ココナッツシチュー）

ムケッカはココナッツミルクを使ったブラジルの伝統的なシチューで、本来は魚が入るが、植物性のバージョンでも十分美味しい。ニンニク、しょうが、コリアンダー、チリなどを使った、さわやかでトロピカルな風味が特徴だ。

キチュリ（インド風スパイス雑炊）

キチュリはアーユルヴェーダ料理で使われる、消化にやさしく腸にも良いとされる滋養たっぷりの一品。主な材料はバスマティライスと黄色いレンズ豆で、これらを野菜のだしと一緒に、デトックスや抗炎症効果のあるスパイスで煮込む。風味が豊かで、好みの野菜を加えてボリュームを出すこともできる。

パスタ・アッラ・ノルマ（ナスとトマトのシチリア風パスタ）

パスタ・アッラ・ノルマは、ナスと味付けしたトマトソースを組み合わせた、シンプルながら風味豊かなイタリア料理。調理の手間を減らすには、まず同じ鍋で全粒粉パスタを茹でてから、そのままソース作りに取りかかるのがおすすめ。

野菜のパエリア

パエリアはまさに究極のワンポット料理。材料を順番に加えてじっくり煮込むことで、風味がどんどん深まっていく。ニンニク、スモークパプリカ、レモンがこの料理の主役。米がすべての味を吸い込んでいくのがポイントで、最後にカリッと香ばしいおこげを作るためにも、途中でかき混ぜないのがコツ。

シャクシュカ（スパイストマト煮込み）

シャクシュカは中東発祥の料理で、近年ではおしゃれなブランチカフェの定番メニューにもなっている。ボリュームのある朝食として人気だが、一日中いつ食べても満足感がある。トマトソースにはニンニク、チリ、パプリカ、クミンで風味をつけ、ピーマンやナスなどの野菜を加えるのもおすすめ。伝統的には卵を落として仕上げるが、完全植物性にしたい場合は絹ごし豆腐で代用するとよい。

タイ風レッドカレー

タイカレーペーストは、手早く美味しい料理を作るのに便利な常備アイテム。ペーストにココナッツミルクを加え、好みの野菜を入れるだけで本格的な味になる。カボチャ、スナップエンドウ、パプリカなどが特によく合う。

コーンチャウダー

チャウダーは通常ミルクやクリームで作られるが、植物性のコーンチャウダーも簡単に作れる。アーモンドミルクとジャガイモでとろみを出し、風味を深めるために栄養酵母を少し加えるのがポイント（これはヴィーガンの定番アイテムとして知られている）。

乳製品不使用のマカロニ＆チーズ（ヴィーガン・マック＆チーズ）

植物性の食事を考えるとき、マカロニ＆チーズは真っ先に除外されそうな料理かもしれない。でも、工夫次第で楽しめる！できれば全粒粉のマカロニを使い、チーズソースの代わりにスイートポテト、植物性ミルク、栄養酵母を合わせたソースで仕上げれば、満足感たっぷりの一品に。

アロス・ロホ（メキシコ風トマト炊き込みご飯）

アロス・ロホはニンニク、タマネギ、トマトペースト、野菜だしで炊き上げるシンプルなメキシコのライスサイドディッシュ。ブラックビーンズ、スイートコーン、コリアンダーを加えれば、栄養満点のメイン料理にもなる。

野菜チャーハン

チャーハンは冷蔵庫に余っている野菜を活用できる、手軽なワンポット料理。旨みを引き立てるのに最適なのはオイスターソースだが、しょうゆとニンニクでも十分美味しく仕上がる。白米より少し歯ごたえのある玄米を使うのもおすすめ。

マッシュルーム・ストロガノフ

植物性のマッシュルーム・ストロガノフは、牛肉を使った定番レシピに負けないほどコクがあり美味しい。一般的なマッシュルームでも十分だが、乾燥ポルチーニを少し加えると味に深みが出る。ソースは植物性ミルク、白ワイン、コーンスターチでとろみをつけ、ニンニク、スモークパプリカ、しょうゆ、フレッシュハーブを組み合わせることで豊かな風味が楽しめる。

レモンとほうれん草のスパゲッティ

この手早く作れるレシピのポイントは、フレッシュレモンの風味。スパゲッティをココナッツミルク、野菜だし、レモン汁で茹で、液体がほぼ吸収されたらほうれん草を加え、味を整えれば完成！さわやかでコクのある一皿。

アフリカ風ピーナッツシチュー

このシチューは多くのアフリカ諸国で親しまれている定番料理。基本の材料はピーナッツバター、野菜だし、トマトペースト。ここにニンニク、ショウガ、クミンで風味をつけ、サツマイモやケールなどの野菜を加えれば、栄養たっぷりでコクのある一品に仕上がる。

ビーンズチリ（豆のチリコンカン風煮込み）

チリは手早く簡単に作れるうえ、植物性たんぱく質が豊富に摂れる優秀な料理。好みの豆を何種類か組み合わせ、さらにバターナッツかぼちゃを加えれば、食べごたえのある満足感たっぷりの一皿になる。

野菜のタジン煮込み

モロッコ風のタジンは、簡単に植物性にアレンジできる。肉の代わりにナス、バターナッツかぼちゃ、ズッキーニなどを加えるとよい。野菜がソースの濃厚な味わいをしっかり吸い込んで、奥深い味わいに仕上がる。

チャナマサラ（インド風ひよこ豆カレー）

チャナマサラは、ひよこ豆をベースにしたインドの定番料理。風味豊かに仕上げるには、ニンニク、ショウガ、コリアンダー、チリなどの新鮮な材料を使うのがコツ。これらをスパイスと一緒にすりつぶしてソースのベースにすると、本格的な味わいが楽しめる。

出典：（BBC Good Food）（Minimalist Baker）（Harvard）