【年金生活者支援給付金】9月に”請求書”が届いたら返送を!月額5450円が上乗せ支給になる人も「給付基準額・平均給付月額・申請方法」は
「年金生活者支援給付金」に関する一般的な問い合わせは「給付金専用ダイヤル」でも可能
【年金生活者支援給付金】9月に”請求書”が届いたら返送を!月額5450円が上乗せ支給になる人も「給付基準額・平均給付月額・申請方法」は
2025年度は年金額が1.9%引き上げられ、物価高の中で生活を支える重要なニュースとなりました。
しかし、受給額は誰もが同じではなく、現役時代の収入や加入期間によっては、1万円未満の方から30万円以上受け取る方まで、その幅は非常に広いのが実情です。
本記事では、最新の平均受給額と男女差、個人差を紹介するとともに、低年金世帯を支える「年金生活者支援給付金」の内容や申請方法も紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、将来の備えを検討してみましょう。
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【厚生年金・国民年金】平均月額はいくら?個人差にも注目
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金と国民年金の平均月額を見てみましょう。
※厚生年金の金額は、国民年金部分を含む
厚生年金・国民年金の平均月額
〈全体〉
・厚生年金:14万6429円
・国民年金:5万7584円
〈男子〉
・厚生年金:16万6606円
・国民年金:5万9965円
〈女子〉
・厚生年金:10万7200円
・国民年金:5万5777円
基礎年金部分を含めた厚生年金の平均月額は14万6429円となっており、男女間では約6万円の差が見られます。
また、厚生年金の受給額は収入と加入期間に大きく左右されるため、1万円未満~30万円以上と個人差が大きくなります。
公的年金等の収入が一定水準以下の場合、「年金生活者支援給付金制度」の対象となる場合があるため、概要を確認しておきましょう。
【2025年は2.7%増額】年金生活者支援給付金はいくらもらえる?
2025年度は物価上昇などの影響を受け、給付基準額が前年より2.7%引き上げられました。
【2025年度】年金生活者支援給付金の給付基準額
・老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円(+175円)・2級5450円(+140円)
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円(+140円)
実際の支給額は、上記の給付基準額をもとに、保険料納付済期間などに応じて計算されます。
年金生活者支援給付金の平均給付月額
「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額は以下のとおりです。
・老齢年金生活者支援給付金:4014円
・障害年金生活者支援給付金:5555円
・遺族年金生活者支援給付金:5057円
「年金生活者支援給付金」上乗せ支給されるのはどんな人?
「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金等の収入が一定基準を下回る方を対象に、年金に加えて支給される給付金制度です。
年金生活者支援給付金制度
老齢年金生活者支援給付金の支給要件
【支給要件】
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
障害年金生活者支援給付金の支給要件
【支給要件】
・障害基礎年金の受給者
・前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
遺族年金生活者支援給付金の支給要件
【支給要件】
・遺族基礎年金の受給者
・前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【申請必須】年金生活者支援給付金の請求方法とは?
給付金の支給要件をすべて満たしていたとしても、申請しなければ給付を受けることはできません。
ここでは、年金生活者支援給付金の申請方法について詳しく確認していきましょう。
年金生活者支援給付金の申請方法は、「65歳を迎えて新たに年金を請求する方」と「すでに年金を受け取っている方」で異なります。
これから年金を請求する人の場合
老齢基礎年金の受給を開始する際には、年金とあわせて年金生活者支援給付金も新たに申請する必要があります。
この場合、年金の請求書に加えて、給付金の請求書も同封されて届きます。
老齢基礎年金を新規に請求する場合の申請方法
65歳の誕生日を迎える約3ヵ月前に、請求書類が入った封筒が自宅に届きます。
必要事項を記入し、期限内に返送しましょう。
すでに年金を受け取っている人の申請方法
すでに年金を受給している方でも、新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、毎年9月以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。
はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例
こちらも必要事項を記入し、指定された期限までに返送することで申請が完了します。
なお、一度給付金の受給が認められた方で、翌年以降も支給要件を満たしている場合は、基本的に再申請の必要はありません。
年金生活者支援給付金に関する一般的な問い合わせは「給付金専用ダイヤル」で
日本年金機構の公式サイトで最新の制度概要や手続き方法を確認できますが、年金生活者支援給付金に関する一般的な質問や確認は、「給付金専用ダイヤル」で直接相談することも可能です。
問い合わせの際は、必ず相談対象者の基礎年金番号が分かる書類(年金手帳や年金証書など)を手元に用意してください。
代理人(2親等以内)の場合も、代理人本人の基礎年金番号が必要です。
年金生活者支援給付金に関する一般的な問い合わせ
・ナビダイヤル:0570-05-4092
・050で始まる電話の場合(一般電話):03-5539-2216(東京)
【受付時間】
・月曜日:8時30分〜19時
・火曜日〜金曜日:8時30分〜17時15分
・第2土曜日:9時30分〜16時
※月曜日が祝日の場合は、翌開所日が19時まで受付
※土・日・祝日(第2土曜を除く)および12月29日〜1月3日は休業
なお、耳や発声が不自由で電話相談が難しい方には、ファクシミリによる年金相談にも対応しています。
年金だけに頼らない備えを
年金の受給額は、加入期間や現役時代の働き方によって大きく変わります。中には低年金で生活に苦労している方もおり、その場合は「年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。
ただし、この給付金は月額数千円程度と限られており、しかも申請しなければ支給されません。
まずは自分の年金見込み額や制度の対象条件を早めに確認し、年金以外の収入源や資産形成など、多角的な備えを進めていくことが重要です。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金 よくあるご質問(Q&A)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金」