ひよこ豆味噌のうま味とコクが際立つ、簡単レシピ4選。もちろん、普通の味噌でもOK!
いま家にあるもので工夫して作る。素材ありきの料理法を教えている、アルモンデ料理家の大塚佑子さん。発酵食品にも詳しく、毎年さまざまな素材を使って味噌を仕込んでおり、ここ数年は必ず「ひよこ豆味噌」を作っているそう。
前編ではひよこ豆味噌の仕込みの手順をお伝えしましたが、後編となる本記事では、大塚さんにひよこ豆味噌の特徴を活かした料理を紹介してもらいます。
ひよこ豆味噌は、大豆と米麹からつくられた一般的な味噌と同じように、味噌汁や味噌炒めなどどんな料理にも使えますが、その特徴は「優しいうま味がある」こと。塩気も味噌の香りも強過ぎないので、風味を楽しむ料理にぴったりです。
その代表格として、おすすめしたいのが「味噌ごはん」です。
味噌と一緒に炊くだけ。風味豊かな味つきごはん
炊いているときからいい香りが漂います。ほんのり塩味に、柔らかなうま味。米と味噌の分量は、これがベストです。

彩りに青のりをかけて
<材料>
米/ひよこ豆味噌
<作り方>
米を洗い、1合に対して大さじ1の味噌を溶き入れて、通常通りの水分量で炊く。
※極細切りにした油揚げや細切りの人参、塩分なしのピーナッツ等を一緒に炊いてもおいしいです。
素材の味を引き立ててくれる、出汁いらず根菜味噌汁
ひよこ豆味噌は、味噌自体の主張が強くなく、「素材の味を引き立ててくれる」ので、味噌汁にもぴったりです。特におすすめなのは根菜の味噌汁。少量の水で素材を煮込み、野菜のうまみをグーッと引き出してから、人数分の水量と味噌を加えます。コツは少ない水分でじっくり弱火で煮込むこと。こうすると野菜からしっかりと味が出ます。

野菜は大ぶりに切って、素材の持つ味を楽しむ
<材料>
大根/人参/油揚げ/ひよこ豆味噌
<作り方>
【1】野菜は大ぶりに切る。
【2】材料をすべて鍋に入れ、ひたひたの水を加えて弱火でじっくり煮込む。全ての具材が柔らかくなったら、食べる人の人数に合わせて水を追加し、沸騰したら火を止めて味噌を溶き入れてできあがり。
※旨みが足りないと感じたら、海苔やすりごまなどを加えるのがおすすめ。海藻の出汁や、ごまのコクで味が深まります。
ひよこ豆味噌でうま味をプラス。人参味噌ラペ
一般的なラペは塩味ですが、これを味噌に変えると深い味わいになります。ひよこ豆味噌は、いい意味で味噌としての主張が強くありません。不思議なことに「ザ・味噌和え」の味にはならないんです。

味噌味にすると、意外なおいしさ
<材料>
人参/ひよこ豆味噌/レモン果汁/塩
<作り方>
【1】人参は、しりしり用のおろし器でおろすか、斜め薄切りにした後に千切りにし、塩で揉んでおく。皮はついたままでもむいてもお好みで。塩はまず2つまみ加え、2-3分経っても人参から水分が出ないようであれば追加する。
【2】人参がしんなりしたら軽く水気をきり、レモン果汁を加えてさっくり混ぜる。
レモン果汁はたっぷり加えるのがおすすめ。ゆずやかぼすの果汁、酢でも。その後味噌を少しずつ加えて混ぜ合わせる。好みの味になったらできあがり。
※好みで砂糖を加えても。
青菜のオリーブオイル蒸し、ひよこ豆味噌風味
季節の青菜をオリーブオイルで蒸してからひよこ豆味噌で和えます。小松菜、ざく切りにした白菜、ちぎったキャベツなど、葉物はなんでもOK。塩を味噌に変えただけで新鮮な味わいに。こちらも「ザ・味噌味」の和食とはまったく違った味わいです。

味噌炒めより、すっきりさっぱりした味
<材料>
高菜/山東菜/油揚げ/米味噌/オリーブオイル/塩
<作り方>
【1】青菜は根元に十字の切り込みを入れて裂き、よく洗ってから2〜3等分の長さに切る。油揚げはグリルやオーブンで、パリパリに焼いてから細切りにする。
【2】鍋に、水気を軽くきった青菜をいれ、オリーブオイルを2まわし、塩をひとつまみ加えて蓋をし、中火で加熱する。塩は味付けでなく、青菜から水分を出すための呼び塩なので少しだけ。
【3】蓋の間から蒸気が出てきたら一度開けて、ざっくりと上下をいれかえる。再び蓋をして数分後、葉ものが柔らかくなったら火を止めて油揚げを加え、さっくり合わせる。少しずつ味噌を加えて味を調えて出来上がり。