飛行時間10分! 国内線「超短距離」トップ3と、かつての“最短フライト”は?

奄美空港 2025年6月17日撮影 JA04JC ATR 42-600 日本エアコミューター

飛行機の旅といえば、遠くの街に向かうもの…そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実は、日本には「えっ、そんなに近くに飛ぶの?」と思ってしまうような“超”短距離路線が存在します。今回は、国内線の旅客機が飛ぶ最短ルート「トップ3」を、飛行時間や路線の背景とともにご紹介します。

3位 天草エアライン(AMX) 熊本〜天草線 76km

© FlyTeam 記録用さん天草飛行場 2024年12月24日撮影 JA01AM ATR 42-600 天草エアライン

第3位は、熊本空港から天草空港を結ぶ天草エアラインの路線で、飛行時間は15分から20分。熊本空港から天草市まで車で移動した場合、所要時間は約3時間かかることから、空路の速達性が際立ちます。同路線は、1日1便の運航です。

天草エアラインが運航する機材は、親子イルカが描かれたATR42-600型機「機体記号:JA01AM(愛称:みぞか号)」の1機のみ。機体が長期整備に入る際は、日本エアコミューター(JAC)から同型機を借り受けて運航しており、直近では2025年8月28日から9月4日まで予定されています。

2位 日本エアコミューター(JAC) 沖永良部〜徳之島線 48km

© FlyTeam BM485さん沖永良部空港 2025年6月22日撮影 JA07JC ATR 42-600 日本エアコミューター

第2位は、同じく鹿児島県の離島、沖永良部島と徳之島を結ぶ路線です。日本エアコミューターが奄美〜徳之島〜沖永良部〜那覇を島づたいに繋ぐ「アイランドホッピングルート」として、2018年7月1日に新規開設しました。

飛行時間はその日の飛行経路にもよりますが、10分から15分ほど。こちらもATR42-600型機が1日1便運航しています。

1位 日本エアコミューター(JAC) 奄美〜喜界線 24km

© FlyTeam さとさとさん喜界空港 2022年10月9日撮影 JA09JC ATR 42-600 日本エアコミューター

第1位に輝いたのは、鹿児島県の奄美大島と喜界島を結ぶ、日本エアコミューターの路線です。両島は非常に近く、天気が良ければお互いの島がはっきり見えるほどの距離。飛行時間は約10分で、離陸後にシートベルトサインが消えることなく、そのまま着陸態勢に入ります。

同路線は、旧奄美空港が開港した1964年に、当時の東亜航空が運航を開始。その後、1983年に日本エアコミューターが設立され、運航を引き継ぎました。現在はATR42-600型機が1日2便運航しています。

番外編

2024年まで不動の1位 琉球エアコミューター(RAC) 北大東〜南大東線 12km

© FlyTeam 若鷹軍団さん北大東空港 2022年6月19日撮影 JA82RC ボンバルディア DHC-8-402Q ダッシュ 8 コンビ 琉球エアーコミューター

現在の「日本最短路線」は、奄美〜喜界線の24kmですが、これは2024年以降のこと。それまでは、琉球エアーコミューター(RAC)が運航していた北大東〜南大東の12kmが、1位の座を維持していました。残念ながら、この路線は2024年7月をもって休止となりました。

北大東〜南大東線は1997年に開設され、那覇を起点に南大東・北大東を巡って再び那覇に戻る「三角航路」として長く親しまれてきました。現在この2島間を移動するには、一度那覇を経由するか、所要時間約1時間のフェリーを利用する必要があります。

以上、日本国内の短距離路線トップ3と、かつての1位をご紹介しました。日本国内の短距離路線は、地域の暮らしを支える大切な交通インフラとして機能しています。また、これらの路線は世界自然遺産に登録された奄美大島や徳之島、世界文化遺産の天草・﨑津集落など、見どころ豊かな地域を飛んでいます。観光で訪れる際には、こうし短距離路線のフライトも、ぜひ体験してみてください。