中居正広氏、巨額訴訟地獄の現実味

中居正広氏

フジテレビの第三者委員会によって「性暴力」が認定された元タレント、中居正広氏が巨額の訴訟地獄に陥る可能性がいよいよ現実味を帯びてきたようだ。フジテレビから訴訟を起こされる可能性が今も消えない中、フジと元同局幹部間での訴訟に証人として参加する可能性や、その同局幹部から賠償請求を起こされる恐れまで指摘されているのだ。謝罪文を出しただけで、中居氏自身はいまだに何の説明もしていないまま、足元の泥沼だけが深くなっていく。

フジテレビ本社の外観

フジテレビが元幹部に50億円訴訟、その背景とは

フジテレビは8月28日、港浩一前社長と大多亮元専務を相手取り、50億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。この50億円という額は、今年6月30日までにフジテレビが一連の問題で被った453億3503万6707円という損害額の一部にあたる。フジ側は、両者の善管注意義務違反として「中居氏と(フジの元アナウンサーである)Aさんの間で生じた重大な人権侵害の可能性のある事案に対して、適切な配慮や対策をしなかった」と主張しているのだ。

ここで、中居氏が訴訟の事実認定で重要な役割を果たすであろうことが指摘されている。多くの弁護士が「中居氏の事案は損害賠償請求の前提事実にあたる」とみており、訴訟の中でも、この部分が争われる可能性が高いとされている。そんな中で、中居氏自身も証人として出廷要請されることになると目されているのだ。

中居正広氏自身が訴訟に巻き込まれる展開か

その中居氏本人も訴訟の当事者となる可能性は消えていない。

「もともと、フジテレビの清水賢治社長は、中居氏への損害賠償請求について、『すべての選択肢は残した状態』とし、その可能性を否定していません。もちろん、中居氏と争うことになれば、事実関係の認定をめぐり、A子さんにも負担をかける恐れがあるため、慎重な姿勢を維持しています。しかし港前社長と大多元専務への訴訟を起こしたことで、中居氏への訴訟も動く可能性が高まったという見方もあります。元幹部への訴訟でも事実関係を争うことになるわけですから、ハードルが下がったとみられるからです」と話すのは一般紙の社会部記者だ。

(左から)フジテレビの港浩一前社長、大多亮元専務

そんな中、「週刊女性」が新たな可能性を指摘している。それが、フジから訴訟を起こされた港前社長、大多元専務が、中居氏を相手取り、損賠訴訟を起こす可能性だ。

「そこには、たとえフジテレビに“ハラスメントに寛容な不適切な企業体質”があったとしても、中居氏がA子さんに対し“性暴力”とされるような行為をしなければ、こうした事態は起こりえなかったという考え方が大前提にあるわけです。確かに、A子さんのことはフジテレビの対応がまずかったことは言うまでもありませんし、港さんたちが責任を免れるわけではありません。しかし、現在の事態は中居さんの不謹慎すぎる行動が引き起こしたわけですから、港さんたちが中居さんに対し訴訟に踏み切る可能性もゼロではないわけです。中居さんには大手芸能事務所の後ろ盾もなく、フジも、港さんたちもいまや誰に気遣う必要もないわけですし」と週刊誌記者は指摘する。

引退表明から8カ月たつが、いまだに事態は収まっていない。

(zakⅡ編集部 折口十一)

🔳折口十一(おりぐち・といち)新聞記者歴30年超のベテラン。ニッチな世界が大好物。芸能取材は音楽、映画、演芸から醜聞まで何でもござれ。Xアカウントは@zakdesk