【現金給付】住民税非課税世帯はいつ・いくら受け取れた?給付金の内容と非課税になる収入条件まとめ|基礎控除引き上げ最新情報も

「令和7年度税制改正」所得税の基礎控除額引き上げまでやさしく解説します

【実施済】住民税非課税世帯向けに支給された給付金とは?, そもそも「住民税非課税世帯」とは?, 所得割・均等割の両方が非課税, 所得割のみが非課税の世帯, 「住民税非課税世帯」に該当する年収の目安<東京都港区の場合>, 【年代別】住民税課税世帯の割合, 「令和7年度税制改正」所得税の基礎控除額が引き上げ, 年齢別・基礎控除額(2025年分), 【図解】所得税の源泉徴収と還付イメージ(2025年分)

【現金給付】住民税非課税世帯はいつ・いくら受け取れた?給付金の内容と非課税になる収入条件まとめ|基礎控除引き上げ最新情報も

昨年末に閣議決定された経済対策の一環として実施された、住民税非課税世帯への現金給付。

3万円の一律給付や子ども1人あたり2万円の支援は、多くの低所得者世帯にとって家計を支える一助となりました。

すでに多くの自治体で支給が完了していますが、「自分は対象だったのか」「非課税世帯になる条件は?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

さらに2025年度の税制改正では、基礎控除額が引き上げられ、公的年金の源泉徴収対象から外れる人が増える見込みです。

本記事では、給付金の内容や対象条件、非課税世帯の収入目安をわかりやすく整理し、将来の制度改正によるメリットも見据えて解説します。

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【実施済】住民税非課税世帯向けに支給された給付金とは?

2024年11月22日に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」が閣議決定され、低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円」の支給が行われました。

本給付金の支給対象となったのは「住民税非課税世帯」であり、給付スケジュールは自治体によって異なりますが、多くの場合はすでに支給を終えています。

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住民税非課税世帯等への給付金

では、そもそも支給対象となった「住民税非課税世帯」とはどのような世帯を指すのでしょうか。

そもそも「住民税非課税世帯」とは?

住民税には、所得に応じて負担額が決まる「所得割」と、一定の金額を全員が均等に負担する「均等割」の2種類があります。

住民税非課税世帯に該当するのは、世帯全員が「所得割・均等割の両方が非課税」の場合です。

所得割・均等割の両方が非課税

所得割・均等割の両方が非課税となるのは、以下のような方です。

・生活保護法による生活扶助を受けている方

・障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方

・前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方

〈東京23区内の場合〉

同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合

35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合

45万円以下

※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。

※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村にお問合せください。

所得割のみが非課税の世帯

所得割のみが非課税となるのは、前年中の総所得金額等が下記の金額以下の方です。

同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合

35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下

同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合

45万円以下

※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。

「住民税非課税世帯」に該当する年収の目安<東京都港区の場合>

住民税非課税世帯になる年収の目安は自治体によって異なりますが、東京都港区の目安を例に挙げると以下のようになります。

・アルバイトやパートの給与収入が100万円以下

・65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下

・65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下

・不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)

特に、65歳以上の方は非課税となる年収の上限が155万円に引き上げられているため、比較的多くの高齢者が非課税世帯に該当します。

【年代別】住民税課税世帯の割合

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、各年代の住民税課税世帯の割合は以下のとおりです。

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住民税課税世帯の年代別割合

・30歳代:88.0%

・40歳代:90.0%

・50歳代:86.4%

・60歳代:78.3%

・70歳代:64.1%

・80歳以上:47.5%

60歳以上になると非課税世帯の割合が増加する傾向があります。

年金のみで生活する方が増えることや、65歳以上の非課税基準額が引き上げられることが影響しています。

「令和7年度税制改正」所得税の基礎控除額が引き上げ

令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除額が引き上げられました。これに伴い、公的年金の源泉徴収の対象とならない年金額も拡大します。

・65歳以上:現行158万円未満 → 205万円未満

・65歳未満:現行108万円未満 → 155万円未満

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所得税の基礎控除の見直し

年齢別・基礎控除額(2025年分)

【65歳以上】

・2025年12月精算時:年金月額×25%+10万円(16万5000円未満の場合は16万5000円)

・各月支払い時:年金月額×25%+6万5000円(13万5000円未満の場合は13万5000円)

【65歳未満】

・2025年12月精算時:年金月額×25%+10万円(12万5000円未満の場合は12万5000円)

・各月支払い時:年金月額×25%+6万5000円(9万円未満の場合は9万円)

【図解】所得税の源泉徴収と還付イメージ(2025年分)

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還付イメージ

2025年12月の年金支給時には、1年間の税額とこれまでに源泉徴収された税額を比較し、過払い分があれば差額が還付されます。

まとめ

住民税非課税世帯向けの現金給付は終了しましたが、該当条件を理解しておくことは今後の生活設計にも役立ちます。

特に、2025年度の基礎控除額引き上げによって、公的年金受給者の中にも新たに非課税となる人が出てくる可能性があります。

非課税となれば、今後実施される給付金や減税措置の対象になるチャンスも広がります。

自分や家族がどの区分にあたるのか、自治体の基準や「ねんきんネット」などで定期的に確認し、制度を賢く活用していきましょう。

参考資料

・内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」

・厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」

・東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」

・港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

・日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」