【独身女性】老後資金はいくらあればいい?老後の生活費シミュレーション!
【一覧表で紹介】厚生年金・国民年金の「平均」と「男女差」はどれくらい?
【独身女性】老後資金はいくらあればいい?老後の生活費シミュレーション!
近年、ライフスタイルや価値観の多様化により、「結婚しない」という選択をする方が、男女問わず増えつつあります。国勢調査(2020年)によると、15歳以上の男女で「未婚」の方は男性で34.6%、女性で24.8%。いずれも前回調査時(2015年)より上昇しています。
配偶関係,男女別 15 歳以上人口(2015 年~2020 年)
結婚をする・しない、どちらを選んでもメリットやデメリットはあると思いますが、お金の面から申し上げると、将来の住まいや介護に関する費用等を考えたとき、独身の方がデメリットを感じやすくなるかもしれません。
特に独身女性の場合、男女間の就労環境や賃金の格差によって、資産形成が不利になったり、平均年金額が男性より少なくなる可能性があります。
そこで本記事では、独身女性が老後を安心して過ごすためのポイントをお伝えします。記事の後半では、老後に必要な額をシミュレーションしますので、参考になさってください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【独身女性】老後にかかる生活費はいくら?
独身の場合、自分の生活費は自分で稼ぐ必要がありますが、いずれはリタイアして年金や貯蓄で生活費を賄うことになります。
では、老後の生活費は、どの程度かかるのでしょうか。総務省や厚生労働省が公表している資料より、単身世帯の家計収支を確認してみましょう。
平均的な支出はいくら?
総務省が毎月公表している「家計消費単身モニター調査」(2025年6月)によると、勤労者世帯の65~69歳以上の女性の消費支出は月16万3948円です。内訳を確認してみましょう。
【内訳】
・食料:4万1054円
・住居:1万9105円
・光熱・水道:9730円
・被服及び履物:8951円
・保健医療:7662円
・交通・通信:2万627円
・教養娯楽:約1万5632円
・その他:3万1586円
単身勤労者世帯女性の支出(20代から60代まで)は30~34歳が最も多く、23万8356円です。次は50~54歳で22万324円となっています。
これらはあくまで平均値であり、個人のライフスタイルによって各項目の費用は大きく変動します。また、一般的に年齢が進むにつれ、支出は減少していきます。
しかしながら、70歳手前で16万円の支出があること、また医療や介護の費用などを考えると、70歳以降も大きく減少する可能性は低いと考えられます。
生活水準を下げることが難しいのは広く知られるところですが、老後資金を考えるときは、こうした支出傾向を前提にすることもポイントになります。
平均的な収入はいくら?
私たちが受け取れる年金は、これまでの就労形態や加入していた制度によって異なります。では、収入はどのくらいになるのでしょうか。
ここでは、厚生労働省年金局が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、年金平均月額を確認してみます。
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
【厚生年金(会社員・公務員など)】
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
【国民年金(自営業・フリーランスなど)】
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
女性の厚生年金額が、全体平均より少ないのは、結婚等で退職する女性の年金額も含まれているためと考えられます。
【独身女性】老後資金をシミュレーション
老後に受け取る年金額や自身の貯蓄額、老後の生活費は世帯によって異なるため、ここでは前述の平均支出額や収入額から算出してシミュレーションをおこないます。
シミュレーション期間は、一般的なリタイアの年齢である65歳から、長生きした場合を想定して95歳までとします。
ケース1:自営業・フリーランスの方(国民年金のみ)
年金収入:年67.2万円(月5.6万円)
支出:年196.8万円(月16.4万円)
年間不足額:約130万円
30年間の不足額:約3900万円
ケース2:会社員・公務員の方(厚生年金)
年金収入:年175.2万円(月14.6万円)
支出: 年196.8万円(月16.4万円)
年間不足額:約21万円
30年間の不足額:約630万円
自営業やフリーランスの方などで収入が年金収入のみの方は、毎月約10万円が不足する可能性があります。一方、会社員や公務員が加入する厚生年金の場合だと、月2万円ほどが不足することがわかります。
これらを踏まえると、独身女性が老後に必要とする貯蓄額は1000万〜3000万円程度が目安になるでしょう。
上記はあくまで、平均額から算出した大まかなシミュレーションです。実際のシミュレーションでは、下記の項目も含めて計算すると、より正確なシミュレーションが可能です。
【支出】
・趣味に関する費用(旅行や習い事など、別途費用が必要な趣味)
・住居に関する費用(家賃、修繕費、マンション管理費、更新料、住居購入費など)
・車に関する費用(保険料、車検代、ガソリン代、駐車場代、新車購入費用など)
・家族に関する費用(親の介護に関する費用、帰省費用、冠婚葬祭など)
【収入】
・生命保険の満期金、解約金
・臨時収入 など
上記の項目は、独身女性が抱える「老後のリスク」とも関係しています。次の章で具体的に見ていきましょう。
独身の方が抱えやすい「老後のリスク」とは?
独身の方が老後資金を考えるときは、独身の方特有の課題やリスクにも目を向ける必要があります。とくに下記のリスクは、よく考えておきたい事柄です。
・長寿のリスク
・住まいのリスク
・医療・介護に関するリスク など
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
長寿のリスク
女性は男性よりも平均寿命が長いため、想定以上に生活費が必要になる可能性があります。
女性の平均寿命は87.13歳、65歳時点での平均余命は24.38歳、つまり89歳ですから、できれば95歳くらいまで長生きする前提でシミュレーションしておくと安心です。
また、自分が亡くなった後の整理について、頼む先を考えておくことも必要です。整理にかかる費用などは、自分の資産を渡す、あるいは死後の整理資金として準備することも検討してみましょう。
住まいのリスク
おひとりさまの場合、転居の気軽さから、賃貸住まいを続けている方が少なくありません。しかし、持ち家がない状況は、一生家賃を払い続ける生活をすることに他なりません。
とくに気をつけたいのは、高齢での引越しです。高齢者の場合、家賃滞納や孤独死の可能性が高くなるので、賃貸物件を簡単に借りられなくなるかもしれません。
これらのリスクを考えると、できるだけ早いうちに、住まいをどうするかを考えておく方がよいでしょう。とくに一人住まいの方は介護の問題があるので、定年後は高齢者向け住宅への入居も選択肢のひとつになります。
医療・介護に関するリスク
独身の場合、自身の介護を誰に頼むかは非常に難しい問題です。健康状態が悪くなった場合に備えて、あらゆる選択肢を検討して、介護施設の利用や在宅介護サービスの費用なども調べておくと安心です。
医療や介護の問題は、独身・既婚、あるいは女性・男性にかかわらず、全ての方が年齢が進むにつれて生じる問題です。
体力の衰えを感じやすくなると、外出の機会が減ったり、思うように行動ができなくなるかもしれません。このような状況になると、心の健康も損なわれる可能性があります。
体と心、どちらの健康も大切にして、両方を維持するための方法、その費用も考えておくと安心です。
老後資金を確保するための方法
安心して老後の生活を送るためには、現役時代から計画的に資産形成を行うことが大切です。資産形成には、下記の方法を検討するとよいでしょう。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISA
・企業型DC(確定拠出年金)
・国民年金基金、付加年金
・不動産の購入
iDeCoやNISAは長期の積立投資向きの非課税制度です。長期の分散投資はリスクの軽減にもつながるので、20年、30年、それ以上と続けていけば、複利効果で尻上がりに残高が増えていく可能性があります。
ただし、投資にはさまざまなリスクがあります。投資に慣れていない方は、最初は投資金額を少なくするなどして、慎重におこなうことをおすすめします。
独身・既婚者にかかわらず、老後のシミュレーションはお早めに
独身女性が老後を安心して暮らすためには、将来の家計収支から「不足額」を把握し、その差を埋める資産形成を早めに始めることが鍵となります。
特に、自営業やフリーランスで、収入が国民年金のみの方は3000万円以上の資金準備が必要になる可能性があるので、現役時代からの計画的な資産形成は欠かせないでしょう。
住居、医療・介護、長寿といった独身特有のリスクに備え、現役時代から準備を進めておけば、老後の生活の安心度は大きく高まります。
将来に対する漠然とした不安をシミュレーションで解消し、安定したセカンドライフへの第一歩につなげていただければ幸いです。
参考資料
・国勢調査「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要」
・厚生労働省「令和6年 簡易生命表の概況」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・総務省統計局「家計消費単身モニター調査(月次)」(2025年6月)