江崎グリコ「ポッキー」10年ぶり大刷新 より安心へ原料シンプル化 数百種類の探索と数百の検証を経て素材活かしたおいしさ追求

江崎グリコ「ポッキー」10年ぶり大刷新 より安心へ原料シンプル化 数百種類の探索と数百の検証を経て素材活かしたおいしさ追求

江崎グリコは「ポッキー」ブランドの「ポッキーチョコレート」と「ポッキー極細」の主力2品を大幅に刷新して9月2日から発売する。

より安心な原材料を求める生活者のニーズに対応すべく、数百種類の素材の探索と数百の検証を経て素材の味わいを活かしたおいしさを追求した。

大刷新することで、おいしさの共有を力強く推進して需要を喚起するとともに、かねてから掲げる「Share happiness!~分かち合うって、いいね~」のメッセ―ジにも磨きをかけブランド価値を高めていく。

今回の大刷新について、8月20日、メディア試食会に臨んだ三浦啓吾氏は「10年かかり、これまで(手掛けてきた中)で最も試行錯誤を重ね、勇気をもって中身を変えていった」と振り返る。

ブランド発売60年目の節目を迎え、未来に向けたブランドのあり方も模索。

鈴木葵氏は「リニューアルにあたり『Share happiness!』の考え方を見直すところから始まった。ワイワイと楽しむことだけではなく、持続的でお互いの豊かさのためにシェアして仲を深め、育った環境や世代といったバックグラウンドの違いを乗り越え『Share happiness!』を広げていく活動をしていきたい」と意欲をのぞかせる。

左からグローバルブランド事業部Pockyマーケティンググループの三浦啓吾マネージャー、鈴木葵氏、商品開発部Pocky商品開発グループの鋤本浩司氏

大刷新ではカカオが主役のシンプルな設計を目指した。

カカオは、従来品(現行品)の2種類のブレンドから複数のブレンドに変更。さまざまな産地から特徴が異なるカカオを30種類以上取り寄せて厳選した。その中で鍵となるのはペルー産のカカオで、社員がアマゾン熱帯雨林のカカオ農園に赴いて新規開拓した。

ペルー産カカオについて、開発を手掛けた鋤本浩司氏は「複雑な味わいにおいしく感じる傾向があると考えた。ペルーのカカオは複雑な香りがあり、しかも香気が強く、この2つが決め手になった」と語る。

チョコレートの製造方法も見直した。

カカオ豆を粗く砕いたカカオニブを焙煎してカカオマスに仕立てる際、「焙煎温度が1℃変わるだけで風味が変わってしまう」ことから、低温焙煎を採用して特徴のある香気を損なわないように工夫。

チョコレート製造の最終工程となるコンチングでは、カカオマスの一部を別添する“追いマス製法”を新たに採用した。

左から現行の「ポッキーチョコレート」と新「ポッキーチョコレート」

一般的にチョコレートの製造工程は、カカオマスを圧搾して、カカオマスの脂肪分であるココアバターを取り出し、カカオマス・ココアバター・砂糖・乳製品を混合する。

次に、大きめのカカオマスの粒子などを細かくなめらかにするリファイニング、最後に風味を形成するコンチングを経る。

追いマス製法は、コンチングの加熱で損なわれがちな香りを補い、カカオの風味を引き立てるもので、「ポッキーカカオ60%」にも採用されている。

そのほか「ココアバターに関しては、従来のチョコレートでは脱臭・脱色しているが、今回はしっかりカカオの風味が残ったココアバターを使用した。砂糖は白砂糖のみ使っていたのを、味わいの深い砂糖をブレンドすることでワンランクアップした味わいを作り上げることができた」と述べる。

プレッツェルについても原料を一から見直した。

「従来は強力粉のみ使っていたが、今回は、強力粉以外に粗挽き小麦と国産小麦全粒粉を使い、旨み、香ばしさを引き出した。加えて、発酵バターを新たに使用してビスケットのベースの味わいを引き上げた」と説明する。

原料点数は、小麦全粒粉と発酵バターを追加する反面、ショートニング・でん粉・膨張剤・アナート色素・調味料を削減し、16点から13点へと抑えシンプルな設計を志向した。

チョコレートとプレツェルを合わせた原料について「膨張剤を抜きイースト(発酵種)を発酵させて膨らませている。主原料は小麦粉・カカオ豆・イースト・粉乳・バター・砂糖・塩を含め約100種類を一から見直し、ココアバターやスパイスなどの副原料も含めると数百種類の素材を探索した」と総括する。

試作・検証も数百回繰り返したという。

大刷新した商品価値を伝えるコミュニケーションについて、鈴木葵氏は「まずは製品が素材にこだわって進化したことを伝えていくのが第一。これにより、より気軽にシェアできるものになったことをお客様にご理解いただく。実際に食べていただくトライアルキャンペンも展開していく」と説明する。