移ろう自然の一瞬の美しさを閉じ込めた、ブシュロンの新作ハイジュエリーコレクション
ブシュロンが7月に発表した新作ハイジュエリーコレクション「IMPERMANENCE(インパーマネンス)」。「儚(はかな)いものに永遠を与える」というビジョンのもと、時の流れとともに刻一刻と変化する自然の美しさをハイジュエリー作品として閉じ込めるという、クリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌの革新性と夢が詰まった独創的なコレクションだ。
移ろう自然の一瞬の美しさを閉じ込めた、ブシュロンの新作ハイジュエリーコレクション
先進的なアプローチ 6つのコンポジション
ブシュロンが7月に発表するコレクションでは毎回、クレール・ショワンヌが自由にテーマを選び、クリエイティビティとイノベーションを駆使した、前例のないハイジュエリー作品を生み出している。今回の「IMPERMANENCE」では、今年1月に発表した「UMTAMED NATURE(手つかずの自然)」に続き、自然への賛美を表現。日本の文化である、「生け花」と「侘び寂び(わびさび)」の思想を着想源に、自然の移ろいゆく一瞬の美しさ、儚さをハイジュエリーで表現することに挑戦した。

ブシュロン
パリで行われた展示会では、花道「みやざき流」家元・片桐功敦氏が手がけたフラワーアートが会場を彩った植物と昆虫からなる6つのコンポジション作品で構成された本コレクション。はじまりであるコンポジションNo.6は最も明るく、最後のコンポジションNo.1に向かって、光が徐々にかげりを帯びていくように構成されている。この光の変遷は、誕生から終焉(しゅうえん)へ向かいゆく自然の循環を象徴し、守るべき自然の儚さを伝えている。6つのコンポジションに含まれる22点のハイジュエリー作品の制作には延べ1万8000時間以上の時間がかけられ、造形・素材・技法といったあらゆる側面において、先進的なアプローチが見られた。
<コンポジション No.6>チューリップ、ユーカリ、トンボ

ブシュロン
<チューリップ、ユーカリ、トンボ>ダイヤモンド、ホウケイ酸ガラス、サファイアガラス、マザーオブパール、ホワイトゴールド、ニチノール <花器>ホウケイ酸ガラスNo.6はチューリップ、ユーカリの枝、トンボで構成されている。花芯のかすかな震えや花びらの曲線を精巧に再現し、生命が誕生する瞬間を捉えた。花器には、サンドブラスト加工を施した極薄のホウケイ酸ガラスが用いられている。チューリップの花芯を囲む雄しべはわずかな動きにも合わせて揺れるように設計。トンボの羽はサファイアガラスとマザーオブパールを重ね、レーザー加工を施すことで、自然な虹彩を再現した。ユーカリはブローチやヘアジュエリーとして、チューリップはブローチとして、トンボはイヤリングとして着用可能。
<コンポジション No.5>アザミ、カブトムシ

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<アザミ、カブトムシ>ダイヤモンド、ホワイトセラミックコーティング、ホワイトゴールド、透明バイオ由来樹脂、バイオ由来素材 <花器>ホワイトコンポジットホワイトゴールド製のアザミとカブトムシで構成。凜(りん)としたアザミのトゲ状の花冠は、バイオ由来樹脂を用いた高解像度3Dプリント技術により形作られている。大きなアザミには600石以上、小さなアザミには200石以上のダイヤモンドが、アザミの微細構造の小さな凹みに縫い込むようにセッティングされている。大きなアザミは取り外してブローチとして、あるいはバイオ由来素材で作られたコードを取り付けてクロスボディジュエリーとして着用可能なマルチウェア作品。小さなアザミは、ダブルフィンガーリングとして、カブトムシはブローチとして着用できる。

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<コンポジション No.4>シクラメン、オーツムギ、毛虫、蝶

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<シクラメン、オーツムギ、毛虫、蝶>ダイヤモンド、ブラックスピネル、ロッククリスタル、チタン、ホワイトゴールド、合成繊維、ナイロンワイヤー、ブラックラッカー、ブラックDLC <花器>ダイヤモンド、ホワイトゴールドシクラメン、オーツムギ、蝶(ちょう)と毛虫を組み合わせた。ホワイトゴールドの花びらに形状やサイズの異なる約700石のローズカットダイヤモンドをセッティングし、表情豊かな輝きを引き出している。花びらの縁やオーツムギに施されたブラックラッカーやブラックコーティングの奥深い光沢が、影の要素を生み出し、光との間の美しいコントラストを生み出している。回転構造が組み込まれたシクラメンはブレスレットまたはブローチとして、オーツムギはヘアジュエリーとして、毛虫はブローチとして、蝶はヘアオーナメントとして着用できる。
<コンポジション No.3>アイリス、藤、クワガタムシ

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<アイリス、藤、クワガタムシ>ダイヤモンド、ホワイトセラミック、ホワイトゴールド、チタン、アルミニウム、ブラックスピネル、ロッククリスタル、ホワイト樹脂、マグネット、ブラックDLC <花器>アルミニウム、ブラックスピネル漆黒の世界の中でアイリスと藤が存在感のある輝きを放つ。花器にはブラックスピネルをパヴェセッティングしたアルミニウムが使われている。藤の花房は約100もの独立したパーツを職人が手作業で組み立てて制作。葉や花びらには、ダイヤモンドをパヴェセッティングしたチタンやアルミニウムを、小さな花びらやつぼみにはホワイトセラミックを用いた。珍しい素材を取り入れ、異なる質感からなる絶妙な風合いを作り上げた。アイリスはショルダーブローチとして、藤はヘアジュエリーまたはブローチとして、そして根元にたたずむクワガタムシはブローチとして着用できる。

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<コンポジション No.2>マグノリア、ナナフシ

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<マグノリア、ナナフシ>ダイヤモンド、ブラックセラミックコーティング、ホワイトゴールド、シルバー、アルミニウム <花器>ブラックコンポジットマグノリアを中心に、ナナフシがそっと身を寄せる。マグノリア特有の水平方向に伸びる枝は、軽量かつ光沢感のあるアルミニウムとシルバーを採用することでリアルに再現した。輪郭部分に並ぶダイヤモンドの繊細な輝きは、過ぎ去った儚い美の名残を表現している。マグノリアはマルチウェア作品であり、ヘッドジュエリーまたはクエスチョンマークネックレスとして着用可能。ホワイトゴールド製のナナフシはブローチとしてつけることができる。
<コンポジション No.1>ポピー、スイートピー、蝶

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<ポピー、スイートピー、蝶>アベチュリンガラス、ガラス、オニキス、ブラックスピネル、ダイヤモンド、ホワイトゴールド、チタン、マグネット、ベンタブラック®(99.965%の可視光を吸収する塗料)、ブラックセラミックコーティング <花器>ブラックサンドの3Dプリント製最後のコンポジションは、光が消失する瞬間を表現し、自然界の生命のサイクルの終焉をテーマにしている。ポピーの花びらはマットブラックチタン製で、内側には手彫りで葉脈が刻まれている。表面には、可視光の99.965%を吸収する、ベンタブラック®という特殊なコーティング素材を用い、「完璧な黒」を実現した。魅惑的な蝶の羽は特別に開発された半透明のブラックガラスで作られている。ポピーはヘアオーナメントまたはブローチとして、4つのスイートピーの花は複数のブローチとして、蝶はマグネット式の留め具を使いショルダーブローチとして着用することができる。

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text: Shunya Namba @Paris Office
photos: ©Boucheron
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