【パリの旅行ガイド】パリ5区の特徴とは? 治安や観光地、ホテル、カフェ、レストランなども紹介。

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【パリの旅行ガイド】パリ5区の特徴とは? 治安や観光地、ホテル、カフェ、レストランなども紹介。

パリ5区の特徴

パリ5区はセーヌ川の南岸(左岸)に広がり、学生や知識人が集まる街として栄えてきた。パリの中で最も古いエリアのひとつであり、歴史と文化、多国籍なグルメが凝縮した場所として、パリを訪れる人に欠かせない観光地となっている。

地理

5区は、パリのほぼ中央に位置し、北はセーヌ川を挟んで4区に隣接する。西は6区、北東は12区、東から南西にかけては13区、南西の一部は14区と、5つの区に囲まれている。6区とともに学生街のカルチエ・ラタンを形成し、アカデミックな雰囲気が漂う。"カルチエ・ラタンの胃袋"と呼ばれる学生に人気の飲食店が集まるムフタール通り、歴史的建造物に囲まれたパンテオン周辺などさまざまな顔をもち、散策にとっておきのエリアといえる。

歴史

セーヌ川中州のシテ島と並ぶパリ最古の地区で、フランスが古代ローマ人に支配されたガロ・ローマ時代の遺跡が残る。中世にはパリ大学(現ソルボンヌ大学)のさまざまな学部がフランスの神学者ロベール・ド・ソルボンによって設立され、1968年に起きた五月革命の際にはパリの学生運動の中心地となった。

区名と地区

5区の区名は「パンテオン(Pantheon)」だが、5区と6区にまたがる学生街を指して「カルチエ・ラタン(Quartier latin)」と呼ばれることもある。

パリの各区はそれぞれ4つの地区に区分されている。5区はガロ・ローマ時代の円形劇場がある「サン・ヴィクトール(Quartier Saint-Victor)」、植物園地区の「ジャルダン・デ・プラント(Quartier du Jardin-des-Plantes)」、教会や礼拝堂が集まる「ヴァル・ド・グラース(Quartier du Val-de-Grace)」、名門校が集まる「ソルボンヌ(Quartier de la Sorbonne)」からなる。

治安

大学施設に囲まれたエリアや落ち着いた雰囲気の高級住宅街などからなる5区は、パリの中でも治安がよいことで知られる。観光警察が定期的なパトロールを行い、高級ホテルには警備員が常駐しているが、パリ市内では置き引きやスリなどで日本人が犯罪被害に遭う確率が高いため、貴重品はしっかり管理する必要がある。

参照元:在フランス日本大使館国

イベント

「カルチエ・デュ・リーブル」フェスティバルは、パリ5区を代表する恒例の文学祭。毎年6月初旬、約1週間にわたって開かれ、パンテオン広場前の5区市役所で作家たちがサイン会や討論会などを開催。期間中は5区の80以上の会場で、大人から子どもまで楽しめる約200の無料イベントが催される。

パリ5区のおすすめ観光地

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パリ5区は学生が多く、さまざまな国籍の人が集まる国際色豊かな活気あふれるエリア。パンテオンをはじめ、おしゃれなカフェや美術館といったパリらしい楽しみに事欠かず、パリ植物園などの癒やしのスポットも多い。ホテル選びにも困らず、中心部に比べて物価が比較的手頃なのも人気の理由といえる。

美術館・劇場

国立中世美術館は、1〜2世紀に造られたガロ・ローマ時代の公衆浴場跡と13世紀にクリュニー修道会の館として建てられ15世紀に改築された建物を使用した施設である。1843年に中世美術を専門とする美術館として開館し、現在は23の展示室において、ヨーロッパの中世美術をテーマ別に展示。ステンドグラス、彫刻、タペストリー、宗教工芸、日用品、服飾品など、多様なジャンルを通じて中世ヨーロッパの文化を広く紹介している。特に『貴婦人と一角獣』の連作タペストリーは、本館を代表する名品である。

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パリ植物園内にある国立自然史博物館は、先史時代の遺物や化石標本、哺乳類標本など膨大な量のコレクションを有し、自然史分野で国際的に知られている施設。26の陳列施設があり、絶滅した動物や絶滅危惧種の動物の標本を間近で見ることができる「進化大陳列館」など迫力満点。

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アラブ世界研究所は、陶磁器、象牙、織物をはじめとするアラブ美術や、アラブ・イスラム世界の考古資料、民族資料などを紹介するアラブ文化の情報発信基地。世界的な建築家ジャン・ヌーヴェルにより建てられた建物の外壁には240枚のアルミパネルが使用されている。これはアラブ建築の窓飾りにヒントを得たもので、カメラのレンズのように日光の量を自動調節するしくみになっており、アラブの文化と西洋文化が見事に結実したものとなっている。

広場・公園・商店街

17世紀の王立薬用植物園を起源とするパリ植物園は、セーヌ川沿いに広がる緑のオアシスとして親しまれている。高山植物園やアイリスと多年草の庭など異なる12の庭園があり、春から晩秋まで色鮮やかな花々によって変化に富んだ景色が描かれる。

ティノ・ロッシ庭園は1970年代に整備され、コルシカ島出身のフランス人歌手ティノ・ロッシにちなんで名づけられた。20世紀の著名な彫刻家らによる数十点の彫刻作品が野外展示され、セーヌ川沿いの小道を散歩しながらアート鑑賞ができる。

1855年につくられたサン・ミッシェル広場は、口から水を吹き出すドラゴンの巨大な噴水と、その背後に立つサン・ミッシェル(聖ミカエル)象をシンボルとする。カルチエ・ラタンの玄関口であり、パリジャンの定番の待ち合わせ場所として賑わいを見せる。

教会

6世紀に建てられた聖マルティヌスに捧げる礼拝堂を起源とするサン・セヴラン教会は、13世紀に建築が始まり、15世紀に現在のようなゴシック様式の教会になった。高い天上から主祭壇を照らす美しいステンドグラスの窓は、大半が1400年代のもの。彫刻が施された荘厳なパイプオルガンは1745年につくられたもので、毎週日曜のミサで演奏される。

カルチエ・ラタンの中心に位置するサンテティエンヌ・デュ・モン教会は、13世紀に建てられ、1626年に再建された。3層構造のファサードはギリシャ神殿を思わせる円柱が1階を支え、最上階にゴシック様式の高い尖塔がそびえる独特の外観。教会内部は透かし彫りを施した螺旋階段など緻密な造りが目を見張り、16世紀初頭から20世紀までのステンドグラス芸術を網羅した美しい窓も見ごたえたっぷり。教区内で亡くなったパスカルが埋葬されていることでも知られる。

川・橋

昔パリ5区から13区を流れていたセーヌ川の支流、ビエーヴル川は、なめし革職人などによって盛んに利用され続けたため汚染。石畳で覆われ下水道と繋がれて姿を消してしまったが、2024年のパリオリンピックを機にビエーヴル川の再生の気運が高まっている。

歴史的建造物

ルイ15世の勅命によって1790年に完成したパンテオンは、フランスの偉人たちが埋葬された霊廟。特徴的な巨大ドームとコリント式の石柱は、市内のあちらこちらから目にすることができ、パリを象徴する建物のひとつになっている。小説家のヴィクトル・ユゴーやサン・テグジュベリ、思想家のジャン・ジャック・ルノーらが埋葬された地下聖堂が見学できるほか、1階ホールには、フランス人物理学者のレオン・フーコーが、地球が自転していることを証明するためにパンテオンで公開実験を行った「フーコーの振り子」が展示されている。

13世紀に神学校として建てられたコレージュ・デ・ベルナルダンは、パリ最古の中世建築のひとつ。ヨーロッパ各地から数千人の修道士を受け入れ、学問の中心としての役割を果たしたのち、監獄や倉庫、消防署などさまざまな用途に使用され、2008年から6年がかりで行われた全面改修を経て、誰もが無料で利用できる文化センターとなった。長さ70mの身廊を備える建物にはカフェが併設され、高いアーチ型天井のもとでくつろぐことができる。

パリ5区のおすすめホテル

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学生街のパリ5区は、お手頃に泊まれるホテルが多い。おしゃれなカフェや書店が集まり旅行者と学生でにぎわい人目があるため、夜も比較的安全に過ごすことができる。

Hotel Grand Coeur Latin(グラン・クール・ラタン)

5区の中心部に位置する4ツ星ホテル。この場所はもともと13世紀にクルニュー修道院付属学校があったことから、半円アーチを特徴とする修道院建築の世界をホテルのさまざまな空間に再現している。2022年に大規模改修を行った際、地下から古代ローマ時代の柱や陶器などを発掘。ローマ浴場にインスピレーションを得て設計された15×4メートルの本格的なプールも、ホテル最大の魅力のひとつである。

7階建てのホテルには75の客室があり、どの部屋もパリのエレガンスと中世の雰囲気が融合した落ち着きのある空間。シングル、ダブル、ジュニアスイートなど8タイプに分かれ、半円アーチの壁紙や飾り棚が趣を添えている。メインレストランでは、7時から11時までビュッフェ朝食を提供。パティオを望むバーエリアでは、16時から23時までフランス料理のおつまみとともにオリジナルのカクテルメニューが楽しめる。

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Hotel le Lapin Blanc(ホテル ラ ラパン ブラン)

1950年代のアンティークな装飾と、『不思議の国のアリス』の世界観を組み合わせたブティックホテル。フランスの建築事務所 Quantic Studioと、Quantic Studioの共同設立者でアートディレクターのアナイス・アルバルがデザインを担当。白ウサギの白を基調に淡いピンクやパープルを差し色にした内装は、ファンタジックで神秘的な魅力に満ちあふれ、パリの街なかから妖精の国に迷い込んだような気分にさせる。

月曜から金曜は7時から10時まで、土曜と日曜は8時から11時までブッフェ朝食を18ユーロで提供。ノートルダム大聖堂やリュクサンブール公園へ徒歩で行ける距離にあり、パリのどこを観光するにも理想的な立地といえる。

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Select Hotel Live Gauche(セレクト・ホテル・リヴ・ゴーシュ)

ソルボンヌ大学の正面に位置するセレクト・ホテル・リヴ・ゴーシュは、18世紀の建物を改装した4ツ星のブティックホテル。全65室とジュニアスイートを備えた客室は、石造りの壁や丸天井、太い梁などを活かしつつ、現代アートやカラフルなインテリアを溶け込ませモダンな空間に仕上げている。

地下のセラーを改装したレストランも、丸天井に石造りの壁がむき出しになった歴史を感じさせる造り。ここでは7時30分から10時30分までビュッフェ朝食が提供され、重厚感のある独特の雰囲気の中でパリの朝のひとときを満喫することができる。

ソルボンヌ通りに面したバルコニーを備えるガラス張りのサロンや、座り心地のいいソファが並ぶ図書室、オリジナルの香水「Nuxe」シリーズを販売するギフトショップなどもあり、4ツ星ならではの快適さが約束されている。

パリ5区のおすすめカフェ・レストラン

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La Tour d'Argent(ラ・トゥール・ダルジャン)

16世紀に創業してから450年の歴史を誇る、パリきっての名店ラ・トゥール・ダルジャン。目の前にパリのパノラマが展開する絶景のロケーションで、セーヌ川、ノートルダム寺院、サンルイ島を一望。特に寺院がライトアップされるディナーは、息をのむほど美しい光景に酔いしれ、パリのナイトタイムを格別なものにしてくれる。

シェフのヤニック・フランクは、伝統を守りながら新しい解釈を加えた創作料理を提供。中でも、その名を世界に知らしめた店の象徴ともいえる鴨肉をベースにした季節限定メニュー「カネトン・オー・フィル・デュ・タン」は、分厚い鴨ロースが赤いフルーツの果肉でコーティングされ、見た目にも味わいにも名店の進化を感じることができる極上の一品だ。

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Restaurant La Mosquée de Paris(レストラン モスケ・ド・パリ)

450人の職人と芸術家によってアラブ文化の粋が結集された、エキゾチックな建物「グランド・モスケ・ド・パリ」に隣接するレストラン・モスケ・ド・パリ。屋内と屋外に450席を備え、異国情緒たっぷりの屋内ラウンジも、白壁とモザイクタイルのコントラストが美しい屋外スペースも、アラビアンワールドに迷い込んだかのよう。

ここで提供されるのは、野菜たっぷりのタジン鍋やクスクスなどのモロッコ料理を中心とした北アフリカ料理。9時から深夜0時まで予約なしで利用できるティールームも備え、東洋の甘いお菓子をお供に新鮮なミントたっぷりのミントティーを味わい、ゆっくりと過ごすことができる。

Le Bistro des Livres(ル・ビストロ・デ・リーヴル)

ル・ビストロ・デ・リーヴルは、ヘミングウェイが通った伝説的書店「シェイクスピア・アンド・カンパニー」に隣接するだけでなく、ビストロ自体も本棚で埋め尽くされた文学カフェのようなレストランである。

伝統的なフランス料理に現代風のエッセンスを取り入れた独創的なメニューと、文学の薫りを組み合わせることで、美食家と本の愛好家を引き寄せる場所になっている。

名物料理は、柔らかな肉質が際立つ「自家製の鴨のコンフィ」や、マッシュポテトにチーズを合わせたフランスの郷土料理「アリゴ」をたっぷり絡めながらいただく「自家製マッシュソーセージ」など。最高級の食材のみを使用しながら、肩ひじを張らずに楽しめる一皿が人気である。

食後は「クレーム・ブリュレ」などの甘いデザートを味わいながら本を開くのもよし、知的な雰囲気の中で5区らしい時間を過ごすことができる。

中世の面影を残す歴史とグルメの街

若者が集まり、活気あふれる雰囲気が魅力の5区。パンテオンやサンテティエンヌ・デュ・モン教会などの歴史に彩られた場所では昔へタイムトリップさせてくれ、大道芸やダンスなどをする若者でにぎわうサン・ミッシェル広場では、街のパワーを感じることができる。

世界中の美食家が訪れる老舗レストランから手頃なビストロまで、おいしい場所もたくさんあり、街の歴史とグルメを楽しむのにぴったりな地区といえる。