冷たすぎるスイカは甘くない? スイカが最も甘く感じる温度

冷たすぎるスイカは甘くない? スイカが最も甘く感じる温度

2025/08/07 13:00 ウェザーニュース

今年も猛暑が続いています。暑くなると食べたくなるものの一つにスイカがあります。店頭には丸ごと、カット、カップ入りなどさまざまなスタイルで並んでいます。

実はスイカは食べる温度によって甘さの感じ方が変わるそうです。甘く、美味しくスイカを食べるコツを、山形県天童市の農園、hiro smile farmの後藤広美さんに伺いました。

同じ甘さでも温度で感じ方が変わる

人間の舌は、温度によって甘みの感じ方が変わると言います。

「冷たすぎると感度が鈍くなって甘みを感じにくくなり、逆に冷えていないと甘み以外の雑味や酸味を強く感じるそうです。

暑くなると、ついついスイカをしっかり冷やして食べたくなりますが、せっかくの甘いスイカも、冷えすぎると甘みは感じにくくなるのです。これはメロンや桃など他の果物でも同様です。

例えば、0~5℃ぐらいだと清涼感は感じられますが、逆に15℃以上では温度が高すぎるため、甘みよりも青臭さや雑味が目立ち、食感も良くありません。

品種や大きさによって温度による感じ方は多少変わりますが、多くの場合、8~10℃ぐらいがスイカの風味と甘みが最もしっかり感じられる適温になります」(後藤さん)

最適温度でスイカを食べるには?

スイカを最もおいしい温度帯で食べるにはどうすれば良いのでしょうか。

「冷蔵庫で冷やしたスイカは、食べる10分ぐらい前に常温に置きます。そうすることでちょうど食べる頃には8~10℃ぐらいの温度になります。

買ってすぐ食べる場合も、丸ごとであれば3時間ぐらいは冷蔵庫で冷やしてから食べましょう。カットスイカは丸ごとより早く冷えるので、冷やす時間を短くしても大丈夫です。

ただし、スイカは急激な温度変化があると食味が悪くなります。早く冷えるからと冷蔵庫のチルドルームや冷凍庫などに入れるのは避けてください」(後藤さん)

乾燥、酸化、雑菌を防いで保存

保存する場合はラップを密着させて覆う スイカをおいしく食べた後、食べきれずに残る場合があります。その場合の上手な保存法を教えてください。

「残ったスイカをできるだけおいしいままで保存するには、乾燥や酸化、雑菌の繁殖を防ぐことがポイントです。

まず乾燥を防ぐために、切り口には空気が入らないようにラップを密着させて覆います。この時、必ず切り口が空気に触れないように全部覆われるようにしてください。これで2~3日は保存できます。

一口サイズに切って、清潔な密閉容器に入れて保存する方法もおすすめです。ただし、カットすると傷みやすくなるので、小さくなればなるほど傷みが早くなります。また容器に果汁がたまっていても傷みが早まるので、果汁は除いて保存してください。いずれにしても、色が変化したり、角が崩れかけたり、酸っぱい匂いがしていたら傷んでいる証拠です。そうなったら処分してください」(後藤さん)

スイカには血管を拡張し、血流を促進して熱を放散しやすくする作用があるシトルリン、利尿作用により体を冷やす効果があるカリウムなどが含まれています。また大部分が水分であるため、少し塩をかけて食べれば水分と塩分補給にはぴったりの熱中症予防にもなります。

甘くておいしいスイカを食べて、酷暑を乗り切りましょう。