【夏パフェ】桃とバニラアイスがとろける「ペッシェメルバ」、マンゴーとライチで南国の華やかさ「トロピカル」…学芸大パティスリー〈Taisuke Endo〉

パティスリーで出合えるパフェ。

 美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。

 グラスのなかで醸し出されるハーモニーは、まさにparfait(フランス語で「完璧」の意味)!

 今回は、学芸大学のパティスリーで味わうパフェをご紹介します。

パティスリーのテクニックが満載。

 2024年7月、東京・学芸大学に誕生した「Taisuke Endo(タイスケ エンドウ)」。銀座のパティスリーカメリア銀座」(現在は閉店)のシェフ・パティシエを務めた遠藤泰介さんによる、オープン時から話題のパティスリーです。

美しい店内。

 「独立を前にフランスへ渡り、アルザス地方のパティスリーで修業してきました。そのなかで経験したパティスリーのワクワク感と、見るからにおいしそうな表現をベースに、僕自身のフィルターを通してお菓子を作りたい。このお店を、毎日の生活の中にある幸せに満ちた場所、フランスに行かなくてもフランスを感じられる場所にしたいと思っています」と、遠藤さんは思いを語ります。

遠藤泰介さん。

 入口近くにずらりと並ぶヴィエノワズリーや焼き菓子、クラシックとモダンが融合した生菓子とともに人気を集めるのが、サロンで味わえる常時約4種そろう“クープ”のデザートです。「クープとは、フランス語で杯やグラスのこと。フランスのカフェでは必ず、アイスクリームを2~3玉盛り付けたクープがあるので、それを提供したいと思いました」と、遠藤さん。

 なかでもひときわ目を引くのが、季節のフルーツとさまざまな味や食感のパーツを組み合わせた、とっておきのパフェ仕立てのクープです。

◆ペッシュメルバ

「ペッシェメルバ」3,900円。2025年8月中旬まで提供予定。

 「ペッシュメルバ」とは、バニラアイスクリームに桃のコンポートをのせ、フランボワーズのソースをかけた、フランスでは定番のデザート。そこに遠藤さんならではの感性でアレンジを加え、桃約2個分をぜいたくに使用したみずみずしさ弾けるパフェに!

 「桃は、火を入れすぎると煮崩れたり、香りが飛んだりしておいしくなくなってしまうので、フレッシュのまま使っています」と、遠藤さん。トップには、ミルク感たっぷりの濃厚なバニラのアイスクリームと、フランボワーズ、フランボワーズジャムと和えて酸味とほどよい甘みをまとわせた角切りの桃をたっぷりと。桃と相性のよいヴェルヴェーヌのガナッシュ・モンテ(ホワイトチョコレートと生クリームを合わせて泡立てたもの)が、清々しい香りを放ちます。

バニラアイスクリームをたっぷり。

 その下からは、半割りのフレッシュな桃がごろりと現れるサプライズ! そのみずみずしさに、クレーム・ディプロマット(泡立てた生クリームとカスタードを合わせたクリーム)がまろやかなコクを添え、ザクザク、ほろほろ、香ばしくてリッチなアーモンドのクランブルがアクセントに。

クレーム・ディプロマットを美しく飾って。

 最後は再びフランボワーズ、フランボワーズジャムと和えた桃が現れて、満足感いっぱいの華やかなフィナーレを飾ります。

◆トロピカル

「トロピカル」2,700円。2025年9月中旬まで提供予定。

 8月上旬からは、夏気分いっぱいのトロピカルなパフェが登場しています。トップを飾るフルーツは、力強い果実味のマンゴーと、フローラルな香りを放つライチ。仕上げにすりおろしてふりかけられたライムの皮が、さわやかさを倍増させます。

 その間に絞られたバニラの風味豊かなガナッシュ・モンテと、サクッと軽やかなメレンゲが目にも舌にも楽しく、ところどころきらめくジャスミンのジュレが気品と清々しさをプラス。

みずみずしいマンゴーとライチの果肉を。

 その下から果実味たっぷりのマンゴーのソルベとライチのソルベが顔を出し、コク深く濃厚なクレーム・ディプロマットと香ばしいアーモンドのクランブルが食感と風味のアクセントに。最後は、パイナップル、キウイ、マンゴー、パッションフルーツのマリネが現れて、多彩な酸味や香り、食感がにぎやかに混じり合い、フルーツカクテルをいただくかのような楽しさ。

「好きな組み合わせ」と遠藤さん。

 「いろいろなトロピカルフルーツを合わせて、すっと汗が引くようなさわやかなひと品に仕上げました。マンゴーだけだと甘ったるくて重くなるので、ライチのみずみずしさとキレのよさを合わせたのがポイント。マンゴーとジャスミンも、ちょっとオリエンタルで僕の大好きな組み合わせです」と、遠藤さんは話します。

削りたての香りが立つ。

 「パフェって、自分へのご褒美みたいなものだと思うんです」と語る、遠藤さん。家には持って帰れない出来立てのおいしさを楽しむことはもちろん、大きなパフェを独り占めして目で楽しみ、写真を撮り、ゆっくり味わい、素敵な思い出として記憶にとどめていくのは、パフェの醍醐味と言えます。

 「だからこそ、心が華やぐようなスペシャルなものを作りたい」と、遠藤さん。9月下旬頃からは、シャインマスカットなどを使ったブドウのパフェも登場予定といい、こちらも見逃せません。

Taisuke Endo(タイスケ エンドウ)

外観。

所在地 東京都目黒区鷹番2-4-7 鷹番マンション1F

電話番号 03-4400-6756

営業時間 10:30~19:00(L.O.18:30)

定休日 月曜、火曜不定休