豚肉に塩を振るだけ!特売の豚肉も格段においしくなる保存法を調理師が伝授

豚肉に塩を振るだけ!特売の豚肉も格段においしくなる保存法を調理師が伝授

スーパーに並ぶかたまり肉はカット済みのお肉より割安なことが多いものです。「でも煮込み料理のときしか使わないな…」と買うのを迷っているならすごくもったいない!

特売の豚かたまり肉が格段においしくなる上に保存もできる「塩豚」にしてみませんか。

簡単にできる塩豚の作り方を、かたまり肉料理が大好きな調理師で食育インストラクターのracssが解説します。

以前に作ったことがある方もおさらいとしてご覧くださいね。

簡単!塩豚の作り方

塩豚の作り方はとても簡単です。

かたまりの豚肉を用意し、肉の重さの1%の塩をすり込むだけ。粗塩がすり込みやすく味がまろやかなのでおすすめです。この量の塩なら、あとから塩抜きをする必要がありません。

500gのお肉なら、塩は5gです。

手のひらを使ってこするようにしながら全体的に塩をすり込むと、肉の表面にじわっと水分がにじんできます。塩がなじんで大きな粒がなくなったように見えたらOKです。

次にラップでピッタリと肉を包みます。ぴったり包むことによって少量の塩でも内部まで浸透しやすくなります。

このまま冷蔵庫で3日保存します。

肉からドリップが出ますので、1日1回は取り出してラップを取り替えるとよいでしょう。

雑菌を増やさないため、清潔な手で触れるようにします。

3日めから食べられますが、さらに2日待つと熟成が進んでもっとおいしくなりますよ。

※キッチンペーパーで包んでからラップする方法もあります。その場合ドリップをキッチンペーパーが吸ってくれますが、塩分の浸透が多少弱まることがあります。塩の量を2%に増やすと良いでしょう。

塩豚にして5日以上寝かせた豚肉は、見た目にも肉が引き締まり、赤みが濃くなってツヤが出ています。

おいしそう!食べ頃です。

※7日を過ぎると保存の難易度が上がります。通常は使いやすい大きさにカットして冷凍保存に切り替えるとよいでしょう。

塩豚の食べ方

スライスした塩豚をフライパンで焼くだけでシンプルなおいしさ!ご飯もお酒も進んじゃいそうです。

熟成させたことによりやわらかい鶏肉のような食感に変わり、旨味が凝縮されています。脂身の甘味が引き立つ、ほどよい塩味はお弁当にも。

塩豚を焼く際は、せっかくの柔らかさが失われないよう、中火でじっくり加熱してください。出てくる脂で野菜を炒めて旨味を移すのもいいですね。

あっさり食べるには茹でて

塩豚はかたまりのまま茹でる食べ方もおすすめです。塩分と脂が少し抜け、あっさりと食べられます。ぱさつかないポイントは茹で汁の中で冷ましてから取り出すことです。

茹でた塩豚はそのままカラシをつけて食べたり、中華風のタレや辛味噌ともよく合います。旨味が溶け出した茹で汁もスープとして活用してくださいね。

塩豚にはどんなお肉が向いている?

豚肉は豚バラ肉か肩ロース肉が適度な脂がありおいしいですが、豚もも肉でもOKです。

豚バラ肉で作るとベーコンの代わりに、豚もも肉で作るとハムの代わりに利用できますので、既製の加工肉が苦手という方にもおすすめできます。

もっと味や風味の工夫をしたいときは下記のアレンジをお試しください。

基本の塩豚をアレンジしてもっとおいしくするには

基本の塩豚の作り方は、肉の重さに対して塩は1%でしたが、好みや用途に合わせてアレンジするともっとおいしく作ることができます。

味に深みを出したいときは…

砂糖を加えます。味のバランスをとるために塩の量を増やし、3%の塩と1.5%の砂糖を肉にすり込んでください。その後の手順は変わりません。

風味付けをしたいときは…

ハーブやにんにく、黒こしょうなどをまぶしてから寝かせます。豚肉に合うハーブはローズマリーやクローブなどがありますし、八角や生姜もおすすめ。

豚肉に塩をまぶすだけでおいしくなる塩豚

塩豚の作り方はとても簡単で「これだけ?!」と言われそうです。

これだけでおいしくなる理由は、塩をすり込むことでお肉の余分な水分が抜け、締まったお肉になること。

そしてこの状態で数日寝かせるとアミノ酸が増え旨味がアップするのです。熟成に伴って肉質も柔らかくなるなどいいことばかり。

本格的に豚肉を熟成させて作るものには生ハムやベーコンなどがありますが、塩豚はその前段階の家庭でもできるごく簡単な保存法になります。覚えておくと特売のお肉の活用範囲が広がりますね。

※基本の塩豚は少ない塩の量なので雑菌が繁殖するおそれがあります。調理の際や保存の際は消毒した器具を使用すること、清潔な手指で触れることに注意してください。

■執筆/racssさん

調理師・食育インストラクター2級・菜園家。食材を大事に使う節約料理や保存テクなど、毎日の料理が楽しくなるひと工夫を中心に執筆している。「racssblog」では、ごはん雑記や菜園の様子を発信中。

編集/サンキュ!編集部

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