絶滅? 実は日本で生きていた「スライゴオオサンショウウオ」 サンシャイン水族館で展示 世界最大の両生類
絶滅したと考えられていたが、実は日本で生きていた世界最大の両生類「スライゴオオサンショウウオ」。その姿が、東京・池袋のサンシャイン水族館の特別展「真夜中のいきもの展」で公開されている。京都大などの研究で昨年、この水族館など国内2施設にいた個体が、絶滅したはずの種類だったと判明。館に来て26年、初めて「本名」での紹介となった。
特別展で展示されているスライゴオオサンショウウオ。大きな口で獲物をひとのみする=東京都豊島区のサンシャイン水族館で
◆「チュウゴクオオサンショウウオ」じゃなかった
スライゴオオサンショウウオは、中国原産のオオサンショウウオの一種。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで極めて絶滅の恐れが高いとされる。以前はチュウゴクオオサンショウウオと考えられていたが、最近の研究で別種に分類された。
昼間はじっとしているが… 特別展で展示されているスライゴオオサンショウウオ=東京都豊島区のサンシャイン水族館で
中国の野生下では絶滅したと考えられていたが、研究グループが各地にいるチュウゴクオオサンショウウオなどのDNAを調査。サンシャイン水族館と安佐動物公園(広島市)で飼育されていることが分かった。
サンシャイン水族館の個体は1999年から、チュウゴクオオサンショウウオとして飼われてきた。全長1.2メートルの雄で、昼間は隠れてじっとしていることが多い。夜になると動き出し、大きな口で獲物をひとのみするという。飼育スタッフの先山広輝さん(42)は「生息地以外での生き物保全も、水族館の役割の一つ。展示が知るきっかけになれば」と期待を込めた。
特別展では、真っ暗な環境を好む約20種類の生き物を展示。昼は暗く、夜は明るく照明を調節するため、生き物の夜の様子が日中でも観賞できる。11月24日まで。6月19日休館。通常入場券は600円。(中村真暁)
特別展で展示されているスライゴオオサンショウウオ。全長は1.2メートル=東京都豊島区のサンシャイン水族館で
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