アイシンに吹くHVの追い風、米国で恩恵 懸念は「トランプ関税」

アイシンが作る電気自動車の基幹部品「イーアクスル」の模型=2025年4月18日、愛知県刈谷市、高橋豪撮影
トヨタ系の自動車部品大手アイシンが25日発表した2025年3月期決算(国際会計基準)は、電気自動車(EV)に代わるハイブリッド車(HV)への強い引き合いが支えとなった。追い風は26年3月期も吹きそうだが、影をさす恐れがあるのが、トランプ米政権の関税政策だという。
決算会見で話すアイシンの吉田守孝社長=2025年4月25日、名古屋市中区、高橋豪撮影
「短中期的には追い風になる」
この日の決算会見で、アイシンの吉田守孝社長は、EV市場の成長鈍化をこう評した。
同社がこの日発表した25年3月期決算は、主力の駆動装置の販売減などから売上高は前年比0.3%減の4兆8961億円。だが、本業のもうけを示す営業利益は、シート部品のリコール費用が発生した前年の反動増と、円安による押し上げ効果もあり41.5%増の2029億円、最終的なもうけの純利益は18.5%増の1075億円だった。
地域別では、日本や中国、欧州ではいずれも減収・営業減益となった一方、前年比約9.1%増と地域別で最大の伸びを見せたのが北米だった。営業利益も、リコール費用を計上した前年から230億円上ぶれ、293億円の黒字となった。