昔は当たり前?今では考えられない『犬のしつけ方法』3選 考え方はどのように変化していったの?

昔は当たり前?今では考えられない『犬のしつけ方法』3選 考え方はどのように変化していったの?

1.体罰・強制訓練

一昔前までの犬のしつけは、基本的に「強制訓練」が主流となっていました。

その名の通り、人がして欲しい行動を犬に強制的におこなわせるもので、その手段として叩く・蹴るなどの体罰も使われていました。

正確な強制訓練は、一般家庭の飼い主さんがおこなうことはあまりなく、警察犬などの訓練に採用されていた方法です。

家庭犬のしつけの場合も、犬を数か月訓練所に預けてプロの訓練士が訓練をおこない、ある程度訓練が入った状態で家庭に帰ってきていました。

強制訓練では、望ましくない行動があれば痛みや苦痛を与えることで、その行動をやめさせます。そして、正しい行動をするとその苦痛が取り除かれることで、犬は正しい行動をするべきだと学習するのです。

もちろん、強制訓練のなかでもほめることもあり、プロの訓練士はその両方を的確に使い分けて犬をしつけます。

犬のしつけにおいて、ほめることも叱ることもタイミングがとても重要です。

そのため、一般の飼い主さんが強制訓練をしようとすると、適切な叱り方ができず、無意味に苦痛を与えるだけで終わってしまったり、愛犬との関係性が悪くなったりすることも珍しくありません。

また、厳しい罰で押さえつけることを続けていると、犬は学習性無気力状態になり、うつ状態になってしまうことがあります。

しかし、ほめるだけでは教えられないこともあり、時には強制訓練が必要になることもあるのも事実です。

ほめるしつけをおこなっている人のなかには、「強制訓練=悪」という考えを持っている人もいると思いますが、決してそうではありません。

人や犬への攻撃性が強い犬や、犬自身に危険が及ぶ行為をする犬に対して、緊急度の高いしつけをおこなう場合は強制訓練が適している場合もあるため、その場合は必ずプロの訓練士に相談するようにしてください。

インターネットが普及したことで、引っ張ると首が締まるチョークチェーンや首に痛みが与えられるスパイクカラー、電気ショックを用いた無駄吠え防止首輪なども簡単に手に入ります。

しかし、これらも適切な方法で使用しなければ悪影響を与えるだけなので、絶対に見様見真似に使用することは控えてください。

2.明確な主従関係をつくる

犬のしつけをおこなううえで大切だとされていたのが、「主従関係」です。

いわゆる「リーダー論」というもので、オオカミなど犬の祖先とされる動物の習性を真似て、家族という群れの中で飼い主が絶対的なリーダーでいなければならないと考えられていたものです。

飼い主が“リーダー”であるために、「ご飯を食べる順番やドアから出る順番は必ず飼い主が先」「ソファやベッドなど犬を高いところに登らせない」「叱るときはマズルを強く掴む」などといった決まりごとが必要だとされていました。

確かにこれは、群れで暮らす動物がおこなっていた行動ではあるものの、それをそのまま人間が真似をしてもあまり意味がないと考えられるようになっています。

そのようなことから、現在では極端なリーダー論に対して疑問が持たれているのです。

犬にとって伝わらないこれらの行動は、飼い主さんへの不信感を持たせる原因となる可能性が高いので、本当に必要な対応を見極める必要があります。

近年では、主従関係をつくるのではなく、信頼関係を築くことが大切だとされています。犬にとって頼りになる存在でいることは必要ですが、犬が自発的・意欲的に行動できるようにサポートしていくことを意識しましょう。

3.番犬として他者を攻撃させる

日本の犬のしつけとして、昔は「番犬として育てる」ということが珍しくありませんでした。

現在でも、年配の方の中には、愛犬に番犬としての働きを求めている人もいます。

一昔前の日本では、犬を庭に放したり玄関先につないだりして飼っている家庭は多かったと思います。

そこで、見知らぬ相手に対して吠えて侵入を防ぐことを良しとしていたのです。なかには吠えるだけでなく、噛みつくなどの攻撃をするようにけしかけることもありました。

現在では、犬は「番犬」ではなく「家族」という考えが広まり、室内で飼育するのが一般的です。

人に対しても友好的でいられるように社会性を身につけさせることで、犬が人間社会で楽しく快適に過ごせるようになるでしょう。

まとめ

しつけや関わり方、医療など犬にまつわる様々なことが世界中で研究されていて、進化を続けています。

また、インターネットの普及によって、一般の飼い主さんであっても膨大な情報に触れられるようになってきました。

最新の研究に基づいた情報から真偽不明な噂程度の情報まで混在しているなかで、正しい情報だけをつかみ取ることはとてもむずかしいことです。

それでも、愛犬にとってどのような関わり方が必要かということは、犬の気質や生活環境などを考慮して取捨選択していかなければならないのだと思います。

たくさんの情報に触れながら、愛犬と飼い主さんにとって楽しく幸せな生活を送っていけるようにぜひ考え続けていきましょう。

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