ローソンが「揚げたてフライドポテト配達サービス」を始めたのでダラダラ食べようとしたら、それどころではなくなった

このたび2025年8月19日に、ローソンはデリバリー専用のフライドポテトを新発売した。「デリバリーのために考えたフライドポテト」と銘打たれたそれは、注文が通ってから店内で揚げられるものらしい。

筆者はときめいた。「揚げたてのフライドポテトを配達するサービス」というのは意外に珍しい気がするし、筆者を含む怠惰を愛する人間にとって、「自宅に届けてもらう揚げたてのフライドポテト」は無上の喜びと同義である。

全国にはびこる怠惰なる同志たちと情報を共有し、ともに怠惰の道を漫然と歩むべく、筆者はそのフライドポテトをレビューすることにした。が、この時はまだ、待ち受ける予期せぬ展開を知らずにいたのである。

少々補足しておくと、本商品には通常サイズと「倍盛り」サイズが用意されており、前者の価格は680円、後者は1340円となっている。今回は通常サイズを、Uber Eatsを利用して注文した。

ちなみに同サイトの表示において、最寄りのローソンから自宅までの配達時間は約10分であった。揚げたてに近いものが期待できる距離だ。

心を弾ませながら、寝床で転がったまま待つことしばらく、箱詰めのフライドポテトが到着した。

ぼんやりとした手つきで開封したところ、マクドナルドのLサイズポテトよりやや少なく見えるほどの分量が入っていた。正直、価格を鑑みると物足りない感は否めないが、ともあれ締まりのない動きで口を開け、ポテトを頬張った。

「予期せぬ展開」は、ここからであった。有り体に言えば、あまりに美味しすぎたのである。

「何だ、そんなことか」と思われるかもしれないが、四肢の全てから余すことなく力を抜き、たるみきった食事をしようとしていた筆者の目論見は脆く崩れ、いつしか背筋を垂直に伸ばしていた。何なら目の前のポテトに速やかに箱から皿へと場所を移ってもらっていた。

宣伝に違わず温度が保たれているのは当然ながら、油の染みたジャンキーさをしっかり備えつつ、それでいて不思議と軽快な食感も損なっていないどころか、噛むほどにじゃがいもの素材の風味が味覚に迫ってくる。

「ジャンク」か「素材」か、そのどちらかに振っているフライドポテトは食べたことがあるが、ローソンのこれはその中庸を鮮やかなまでに、魔法めいた手口で射抜いている。加えて塩加減も濃すぎず薄すぎず、悶えるくらいに丁度良い。全てが、絶妙なのである。

美味しすぎる。こんなはずではなかった。こんな「人生で上位に入るほど美味しいフライドポテト」と出会うつもりはなかった。「だらだらと食べられて良きかな」程度で済ませるつもりであった。それなのに、怠惰など最早どうでもよくなってしまっている。

せっかくなので付属のケチャップソースをつけてみたが、個人的にはつけない方が楽しめた。いや、もう言葉を選ばずに言えばケチャップは余計である。邪魔である。いま人生において最もケチャップに対して容赦がなくなっているが、それもこれも目の前のポテトのせいである。

実食する前は苦言を呈した価格設定も、「揚げたての上質極まりないポテトを運んでもらえる」と考えれば吞まざるを得ない。

これがデリバリー専用の商品であることが口惜しくさえあるが、店頭にまで間口が広がると混沌を招きかねないクオリティだとも思うので、やはり現状が妥当なのかもしれない。

というわけで、怠惰なる同志たちに向けて筆を執ったはずの筆者だったが、今となっては何であれ多くの人に本商品に触れて頂きたい所存である。予期せぬ着地を迎えたとて、魅力が伝わるなら構うまい。「デリバリーのために考えたフライドポテト」のために、この記事を捧ぐ。

参考リンク:ローソン公式サイト、公式Xアカウント

執筆:西本大紀

Photo:RocketNews24.