上手い人はみんなやってる! 派手さゼロでも「同乗者の信頼度が爆上がりする」運転術
上手い人はみんなやってる! 派手さゼロでも「同乗者の信頼度が爆上がりする」運転術
クルマの運転はちょっとしたコツを意識するだけで格段にうまくなることがある。苦手意識を克服するために知っておきたい、上手い人がいつも自然にやっている運転の“ちょっとしたコツ”とは?
文/井澤利昭、写真/写真AC、アイキャッチ画像/yamasan@Adobe Stock
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一発で決められるバック駐車のコツ
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何度も切り返しをしてしまう人は、駐車枠に対してクルマの角度が浅いことが考えられる。そんな人は最初に駐車枠側へとクルマを寄せ、そこから大きく反対側へとハンドルを大きく切ることを意識しよう(xiaosan@Adobe Stock)
免許を取得したばかりの初心者や、日頃クルマに乗る機会があまりない、いわゆるペーパードライバーの人が日常の運転のなかで苦手と感じることのひとつが「駐車」だろう。
特に後ろ向きでクルマを駐車場に入れるバック駐車は、焦って何度もハンドルを切り返した挙句、駐車スペースの中でクルマが斜めになってしまうなど、苦手意識を持っているドライバーも少なくないはずだ。
長年クルマを運転しているベテランドライバーでも一発でのバック駐車はなかなか難しいものだが、ちょっとしたコツをつかむだけで格段に上達することもあるので、ぜひそのポイントを押さえておいてほしい。
まず意識したいのが、ハンドルを切り返す際のタイミングと角度だ。
バック駐車は、いったんクルマを駐車スペース側に寄せてから、その反対側へと大きくハンドルを切り、そこからハンドルを切り返してバックするのが基本。
その際のタイミングや角度は、クルマのサイズやホイールベース、最小回転半径によって異なるため、クルマに合った感覚をつかむことがバック駐車が上手くなるための第一歩となる。
特にバック駐車に慣れていない人の場合、駐車スペース側に寄せてから反対側へと最初にハンドルを切る際の角度が小さくなりがちで、これが何度もハンドルを切り返す原因となってしまうため、まずは思い切って大きく切ることが肝心だ。
また、その後の切り返しまでに前進する距離もバック駐車で意識したい大きなポイント。
駐車を早く終わらせたいという焦りから前進する距離が短くなってしまうと、切り返しをしてからバックで駐車スペースへ入るために必要な距離が足りず、その後の切り返しが多くなってしまう原因となる。
駐車スペースの前の通路が狭い駐車場の場合は仕方がないが、通路に余裕があるのなら、少し長めに前進しておくと、バックしながらの微調整もやりやすくなる。
とはいえ、車格や駐車場の広さによってはどうしても切り返しが必要になる場合もあるため、一発で決めることを意識しすぎるのも考えもの。
余裕のある操作で、安全で正確な駐車を優先する運転するこそがより“頼もしさが伝わる運転”といえるだろう。
恐怖心に負けずめいっぱい加速! 高速道路での合流のコツ
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高速道路の合流時には、ターゲットとなるクルマを定め、追いかけるようにしながらその後ろに入ることを意識すると、うまくいきやすい
バック駐車とともに、ビギナードライバーが苦手とするものの代表格といえるのが、高速道路やバイパスなどで必要となる「合流」だろう。
インターチェンジやサービスエリアの出口など、高速道路への合流をスムーズにこなすコツはいくつかあるが、まずポイントとなるのが、本線へとつながる加速車線で躊躇なくアクセルを踏み込み、十分に加速すること。
普段、あまりクルマに乗らないという人は、加速時の大きなエンジン音やスピード感に恐怖を感じてしまうかもしれないが、加速車線での加速が不十分なまま本線に進入すると、本線上を走るクルマの通行を妨げる危険があるため、ここでは目一杯アクセルを踏むことが大切だ。
また、合流が苦手という人は、焦りから合流地点で大きくハンドルを切り、すぐさま本線に進入しようしがちだが、こうした運転はクルマのふらつきや本線上を走るクルマとの接触事故につながることもあるため、控えるようにしたい。
クルマを十分に加速させ、合流地点に近づいたらまずは落ち着いてウインカーを点灯しつつ、本線上を後方から来るクルマの様子をミラーや目視で確認。ハンドルをわずかに切りつつ加速車線を最後まで使い切るイメージで、ゆっくりと並行移動するように本線に進入していくと、スムーズに合流することができる。
この時、本線の走行車線上にクルマが走っている場合は、ターゲットとなるクルマを決めるのも合流が上手い人がやっているコツのひとつ。
基本的にブレーキは使わず、アクセル操作のみでスピードを合わせたら、ターゲットに定めたクルマを追いかけるようにしながらその後ろに入ると合流がしやすい。
周囲のクルマの速度を見極め、スムーズに合流できるタイミングを的確に判断する力を磨き、無理な割り込みなどをしないようにすることが同乗者の信頼度が爆上がりする運転の鍵となる。
車両感覚がものをいう、狭い道路でのすれ違い
狭い道で対向車とすれ違う際にクルマが斜めになっていると接触の可能性が高くなる。こうした場面では道路に対してクルマができる限りまっすぐになるように心がけよう(編集部 MOBY@Adobe Stock)
ドライバーの技量がはっきりとわかる場面のひとつが、狭い道の走行。
クルマが走行する車道の幅は道路構造令で決められており、車線のない道路では原則として4mとなっているだけに、昔からの住宅街などを通る生活道路では道幅が5mに満たなところも多い。
こうした狭い道を行き来する際は、運転に慣れているベテランドライバーでさえ、周囲の建物にぶつけないよう神経をすり減らしてしまいがちだが、さらに緊張するのが対向車が現れた場面。
そうした場合でも慌てず落ち着いて対処することが同乗者の信頼度が爆上がりする運転といえるだろう。
クルマがすれ違うことが難しい道路で対向車が現れた際、まず最初に考えなければいけないのが、どの場所でならすれ違うことできるかという点だ。
例えば少し先にすれ違いが可能な幅の広い場所があるなら、周囲の安全を確認しながらそこまでゆっくりと進み、可能な限りクルマを左に寄せて、対向車を行かせるようにする。
ここで肝心なのが、すれ違う場所では道路に対してクルマがまっすぐなるようにすること。
クルマが斜めになっている状態では十分なスペースを確保することができず、対向車と接触してしまう可能性があるからだ。
また実際に対向車とすれ違う際は、ミラーが接触しないように注意。ギリギリの道幅しかない場合は、すれ違う瞬間だけミラーを畳んでおくのも手だ。
こうした狭い道では、対向車が道を譲ってくれることもあるため、身振りなどで相手側ドライバーとのコミュニケーションをとることも重要になってくる。
もちろん、自分のクルマが道路上のどの位置にいるかを理解する車両感覚も重要。
この感覚が十分でないと、クルマをめいっぱい左に寄せた時に周辺の建物や電柱などにぶつけてしまったり、側溝などで脱輪してしまう可能性があるからだ。
車両感覚を磨くには、ワイパーやボンネットなど、運転席から見えるものを目安に、タイヤの位置がどこにあるかをあらかじめ確認しておくこともお薦めだ。
タイトターンで差がつく走りの腕前
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カーブをスムーズに曲がるようにするには、その曲がり具合である「R(radius:半径)」を進入する前に見極めることが重要。半径の小さなカーブでは、スピードを大きく落とす必要がある
運転の上手い人とそうでない人で差がはっきり出るのが、カーブの曲がり方だ。
ハンドルを切れば、クルマはその方向に曲がっていくというのは当たり前だが、運転に慣れないうちはどれぐらいのスピードでカーブに進入したらいいのかがよくわからず、カーブの途中でギクシャクしてしまうこともしばしば。
特に注意したいのがオーバースピードのままカーブへと進入してしまう走り方。
半径が小さいタイトターンでこうした走りをしてしまうと、強い遠心力がクルマにかかるってハンドル操作だけでは曲がり切ることができず、車線から対向車線にはみ出したり、壁に激突する危険がある。
カーブを安全かつスムーズに走るためにはやはり、その角度や大きさを的確に読み取り、適切なスピードまで減速するブレーキ操作が重要となってくる。
ここで肝心なのが、ブレーキによる減速は基本的にカーブに進入する前に終えておくこと。
速すぎるスピードでカーブに進入してしまい、曲がっている途中で慌ててブレーキを踏んでいるクルマを街中や峠道で見かけることがあるが、これはスリップ事故の原因となる。特に雨や雪の日など、路面が濡れたり凍っているようなケースでは、その危険度はさらに高まる。
もちろん、「急カーブ注意」などの標識がある場所では、余裕を持って早めに減速を始めることが必要だ。
また、カーブでのスムーズなハンドル操作も大切で、急ハンドルなどはもってのほか。 カーブ途中のブレーキ同様、スリップの危険がある。
運転が上手い人の多くは視野が広く、どんなシチュエーションであっても周囲の状況を的確に把握することに長けており、そこから生まれる余裕がスムーズで安全な運転につながっているといっていいだろう。
運転に苦手意識を持っている人にとっては一筋縄ではいかないかもしれないが、ここで紹介したコツを意識してハンドルを握ることで、少しずつ安心感のある運転に近づけるはずだ。
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