焼きたてのお好み焼の上で踊るのはカツオ節ではなく…「金の豚玉」が大阪・関西万博に登場 気になるお値段は…?

削り節のかわりに金箔をのせた「金の国産豚玉」(画像提供:お好み焼「ゆかり」)

まだ湯気が立っている焼きたてのお好み焼の上で、熱気にあおられたカツオの削り節がゆらゆら揺れる光景は、大阪の粉もん文化を象徴する光景だ。

その削り節を「金箔」に替えた「万博記念焼 金の国産豚玉」が、大阪・関西万博内ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」で9月1~7日の期間限定で販売されている。

大阪のソウルフード・お好み焼の上でゆらゆら揺れる金箔なんて、この期間でしか見られない。

お客さんを呼び込もうと張り切るスタッフ

採算は度外視でも究極の粉もん文化を発信するぞ

大阪「粉もん文化」の象徴といえば、お好み焼。北区・曽根崎に本店を構えるお好み焼「ゆかり」では、大阪・関西万博内ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」に出店するにあたり、特別メニューとして「金の国産豚玉」を開発した。

「ゆかり」の代表取締役・山下真明氏に、万博で出店したコンセプトと目標を聞いた。

「かつてバブル時代に金箔をのせた商品を出していたことがあって、それが好評でした。大阪・関西万博は大阪で開催される大きなイベントでもありますし、しかも大阪といえば豊臣秀吉の『金の茶室』が有名です。それにあやかって、そして大阪の老舗企業として、金を使った商品を出そうと企画しました」

ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」に乗り込んだスタッフたち(中央の白いシャツの男性が山下氏/画像提供:お好み焼「ゆかり」)

出店に際して、関東の店舗からもスタッフを呼び寄せた。ふだんは別々の店舗で働いているスタッフが、この7日間は同じ目標に向かって突き進む狙いもある。万博での出店という高揚感もあって、社内がワクワクした雰囲気に包まれているという。

気になるのは、値段だ。一般的に、料理の彩(いろどり)に使われる金箔の量は0.01グラムが定番だといわれている。だが、「金の国産豚玉」にはその10倍に当たる0.1グラムが使われる。金箔をお好み焼の上で見栄えよく揺らせるためには、これぐらいの量が必要なのだとか。そういうわけなので、1枚1万円という値段設定になった。

もちろん「味」も大事にしている。見た目のインパクトが強烈だが、お好み焼としてたいへん美味しく仕上がっており、濃厚なソースがふわふわに焼き上げられた生地と絶妙にマッチしている。

1万円の「金の国産豚玉」お買い上げのお客さん第1号は……

9月1日の出店初日、スタッフらは開店前から準備に余念がない。「金の国産豚玉」のほかにも、ふだん店舗で提供しているメニューも用意されている。また、エーワンベーカリーとのコラボレーションで「ゆかり」のオリジナルソースで仕上げた「ゆかりの焼そばパン」も、毎日300個販売されるという。コンビニの焼きそばパンの味に慣れた人は、是非この焼きそばパンも味わってほしい。

エーワンベーカリーとコラボした万博限定焼そばパン(画像提供:お好み焼「ゆかり」)

ところで「金の国産豚玉」は、どんなお客さんがオーダーするのか、しばらく観察してみた。ノーマルタイプの豚玉や焼きそばパンはよく売れている。「金の国産豚玉」を珍しがる人はいるが、値段を見てびっくりするのかオーダーがなかなか入らない。「さすがに1万円は……」と思っていると、レジカウンターで鐘が鳴った。

「金の国産豚玉」のオーダーが入るとスタッフが鐘を鳴らす(画像提供:お好み焼「ゆかり」)

「金の国産豚玉」のオーダーが入ると、祝福の鐘を鳴らすのだと聞いた。オーダー第1号は山下氏の知人で、出店の様子を覗きに来たという。1万円のお好み焼をオーダーした気分を聞くと「ドキドキしました」という一言が返ってきた。それでも、きっと忘れられない思い出になったことだろう。

「金の国産豚玉」オーダー第1号の客さん

「ゆかり」の出店は9月7日まで。「金の国産豚玉」の販売目標を山下氏に聞くと「7日間で100枚を目標にしています」とのこと。

今後、店舗では提供しないそうなので、万博という大きなイベントでちょっとリッチな気分で金箔がのった豚玉を味わうのは、かなり貴重な体験になるはず。

 

動画 「金の国産豚玉」の上で踊る金箔

https://youtu.be/ttIQXo8Mk9Y

 お好み焼「ゆかり」

https://www.yukarichan.co.jp/

 ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」

https://www.expo2025utage.jp/

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)