MacBookにはノッチのせいでゲーム画面がぼやける問題が存在するが報告から約2年経過しても未解決のまま

一昔前はmacOSで動作するゲームは非常に少なかったですが、近年では「DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT」や「サイバーパンク2077」といった大型タイトルのmacOS版が登場するなどゲームを快適にプレイできる環境が整いつつあります。しかし、MacBookシリーズにはゲームの表示がぼやけてしまう問題が確認されており、報告から約2年が経過した記事作成時点でも解決に至っていません。

Your Mac Game Is Probably Rendering Blurry – Random Thoughts

https://www.colincornaby.me/2025/08/your-mac-game-is-probably-rendering-blurry/

2021年に登場したM1チップ搭載MacBook Pro以降のMacBookシリーズには、画面上部のウェブカメラ周辺に非表示エリア(ノッチ)が設けられています。

アプリをフルスクリーン表示する際はノッチが邪魔にならないように「ノッチの左右の部分も黒く塗りつぶす」という挙動が採用されています。このため、MacBookシリーズでフルスクリーン表示する際は、画面解像度よりも縦幅の短いフルスクリーン表示用の解像度で描画する必要があるというわけです。例えば、MacBook Proの解像度は3456×2234ピクセルですが、フルスクリーン表示に使える解像度は3456×2160ピクセルです。

多くのゲームでは「システム上の解像度リストの一番上」に位置している3456×2234ピクセルがデフォルト解像度として採用されています。しかし、表示できる領域は3456×2160ピクセルであるため、描画解像度と表示解像度の間にズレが生じて画面がぼやけてしまうというわけです。以下の画像は「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」のスクリーンショットの一部分で、右上がデフォルト設定の3456×2234ピクセル、左下が手動で3456×2160ピクセルを選択して描画したものです。右上は全体的にぼやけていることが分かります。

同じ問題は他のゲームでも発生します。例えば、宇宙探索ゲームの「No Man’s Sky」でも3456×2234ピクセルがデフォルト解像度として設定されています。

パズルゲームの「Riven」のデフォルト解像度も3456×2234ピクセルでした。

一部のゲームでは問題に対応できている場合もあります。サイバーパンク2077のデフォルト解像度は1728×1080ピクセルで、フルスクリーン解像度の縦横をそれぞれ2分の1にしたものが採用されていました。設定を変更すれば3456×2160ピクセルでプレイすることもできます。

問題を報告したColin Cornaby氏はAppleに対して「ゲーム開発者向けガイドラインに解像度に関する詳細を追加する」「Apple公式のゲーム移植サンプルに出力解像度の例を追加する」「ゲーム向けの新たなAPIを追加する」といった対応を求めています。Cornaby氏は2023年9月にこの問題をAppleに報告していますが、記事作成時点でも解決されていません。