吉野家、玄米を野菜として食べる新食材「玄米スプラウト」の研究を開始
2025年8月7日 発表
左から「玄米」「発芽した玄米スプラウト」「玄米スプラウト」
吉野家ホールディングスは、筑波大学と菱熱工業とともに新食材「玄米スプラウト」の実用化に向けた共同研究を7月に開始した。
「玄米スプラウト」とは、玄米を若い葉が出るまで発芽させたもので、玄米を穀物としてだけでなく“野菜”としても活用できるという。近年の健康意識の高まりに対応して、栄養価が高く健康によい玄米の喫食機会を広げることを目的として開発された。玄米がもつ豊富な食物繊維やビタミン、ミネラルに加えて、発芽させることによりビタミンCやβ-カロチン、食物繊維、GABAなどが増加するため、非常に高い栄養価がある。
また、クセのない味わいで、生食はもちろん、炒め物、和え物など幅広い料理に用いて手軽に栄養を摂ることができ、玄米にあった風味や手間の面から日常的に取り入れにくいという問題を解消している。さらに、水耕栽培のため環境変化に強く、安定供給を図ることができるサステナブルな食材としての側面も持ち合わせているという。
「玄米スプラウト」の栄養成分比較
「玄米スプラウト」は、筑波大学生命環境系の粉川美踏准教授により2018年から栽培・生産方法や技術課題、有効性の研究が行なわれてきた。2021年には特許出願済で、今年7月に「玄米スプラウト」を一般にも普及させることができるよう、吉野家と菱熱工業が研究に参画し、実用化に向けた共同研究を開始した。今後は、量産体制の確立を目指すとともに、吉野家での商品化の検討も進めるという。
また、吉野家は「食べることで健康を目指す」取り組みを行なっている。今回の産学連携共同研究契約を含め、機能性表示食品や特定保健用食品の研究開発を行なうなど、専門的知見や技術開発成果を各施策へ応用している。健康や生活習慣病予防を意識した食生活を送る人たちのために、伝統の味を守りながら食生活の改善に役立つ、美味しい商品を開発しているという。