【ガラスうつわレッスン】「IKEA・WECKでおなじみ、ガラスの保存容器がマルチに使える!」そうめんやビビンバに《敏腕フードスタイリスト直伝》

 フードスタイリストの久保百合子さんによる、うつわレッスン。今回は、ガラスのうつわを特集します。涼やかなガラスのうつわ、日常生活に取り込むコツをあれこれと教えていただきました。

◆Vol.17 お話を聞いた人 フードスタイリスト・久保百合子さん

フードスタイリストの久保百合子さん。

 『オレンジページ』や『きょうの料理』などの料理雑誌から、レシピ本などのスタイリングを手掛けて約30年のキャリアがある。シンプルかつ温かみのあるスタイリングにファンが多い。国内作家のものから外国のものまで、幅広くうつわを収集している。

夏の“ガラスうつわ”レッスン【ガラスの保存容器篇】

夏の“ガラスうつわ”レッスン【ガラスの保存容器篇】。

 ガラスのうつわって、やっぱり「繊細に扱わないと……」とか、「割れやすそう」といった心配が先立って、使いにくいかもしれません。実は、私もそうなんです(笑)。繊細な感じのガラスのうつわはきれいで素敵だけれど、日常で使うなら厚めでしっかりして、使いやすいものがいい。そこで推したいのが、ガラスの保存容器類です。IKEAなどでもおなじみの商品ですね。値段が手ごろで丈夫だけでなく、いろいろと用途も広くて、便利なんですよ。

こちらは「WECK」のもので、キッチン雑貨店などでもおなじみの製品。左は直径11センチ×5センチ、右は11センチ×7.5センチ。ふたは別売り。

 まずはそのまま保存容器として。ガラス容器は色うつりせず、においの強いものも気にせず入れられるのがいいですね。トマトソースやカレーの残り、キムチなどを入れるのにも重宝します。冷蔵庫に入れたとき、中身がパッとわかるから取り出しやすく、また何を入れたか忘れにくいのもありがたい。

タコスパーティにも活躍。

 保存容器としてストックしておき、そのまま食卓に出しても、ガラス製品だと見ばえがします。タコスパーティなど、私はそれぞれの仕込みをして冷蔵庫に入れておき、お客様がきたらそのまま出す……なんてことをよくやっています。

 耐熱ですからタコミートの温め直しも簡単。刻んだライム、紫玉ねぎ、パクチーなども同じシリーズの容器に入れると、統一感が出ますね。食材それぞれの色合いが透けて見えるのもいい。手巻き寿司の日にもおすすめです。

丸型の容器に夏の麺ものを入れるのもいい

直径8センチ×14センチのサイズの保存容器。冷製パスタやサラダうどん、ライスサラダなどを入れるのにも。

 透けてみえて涼感がある、という意味では夏の麺ものも似合います。すだちをのせた冷やかけを自分用のお昼にいただくときなど、丸型の容器はうつわ代わりに使えます。つゆだけ作って入れて、先に冷蔵庫でよく冷やしておき、食べたいときにそうめんをゆでて入れるだけ。

丈夫なガラス保存容器は、しっかり混ぜ和える料理を入れるのにもいい。下に敷いているのはアルミのプレート。具材の色合いがさらにきれいに映える。

 冷やかけを入れていたガラス容器、私はひとり分のビビンバを入れるのにもよく使っています。スプーンでがしがしと混ぜたいビビンバ、金属があたるのも気にせず使えて、どっしり安定感があるのもいい。シンプルなガラス容器だと映えて涼やかにもなるし、ビビンバならではの色とりどりな具のきれいさも目立ちます。

デリのサラダもガラス容器に移し替えるひと手間で食卓の表情は豊かに。

側面から見える料理の表情がまたごちそう。

 耐熱ですから、もちろんグラタンやラザニアに使うのも。シチューやミートソースの残りを入れて、チーズをかけてそのまま焼けば、翌日のごはんが簡単にできあがります。陶磁器とはまた違う見た目の面白さが生まれてくるでしょう。素朴な木製のプレートと合わせて出すと、グッとあたたかい雰囲気になるんですよ。

 耐熱のガラス保存容器、しっかりとした安定感が感じられて、私は妙に好きなのです。欠けにくいし、残ったらそのままふたなり、ラップなりして冷蔵庫に入れられる気軽さもいい。みなさんも自由に使ってみてくださいね。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。

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