充電式ケルヒャー欲しい! ペットボトルでも使えるコンパクト高圧洗浄機「ハンディエア」を試す

勢いよく水を飛ばし、汚れを落としてくれるのが高圧洗浄機。窓や網戸、ベランダの掃除はもちろんのこと、車や自転車などの丸洗いまで、様々なものに使える便利な道具です。
とくに強力な大型モデルの洗浄能力は圧巻。外壁やコンクリート床、石階段、屋外用の玄関マットなどにこびりついた泥・苔をみるみる除去していく動画は、見ているだけでも気持ちいいですよね。
しかし、庭付き一戸建てに住んでいるならともかく、集合住宅暮らしの車ナシ家庭としては、強力な高圧洗浄機が使えるような場所も機会もありません。オーバースペックもいいところです。では、高圧洗浄機が欲しくないかといえば、そんなことはありません。
それでも欲しい!日常で「洗いたいもの」は意外と多いです
例えばサンダル、キャンプ用品、釣り道具、家庭菜園で使う道具、自転車やカートの車輪など、洗いたいものはいくらでも思いつきます。もちろん、バケツに水を汲み、ブラシやタワシでゴシゴシ洗ってもいいのですが、高圧洗浄機を使う方が圧倒的に早いですし、なにより楽なのがいいですよね。
こういった用途で考えているなら、手軽に使えることが重要。そのため、強力な大型モデルより、そこそこの洗浄能力となる小型モデルが欲しくなってきます。
そんな、高圧洗浄機を日常的に使いたいと考えている人にピッタリなのが、ケルヒャーから発売される「OC Handy Compact」(通称:ハンディエア)です。

片手で持てるコンパクトサイズながら、最大許容圧力1.5MPaと最大吐出水量150L/hを誇ります
コードレス&給水もラク!すぐ使えるスターターセット
ハンディエアはリチウムイオン充電池を内蔵した充電式で、電源コードにジャマされることなく使えるのが強み。また、バケツなどから給水できる5mのホースが付属するだけでなく、手軽に使える2L用のペットボトルホルダーや、洗浄剤を吹き付けるためのノズルも付属し、手軽に使い始められるセットになっているのが特徴です。

ホースやノズルなど、必要なアイテムが付属。バケツとUSB充電器はないので、そこは注意です。本体の重さは780gで、作動時間は最大約30分。
実はこのハンディエア、応援購入サービスのMakuakeで販売されましたが、約20分で2500台が売り切れるという人気ぶり。さらに多くの人が欲しがっていることから、一般発売されることになりました。発売は2025年9月15日(順次)、価格1万4982円を予定しています。
そんなハンディエアを発売前にお借りすることができたので、詳しく紹介していきましょう。
用途によって4つのモードを使い分け
どんな製品なのかは、公式の紹介動画を見るとわかりやすいです。
気軽に持ち出せ、簡単に準備ができ、どこでも手軽に使えるというのが最大の魅力。さすがに威力は弱め、高温スチームはありませんが、緩急付けて叩きつける水流により、隙間に入った汚れも洗い流せるのは高圧洗浄機ならではでしょう。水道でビチャビチャ洗うより短時間、少ない水量でキレイになります。
使うまでの準備は、本体を取り出してノズルを取り付け、グリップを開き、給水用のホースを取り付けるだけ。あとはホースの端を水の入ったバケツなどに入れ、トリガーレバーを引けば水が噴き出します。

ノズルはマークを合わせ、押し込んでから回して装着します

グリップがトリガーレバーを隠し、誤操作を防止。開くと引けるようになります

ホースの取り付けは、ノズルのスグ手前。挿し込んで90度回します
ホースの替わりにペットボトルホルダーを使えば、2Lのペットボトルを装着可能。限られた範囲をスポット的に洗浄したい場合に役立ちます。

ペットボトルを使えば、ホースの長さによる範囲制限なし!
なお、給水口とホース、ペットボトルアダプターとの接続部はロックされず、結構簡単に回ってしまいます。そのため、本体だけを持ってクルクル動かしていると、接続部が回って外れてしまう可能性も。使用時はあまり振り回さず、ホースやペットボトルを支えながら使う方がいいでしょう。
ノズルのモードは4つあり、尖端を回すことで切り替えられます。それぞれの特徴は、水圧が低く散水や洗い流しに向いている「シャワー」、一点集中で強力に汚れを落とせる「ポイントジェット」、幅広の水流で広範囲の汚れ落としに最適な「標準」、標準より下向きに出るようにした「傾斜」となっています。

ノズル尖端のマークで、どのモードになっているのかわかります
手に当ててみるとわかるのですが、シャワー以外は水流に緩急があって、「ビチビチビチッ」っと水が叩きつけられます。とくにポイントジェットは約1メートル離れていても痛いほど強く、なるほど、これなら汚れがよく落ちるなと体でわかるほどでした。

水の軌跡を見るとわかる通り、水流は連続ではなく緩急の速射です
ただし、標準や傾斜の場合は痛いと感じるのは30センチくらいまで。離れると水流が弱くなるため、しつこい汚れを落としたい場合は、なるべく近くで噴射するといいでしょう。
これに対してシャワーは水流が弱く、手に当てても痛くありません。汚れを落とすというより、周囲への散水、すすぎ、キャンプや海水浴後のシャワー替わり、といった用途に向いてそうです。
もうひとつ、特殊なノズルとして洗浄剤ノズルが付属しています。これは中に洗浄剤を入れることで、広範囲に洗浄剤を散布できるもの。水だけでは落ちにくい汚れを落としたい場合、使用するといいでしょう。

洗浄剤を散布できるノズル。空のまま取り付けていますが、本来は洗浄剤を入れて使います
2Lのペットボトルで約1分使える!
小型なので威力に期待できないとはいえ、それはそれとして、どこまで洗えるのかは気になるところ。そこで、ベランダの掃除でどのくらいの実力があるのか、試してみることにしました。
用意したのは、8Lのバケツ。これに水を入れ、5mのホースをスグ横に置いて洗浄開始です。まずはノズルのモード違いを確かめようと、4つを切り替えてみました。
シャワーでは濡れるだけで、落ちた水と一緒に土埃が流れていく、といった感じ。これなら、水道直のホースで流す方が、水量があるぶん掃除になります。
これに対し、標準と傾斜は幅広く土埃を払ってくれるのが頼もしいところ。といっても、離れてしまうと勢いがなくなり、洗い残しが目立ってしまいます。実用的なのは1メートル以内、落ちにくい汚れなら30センチくらいまで近づいた方が、気持ちよく落とせます。
さらに、ポイントジェットに切り替えると、水の勢いがかなり強化されます。洗える範囲は狭くなりますが、そのぶん力強く汚れを剥がしてくれるため、標準では落とせなかった隙間の汚れもかき出せます。1メートルくらい離れた位置の汚れも落とせるので、手が届きにくい場所にも使えるのがいいですね。
なお、強さは「ブースト」と「エコ」の2種類があり、上の動画はどちらもブーストを使用した場合です。個人的には、常時ブーストで使うほうが気持ちよく掃除できそうだと感じましたが、これは給水に不安のない大きなバケツを使っているから。水が限られる2Lペットボトルでの使用であれば、少しでも水を節約できるエコの方が向いています。
2Lのペットボトルで、実際どのくらいの時間使えるのかが気になったので、4つのノズルモードで、ブースト/エコを切り替え持続時間を調べてみました。

水量が多いシャワーが最短、水量が抑えられるポイントジェットが最も長いという結果になりました。エコだとブーストの1.5倍くらい長く使えますから、水が限られる屋外では、エコをメインにするといいでしょう。といっても、もって1分半くらいですから、過信は禁物ですが。
公式が「帰るまえに、10秒ケルヒャー」と言っているように、2Lペットボトルの場合は、ザッと10秒程度洗うという使い方がよさそうです。
窓やベランダの掃除、屋外での汚れ落としに!
高圧洗浄機というと、何年も掃除してない場所にあるこびりついた汚れを落とす、という印象が強いですが、ハンディエアにはそこまでのパワーはありません。ベランダの掃除をするにしても、土埃を流したり、ちょっとこびりついた汚れを剥がすのがせいぜいです。
とはいえ、砂やホコリが主な網戸・窓の汚れであれば、ハンディエアで十分。洗浄剤も併用すれば、ブラシとバケツで洗いまわるより楽に、早く掃除し終わるのは間違いありません。
また、持ち出しやすいコンパクトサイズですから、遊びに行った先で、ある程度汚れを洗って帰れるというのが魅力。海なら海水が落とせますし、キャンプ場なら靴に着いた泥が落とせます。充電もUSB Type-Cの充電器があればいいので、モバイルバッテリーから充電して再度利用する、ということもできそうです。
大型の高圧洗浄機だと準備も片付けも面倒で、使用頻度がどうしても下がりがちです。しかしハンディエアであれば、スグに使えるようになるのが強み。高圧洗浄機を使うほどのことじゃないと考えていた用途にも活用できますから、思っている以上に掃除が便利になりそうです。例えば掃除以外の用途として、エアコン室外機の周囲に打ち水するのに使う、というのもありでしょう。
●お気に入りポイント●
・コンパクトなので準備も片付けも簡単
・ポイントジェットが結構強力
・充電がUSB Type-C!
この記事を書いた人──宮里圭介

PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。