妻「私に24時間育児しろってこと?」上司「育休とってヒマだったろ」家庭にも会社にも理解者は不在 父親として追い詰められた夫の結末【漫画】

これまで夫婦ふたりだけだった家庭に子供が誕生すると、多くの家庭ではこれまでと同様の生活を送ることはできなくなります。例えば昼夜問わず子供の世話に追われたり、子供の教育費について考えたり、あらゆる面で変化が問われるでしょう。このようにさまざまな対応に追われる際、母となる女性へのサポートは手厚いですが、男性目線で見るとどのように映るのでしょうか。

見逃されやすい夫の育児ノイローゼ(オニハハさん提供)

漫画家のオニハハさんがX(旧Twitter)に投稿した作品『父親が育休を取った結果。』では、子供の父親となる男性が、育児と周囲からの反応に追い詰められていく様子が描かれ、多くの議論を呼んでいます。

物語は妊娠中の妻が夫に「妊娠中だるくて仕事辞めた......子供一番だから仕方ないよね」と話すところから始まります。妻の言葉に、これからの生活費を考えると戸惑いを隠せない夫ですが、ローンについて相談しようとすると妻から「妻と子養えないなら甲斐性ないよ」と怒鳴られてしまいます。

夫は常に妻に責められてしまうのだった(オニハハさん提供)

その後も、陣痛に苦しむ妻を励ますと「人ごと?!いいねアンタは産めなくて」と嫌味を言われたり、夫が生まれた子供の入浴に戸惑っていると「ちょっと、子が風邪ひいちゃう」と怒ったり、ことあるごとに妻は夫を攻め続けます。夫は次第にやつれ、常に疲弊した様子になっていきました。

育休期間が終了して夫が会社に行くと、上司は「家にいてもヒマだろ。制度に甘えてゆっくりできたか?」と嫌味を言います。育児のために時短勤務を願い出た夫を「はあ?!何言ってんだ女じゃあるまいし」と怒ります。家の外でも夫を理解する人はいません。そして仕事が終わって帰宅した夫に、妻は「昼間育児しているから夜ヨロシク 二人で育児しないとね」と、夜の育児も当然のように求めます。困惑する夫に妻は「私に24時間育児しろって言うの!?」と憤るのでした。

育休や時短勤務への理解がない職場(オニハハさん提供)

仕事が終わったら育児が始まる(オニハハさん提供)

責められ続けた夫は、精神的にも体力的にも限界を迎えました。夫は妻に「なぁ…僕眠れなくて、いい加減少しは…」と助けを求めるも、妻は「ヤバっ!モラハラ!?」と、ここでも夫を責めるばかり。ついには「仕事行きたくない…でも僕が働かないと子供が…」「家に帰りたくない…でも僕が帰らないと子供が…」とつぶやきながら、自らを追い込んでいきます。

そんなある夜、夫はいつものように子供を寝かしつけました。しかし子供が寝ているそばの窓が少し開いています。そして夫の姿は部屋にはいません。直接的には描かれていないものの、最悪の結末をうかがわせるシーンで物語は終わるのでした。

妻に助けを求めても無情な言葉が降り注ぐ(オニハハさん提供)

会社からも家族からも責められた夫はついに…(オニハハさん提供)

同作の読者からは「女への支援は多いが男への支援は少ない」「男側は共感されにくく、味方がいない」「妻じゃなくて職場に恵まれていないだけ」など、さまざまな声があがっています。そこで同作について作者のオニハハさんに話を聞きました。

この夫婦が救われるにはどうしたら良かったのか…

ーこの作品を描くきっかけを教えてください。

夫婦生活や育児の漫画で、女性側が追い詰められていくパターンが多いと感じていて、あえて立場を逆にした視点で描いてみました。女性視点のエピソードが多いのは、現実として女性が追い詰められるほうが圧倒的に多いので、共感を得やすく、需要が高い傾向があるからだと思います。

ーコメント欄で印象に残った言葉はありましたか。

私自身、この漫画の夫婦が救われるにはどうしたら良かったのか、答えが見つけられていませんでした。だからこそ、皆さんの様々な視点からのコメントはとても参考になりましたし、学びも多かったです。

特に共感を得ていたコメントは、男性の育休を取りにくい職場の問題と、核家族化している問題です。どちらもが、一人で子育てを抱え込まざる得ない状況を生み出しているのだと感じました。

ー男性目線の育児の話は珍しいかと思います。描かれる際に参考にしたものはありますか。

描くときは、SNSでよく見る女性や男性のつぶやきを思い出しながら描きました。女性側のつぶやきは、自分でも心当たりがあるものも多かったので、後悔もありました。でも、それがあったからこそ夫と本音でぶつかり合えた部分もあると思います。だから「絶対に言ってはいけない」と言うわけではなく、お互いの関係にあった塩梅だと感じています。…難しいですよね。

ー読者へのメッセージを。

元々他人同士の夫婦が、初めての育児で余裕がなくなって、近くにいる人に優しくできないこともあると思います。

我慢しないで、辛いときは辛いって言って、喧嘩になったって無理に笑顔を作らないで、素直な気持ちをぶつけ合えたら…お互いの気持ちをちゃんと知るきっかけになれると思います。この作品が、その一歩を踏み出すきっかけになれたらうれしいです。

<オニハハさん関連情報>

▽X(旧Twitter)

https://x.com/onihaha007

▽Instagram

https://www.instagram.com/onihaha3/

▽HP

https://lit.link/onihaha3

▽note

https://note.com/onihaha3

【漫画】『父親が育休を取った結果。』1(オニハハさん提供)

【漫画】『父親が育休を取った結果。』2(オニハハさん提供)

【漫画】『父親が育休を取った結果。』3(オニハハさん提供)

【漫画】『父親が育休を取った結果。』4(オニハハさん提供)

【漫画】『父親が育休を取った結果。』5(オニハハさん提供)

【漫画】『父親が育休を取った結果。』6(オニハハさん提供)

(海川 まこと/漫画収集家)