暴力団の家を飛び出したお嬢様…逃避行で多くの人に救われる話に「これからも幸せでいて」【漫画】

『1いいねで1円もらえるお嬢様』14話より

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は『1いいねで1円もらえるお嬢様』の14話を紹介する。『奴隷を調教してハーレム作る』(KADOKAWA刊)の作者として知られるアルデヒドさんが、8月1日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、8000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、アルデヒドさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

飛び出したお嬢様が出会い、得たもの

『1いいねで1円もらえるお嬢様』14話より

暴力団の娘として生まれ組の名を背負わされたお嬢様は、それ故のしがらみや暴力団という存在に嫌気がさしていた。その後家を飛び出し、自暴自棄になって配信を始めたお嬢様。多くの人から支援を受けて救われながら生きていくことに。

さらに逃げた先で出会い、面倒を見てくれたお爺さんはお嬢様の家よりもさらに力を持つ”羽柴組”の人だった。お爺さんのおかけで彼女の逃避行は一件落着となる。そうしてさまざまな人に救われたお嬢様はあることを決意して…。

このお嬢様の物語を読んだ人たちからは、「こうやって思えるようになったことが嬉しすぎる」「これからも幸せでいて」「やっぱり笑顔が1番」「うるっときてしまった」など、多くのコメントが寄せられている。

5年を経て新たに描かれた物語

『1いいねで1円もらえるお嬢様』14話より

――本作を創作したきっかけや発想のもととなったものがあればお教えください。

5年前に読者のいいねで展開が変わる漫画の企画が流行った事があって、その火付け役となった「1いいね1円で晩ごはんを食べる腹ペコ女子 」という企画が発想のきっかけになります。→(参照)

私もこの企画の流行りに乗っかってなにげなく「1いいねで1円もらえるお嬢様」を投稿したところ、バズったので続けた…という感じです。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ①

ただ、当時は勢いだけで描いていたのでテーマを扱いきれずに頓挫してしまいました。

▼当時の2話目

それから5年が経過し、最近になってまた1話を再掲したところバズったので、今度は完結まで続けよう…となり、構成を作り変えていきました。

――本作では、人々に救われたお嬢様が今度は自分が誰かのために…と前を向く姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

読者がお嬢様を「いいね」を通じて助けるという参加型企画なので、「スマホで何気なく漫画を見ている読者に対して配信で語りかけてくるお嬢様」という読者視点を意識しました。漫画というよりはライブ感に振った感じです。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ②

ただ、それだけではお嬢様の暮らしが安定してしまった場合、物語として面白みに欠けると思ったので、サスペンス要素を足して興味を引き付けるエッセンスを散りばめていきました。徐々に明らかになっていくお嬢様に起こった出来事が見どころかもしれません。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ③

――本作を創作するなかで、印象に残っているエピソードがございましたら、理由と共にお教えください。

物語の後半で駄菓子屋に行き着いたお嬢様が、店主の老夫婦にいろいろ助けてもらう事になる展開ですね。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ④

最初は老夫婦は一般人想定だったのですが、読者の反応で「この夫婦は何かある」と言われまくった事で、展開を変えていきました。結果としていいエピソードに仕上がったのが印象的でした。連載は生き物ですね。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑤

――普段創作する際、作品のストーリーやキャラクターのデザインなど、作品に欠かせない“顔”となる要素はどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

キャラデザ、表情、掴みの3点でしょうか。イラストレーターをしていた事もあってキャラデザには特に気を遣います(お嬢様漫画は突発で描きすぎてデザインは薄味ですが…)。足していくようなデザインになるので、作画が大変ですが。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑥

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑦

表情もデフォルメに頼らず、豊かになるよう心がけています。仕事上かわいい女の子が求められる事が多いですが、色々な感情を伝えられるよう工夫しています。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑧

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑨

ストーリーで気をつけているところは掴みです。X上で漫画を投稿する事が多いので、とにかく流れないように1ページだけでも読んでもらえるような掴みは絶対的に意識しています。

アルデヒドさんインタビュー参照ページ⑩

――今後の展望や目標をお教えください。

現在連載中の作品をより面白くする事が第一です。また、より多くの方に読んで頂ける施策を編集部と協力して打ち出していったり、別作品でヒット作を生み出していきたいです!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

このインタビューをきっかけに私の事を知って頂けた方は、1ページだけでも作品を読んで頂けると嬉しいです!Xでも気軽に漫画を出していますので、今後ともウォッチして頂けると励みになります。