「昔は"青春を売る仕事"と思ってたけど」大胆告白

青春を預かる者として本気に, メールも動画制作も「すべて自分で」, 10代から20代で「自分の理想像」も変化, アイドルは「人生をかけた長編作品」

約6年8ヶ月ぶりにアイドル界への復帰を遂げたぁぃぁぃさん( 撮影:ポテヤマムラ、提供:EverBlue)

現在、アイドルグループ・Maison de Queenのリーダーとして活躍するぁぃぁぃさん(26)。かつて、同じアイドル界の私立恵比寿中学にも在籍していたが、グループ卒業後にあったフリーランスのインフルエンサー活動を経て、再び「ライブアイドル」の道を選んだ。
いわば、アイドル“2周目”の人生をなぜ選んだのか。

アイドルは「人生とリンクする長編作品のような感覚」だと述べるぁぃぁぃさんに、現在の心中を聞いた。

【この記事の前半】

→「"特殊な職業"アイドルを通算14年」「一度は卒業、決めたけど…」それでも辞めない理由 “ぁぃぁぃさん”復帰の裏側

青春を預かる者として本気に

いまは、アイドル“2周目”をひた走るぁぃぁぃさん。

【写真を見る】「"特殊な職業"アイドルを通算14年」「昔は"青春を売る仕事"と思っていたけど…」アイドル“2周目”の人生を選んだ話題の"ぁぃぁぃさん"、その素顔

大手芸能事務所・スターダストプロモーション所属の私立恵比寿中学(以下、エビ中)を転校(エビ中における卒業)したのは、2018年1月。そこから6年8ヶ月、2024年9月にMaison de Queenの一員としてアイドル復帰を果たした。

「昔は『青春を売る』のが仕事だと思っていたんです。でも、いまは違って『ファンのみなさんが青春を預けてくれている』と、考えが変わりました。夜勤明けでライブに来てくれたり、命を削って応援してくださる人たちに囲まれていて。だから、私も本気でぶつからないといけないし、こんな幸せな活動はありません」

アイドル“2周目”のいま、ステージでの価値観も変化。アニメや漫画の「第2章を描いている感覚」とつぶやく。

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古巣のエビ中を離れてからは、フリーランスのインフルエンサーとして活動していた。

「11歳、小6から約8年もエビ中で活動して、うまくいったときは『アイドルだから』と言われて、失敗しても『アイドルだから仕方ない』と言われる環境へのコンプレックスもあったんです。いまとなってはいい経験だと思えるんですけど、女優さんと並んだときに自分だけグループ名を名乗る必要があったり、エビ中を頼って『いい仕事をいただけている』という引け目もありました」

メールも動画制作も「すべて自分で」

エビ中転校後の2018年4月には、所属事務所のスターダストプロモーションも退所。その後、個人のTwitter(現・X)アカウントやYouTubeチャンネルを開設して、活動の礎をみずから作った。

「自分の『好き』を認めてくれる人たちをまず集めようと思いました。エビ中時代、セルフプロデュースのソロライブで自分の『好き』を詰め込んだセットリストを組んだら、賛否両論が起こったこともあったんです。でもそれは、ファミリー(エビ中ファンの愛称)のみなさんとのズレがあったんだろうと思って、心機一転するからには、感性を認めてくれる人たちとの輪を広げたいと思いました」

青春を預かる者として本気に, メールも動画制作も「すべて自分で」, 10代から20代で「自分の理想像」も変化, アイドルは「人生をかけた長編作品」

フリーランスとなってから愛称の「ぁぃぁぃ」が自身の活動名に(撮影:今井康一)

2018年9月には、YouTuberマネジメント事務所・UUUMへの所属を発表。2023年まで、同事務所の「動画クリエイター」としても活動した。

「はじめてのちゃんとした社会人経験でした。メールを打って、Slackでやりとりをして、Final Cut Proで動画を編集して……と、すべて自分でやっていたんです。エビ中時代、忙しかったので同世代の流行を知る手かがりとしてYouTubeをよく見ていたし『動画制作の裏側を知りたい』と思ったのが、所属するきっかけになって。活躍するほかの動画クリエイターさんたちにも、刺激をもらいました」

2025年1月リリースの配信シングル『TokyoBaby』で、ぁぃぁぃとしてソロデビュー。楽曲のプロデューサーから「新グループを作る」と聞いたのが、アイドル“2周目”への糸口になった。

10代から20代で「自分の理想像」も変化

現在所属するMaison de Queenがデビューしたのは、2024年9月。

グループのコンセプトは「それぞれの人生を歩んできたQueen達が革命を起こしていく物語。」だ。ぁぃぁぃさんは、6人「+1」の立場で加入した。

青春を預かる者として本気に, メールも動画制作も「すべて自分で」, 10代から20代で「自分の理想像」も変化, アイドルは「人生をかけた長編作品」

自身2度目のアイドル人生を選んだグループではリーダーに(撮影:今井康一)

「最初はどこか、他人事だったんです。正式加入するつもりはなくて、自分は『+1』として、変化球的にかかわる程度かなと思っていました。でも、レッスンへ参加しているうちに、Maison de Queenとして踊るのが楽しくなってきて、いまでは『カッコいい』と胸を張っていえる、グループの空気感に惹かれていきました」

加入の決め手となったのは、グループの「楽曲」だったとも。そして、経験者として俯瞰していたアイドル界の変化も、決断の後押しになった。

「Maison de Queenの楽曲は、デモ音源からロックスター系のサウンドな印象を受けて『自分で歌ってみたい』と直感しました。10代で考えていたアイドルの理想像は、エビ中でやりきったんです。ここ数年、K-POPも含めていろいろなアイドルの楽曲にもふれてきて、20代の自分が思う理想像がMaison de Queenにはあったし『ほかにやる人がいないなら、自分がやるしかない』と熱くなりました」

アイドルとして、通算14年。エビ中の転校後には「アイドル」を名乗らない時期も。アイドル界では前歴を「前世」というが、ぁぃぁぃさんは「前世を利用してはいけない」とすら思っていた。

しかし、いまでは「得意なことを前面に出すほうがいい」と前向きに生きる。

青春を預かる者として本気に, メールも動画制作も「すべて自分で」, 10代から20代で「自分の理想像」も変化, アイドルは「人生をかけた長編作品」

「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」でも昔と変わらぬ “ぁぃぁぃ”がいた(撮影:ポテヤマムラ、提供:EverBlue)

アイドルは「人生をかけた長編作品」

立ち上げからかかわるMaison de Queenでは、グループへのアイデアも出す。エビ中時代の経験も糧に「アイドルを理解できている」と、痛感してやまないという。

「デビューから毎日、グループのことしか考えていないほど夢中になっています。アイドルの作り方は知らなくても、活動で何が必要かをわかっているつもりだし、グループの『力になれているかも』と思えるのがうれしいです」

アイドル復帰には、かつてのイメージを強く持っているファンから反発の声もありそうだが、叩かれることはなく「もしあっても、知らないフリができれば」と明るい。

「たぶん『廣田あいか』としての理想をまだ、持っている人もいるとは思うんです。でも、いまのグループではじめて推してくださる方もいますし、昔から見守ってくださっている方には『昔は昔、今は今』でいてほしいなって。一時期あった、アイドルである自分への抵抗もなくなり、いまは『アイドルであるのがカッコいい』と再定義できました」

アイドルは仕事というより「人生とリンクする長編作品のような感覚」だと表現するぁぃぁぃさん。そこにあるのは、ステージに立つ人間の「リアル」であり、だからこそ「誰かの心」を揺り動かせるのだろう。

ライブアイドルとしての誇りを胸に、ステージで今日も力強い歌声を届けている。

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