夫婦2人、ものを減らしたら「節約が習慣化」。消費以外の楽しみで人生が豊かに

ものを減らしたことで、お金の使い方が大きく変化した事例を紹介します。「節約を意識していたわけではありませんが、捨て活後、買い物の機会は自然と減ったことをしみじみと実感しています」と話すのは、築35年の賃貸マンションで夫婦ふたりで暮らす深尾双葉さん(41歳)。ネットショッピングが趣味だったのに、今では消費以外の楽しみを見つけられるようになったそう。物価高騰のニュースにも動じなくなったという深尾さんに、節約に繋がったものの持ち方と気持ちの変化をレポートしてくれました。

生鮮食品は基本的に定番を決めて買う, たとえ1種類であっても定番外の食材は早めに使いきる, 手放したことで本当の「好き」がわかり、ムダな買い物が減る, お金を使わない楽しみ方が見つけられるようになった, お金をかける場所、かけない場所のメリハリがつきやすくなる

調味料の種類を減らした結果、冷蔵庫の中身が一目で把握できるように

【写真】厳選した一粒パールのピアス

生鮮食品は基本的に定番を決めて買う

生鮮食品は基本的に定番を決めて買う, たとえ1種類であっても定番外の食材は早めに使いきる, 手放したことで本当の「好き」がわかり、ムダな買い物が減る, お金を使わない楽しみ方が見つけられるようになった, お金をかける場所、かけない場所のメリハリがつきやすくなる

定番の食材で新たなレシピを調べたり、考える時間がとても楽しい

週に1、2回の頻度で購入する生鮮食品は、定番の商品を選びます。魚は青い小魚や紅鮭、肉は鶏胸肉や豚バラ、野菜は小松菜、ホウレンソウ、ネギ、シメジ、エノキ…など、どこのスーパーでも手に入れられるものです。プラスして2点ほど季節の食材を買うこともありますが、基本は年間通してほとんど変わりません。

以前は遠出をして珍しい食材を買うことも頻繁にありましたが、価格が高かったり、使いきれずに廃棄してしまうことがあり、出費とフードロスに頭を悩ませていました。

捨て活により冷蔵庫の見直しを行ったことで、購入する食材の種類を減らし、2人暮らしで食べ切れる量を把握、買いすぎないことも習慣化され、結果として節約につなげることができました。

たとえ1種類であっても定番外の食材は早めに使いきる

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定番外の粉物を開けるのは1種類までと決めています

生鮮食品以外の調味料やそのほかの食材に関しては、定番外の気になった食材を買うことに制限は設けていません。ただし、1つ開封したら早めに使いきることを心がけています。

たとえば粉類でしたら、薄力粉、片栗粉、上新粉などがわが家の定番です。使い始めたばかりのはとむぎ粉は自分にとっての定番ではなく、そのまま奥にしまい込まれてしまう可能性があるため、率先して消費していきます。

お菓子づくりに夢中になっていた頃は、1度使ったきりで賞味期限が過ぎたものを、ストック箱の中に多数所有していました。自分が無理なく管理できる量は案外少ないということを自覚し、たとえ1種類でも早々に使いきるという心がけをしていくと、ムダな出費は限りなくゼロに近づけられると思います。

手放したことで本当の「好き」がわかり、ムダな買い物が減る

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ものを手放し少数精鋭にしたことで、自分にとっての本当の「好き」を知ることができ、ムダな買い物が一気に減りました。とても好き、少し好き、あまり好きではない…など感情の動くものと動かないものが家の中に混在した状態にあると、すでにすべてが手元にあるにもかかわらず、より自分を満たしてくれそうなものを求め際限なく出費を重ねていきます。

目に入るものを「本当の好き」だけに整えたことで、常に満足感が得られます。その結果、月の出費は半分以下まで減らすことができました。

お金を使わない楽しみ方が見つけられるようになった

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大切な道具を手入れすることが、買い物よりも心満たされる時間になった

以前の私にとって娯楽といえば、オンラインの買い物がメインでした。すてきなものを探して、ネットの海をひたすらにさまよい、気がつけばまったく必要のないものをあれこれと注文してしまった…という経験もしばしば。ネットサーフィンの時間がすっぽりとなくなったことで、今は家事や読書、手を動かしてなにかをつくったり直したりと、お金を使わない楽しみ方がすすんで見つけられるようになりました。

長い人生のなかで、初めてふき掃除が楽しく感じられるようになったのは、ものが減って掃除がしやすくなったからなのかもしれません。

本も少数にしたことで、心から興味のある1冊を集中して読むことができ、目の前にある大切なものを手入れして慈しむという趣味も、新たに1つ加わりました。

お金をかける場所、かけない場所のメリハリがつきやすくなる

生鮮食品は基本的に定番を決めて買う, たとえ1種類であっても定番外の食材は早めに使いきる, 手放したことで本当の「好き」がわかり、ムダな買い物が減る, お金を使わない楽しみ方が見つけられるようになった, お金をかける場所、かけない場所のメリハリがつきやすくなる

いちばん大切な、家の中心にある食器類。洋服よりもお金をかけてよい場所です

ものを減らすと家の中でどの部分を大切に思っているかが可視化されるので、今後のお金の使い方にメリハリが出ます。

私の場合は満遍なくものが多く、なににお金をかけたくてどの分野を節約したいのかがまったくわからない状態でした。

すべてが整った今は、台所道具と家電は増やす必要がない部分、洋服とメイク用品は節約できる部分、食器は増やす必要がないけれどよい出合いがあればお金をかけてもよい場所、今後の仕事に生かせる知識は投資を惜しまない、などと明確な決めごとができたため、毎月の細々としたムダな出費や失敗がなくなりました。

まずは捨て活で不要なものを取り除き、残したものから自分にとっての優先順位を見つけるところからスタートしてみるとよいと思います。