猫がうつ伏せで『ごめん寝』する理由3選 一見苦しそうなこの寝姿、その意味とは?
猫がうつ伏せで『ごめん寝』する理由3選 一見苦しそうなこの寝姿、その意味とは?
1.まぶしくてたまんない…
「ごめん寝」とは、猫用語のひとつで、うつむいた猫が両前脚で顔を覆いながら眠る寝姿のことです。あたかもヒトが土下座しているように見えるので、人知れずこんな風変わりな名称がつけられました。
似たような言葉では、「申し訳ございません寝」や「面目ない寝」「もう誰にも顔向けできない寝」などもありますが、一般的には「ごめん寝」が広く使われています。
猫が「ごめん寝」する理由として最も有力なのが、「まぶしいから…」説です。
猫は薄明薄暮性の動物で、獲物を狩る必要性から、人間よりも暗視能力がはるかに優れています。多少の暗がりでも問題なく見えるのは、猫の網膜の後ろに「タペタム」という器官があるからです。タペタムは、光を増幅させる反射板のような役割を果たしています。
人間にはないタペタムがあることで、猫はちょっとした光でもまぶしく感じてしまいます。
みなさんの愛猫が日中、「ごめん寝」するのは、もしかすると窓越しの光がまぶしいせいかもしれません。そんなときは、「気づいてあげられなくて、かたじけないね…」とひと言謝って、愛猫の安眠のために、遮光カーテンをサーッと閉めてあげてください。
2.ちょっとうるさくて…
次に紹介したいのは、「うるさいから…」説です。
飼い主さんの足音で帰宅を素早く察知したり、フードの開封音だけで駆け寄ってきたり、猫は非常に耳の良い動物です。猫の聴覚は、人間の約4倍以上もあると言われています。
猫の鋭い聴覚は、獲物を捕まえる際には強力な武器ですが、一方、入眠時には、わずらわしい音も拾ってしまうため、かえって睡眠の邪魔になってしまいます。
そこで猫は安眠対策の一環として、「ごめん寝」ポーズを使います。この姿勢になると、猫の耳がまるでフタをするかのように下向きになって、眠りの妨げになる音をいくらかは抑えられる、と考えられています。
ただ、猫にはいまだに野生本能が残っているので、「ごめん寝」になっても、ある程度はまわりの音も感知しています。まったく聞こえないと、身近に迫った危機に対応できません。睡眠中、飼い主さんの呼びかけに愛猫がしっぽを少し動かすのも、そのためです。
3.そのまま寝ちゃって…
まぶしくもなく、うるさいわけでもないのに、愛猫が「ごめん寝」で眠っていたら、うつむいたまま、単に寝落ちした可能性があります。
よくあるパターンは、前脚を身体の下に隠す「香箱座り」、エジプトの象徴にちなんだ「スフィンクス座り」のときです。うつらうつらしているうちに、睡魔がどっと押し寄せてきて、そのままどっぷり眠りの世界に沈みます。
一見苦しそうな姿勢ですが、猫の身体は「液体」のように柔らかいので、「ごめん寝状態」でも平気で眠っていられます。見た目にもかわいらしく、ずっと眺めていても飽きないシーンです。
たとえば、これが人間の世界だったら、ビジネス相手への謝罪中に急に寝落ちすると、まず間違いなく「不届き千万なやつだ寝!」と激怒されてしまいます。
猫の世界では愛嬌で済まされても、人間社会では無礼に当たる例は珍しくありません。
ところ構わず寝落ちしてしまう飼い主さんは、取引先との関係悪化、メンタル面のショックによる愛猫への悪影響を避けるためにも、日頃から十分な睡眠時間を確保しておきましょう。
まとめ
眠りのプロだけに、猫はいろいろな寝姿を持っています。今回は、ユニークさで際立つ「ごめん寝」の背景にある3つの要因について解説しました。
紹介した3つのうち、最も可能性が高いのは「まぶしいから」という理由です。もし日差しなどでまぶしさを感じているようであれば、カーテンを閉めたり、部屋の照明を落としたりして、愛猫の寝やすい環境を作ってあげることも大切です。
睡眠は健康のバロメーターであり、猫だけでなく、飼い主さんにとっても重要です。睡眠不足続きで仕事のミスが重なり、まわりへの「ごめんね…」が口癖になってしまわないように、毎日、たっぷりと眠るように心がけてみてください。
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