やわらかい風味でどんな料理にも合う「米酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

撮影・津留崎徹花 スタイリング・駒井京子 構成&文・板倉みきこ

夏に欲する酸味には、体を整える効能が満載。料理家で養生デザイナーの井澤由美子さんに、食養生の観点からひもとく、すっぱくて美味しいレシピを考案してもらいました。

みょうがの紅寿司

やわらかい風味でどんな料理にも合う「米酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

季節の食材を取り入れるのも食養生の基本。「みょうが、桜海老など赤い色の食材は、夏に最適。酢と赤色の食材を組み合わせると、血流が促進され、健康効果が上がります。梅干しの疲労回復、整腸作用も期待できる一品です」(井澤さん)

【材料(2人分)】

みょうが…5個

ご飯…茶碗2杯分

A[米酢…50ml

砂糖…大さじ1弱

塩…小さじ1/2

ごま、ゆかり、カリカリ梅、桜海老、青柚子…各好みの量

【作り方】

1. みょうがは縦半分に切り、熱湯で20秒ほどさっと茹で、熱いうちに断面を上にして、Aの甘酢に漬ける。

2. 温かいご飯に、みょうがを漬けた甘酢大さじ3強を混ぜる。ごま、桜海老、ゆかり、細かく刻んだ梅を加え混ぜ、10等分に握る。みょうがの水気をふいてのせる。削った青柚子を形を整えてのせ、器に盛る。

玉ねぎたっぷり生姜焼き

豚肉は、ストレス対策や疲労回復効果を期待できる、ビタミンB群が豊富な食材。血液をサラサラにする、アリシンを含んだ玉ねぎもふんだんに使う。「お酢に漬け込んでおくことでお肉が柔らかくなり、酸味でさっぱりといただけます」(井澤さん)

【材料(2人分)】

豚肩ロース薄切り…6枚

玉ねぎ…1個

いんげん…5本

A[米酢…大さじ1

醤油…小さじ2

B[米酢、醤油、みりん…各大さじ2と1/2

砂糖…小さじ1

おろし生姜…小さじ2

唐辛子…1本

片栗粉…少々

ごま油…大さじ2

白ごま…適量

【作り方】

1. 豚肉はAになじませておく。いんげんは3等分に切り、玉ねぎは1/6個分をおろして、Bと合わせておく。残りの玉ねぎは食感が残る程度の大きさに食べやすく切る。

2. フライパンに、ごま油大さじ1をなじませ、いんげんと玉ねぎをさっと炒めて器に盛る。フライパンに残りの油を足して、片栗粉をまぶした1の豚肉を焼き、表面に焦げ目がついたら返し、合わせたBを肉にからませる。

3. 肉に火が通ったら、炒めた野菜の上にのせる。フライパンに残ったソースを軽く煮つめて回しかけ、ごまをふる。

薬膳に精通する、料理家で養生デザイナーの井澤由美子さん。食で体を労る、整えるという“食養生”の観点から、今回は夏疲れを解消する、酢を使ったレシピを考案してもらった。

「胃腸の働きが弱まりやすい夏。酢の主成分の酢酸には、唾液や胃酸の分泌を促して消化をスムーズにし、免疫力の維持や強化に役立つ働きがあります。また、酢には血流を改善したり、疲労回復効果なども期待できます」

酢の効果に加え、旬の食材を組み合わせれば滋養強壮が叶うレシピが完成。米酢、黒酢、果実酢など風味の異なる酢を使い分け、夏を乗り切ろう。

井澤由美子さん(いざわ・ゆみこ)

料理家、養生デザイナー

国際中医薬膳師、国際中医師。「東京食薬LABO」主宰。発酵食や薬膳、郷土食に精通し、食養生の観点を取り入れたレシピを開発。

『クロワッサン』1147号より