18年一緒に過ごした愛猫を亡くした飼い主。悲しくても「人生は幸せ」と言える理由/木暮姉弟のとむらい喫茶(11)

18年一緒に過ごした愛猫を亡くした飼い主。悲しくても「人生は幸せ」と言える理由

「病気で亡くなった夫の死を受け入れられない」「妻が亡くなって一人で家にいるのが寂しい」。そんな大切な誰かを喪った人を引き寄せる不思議な喫茶店「こかげ」。社交的なキッチン担当・千景の優しさあふれる料理と、喪失感を抱えたお客さんの気持ちをくみとるテルの接客で、不思議と心が癒やされて明日を生きる活力がわいてくる…。

もう会うことのできない相手に対する悲しみや後悔など、訪れる客のあらゆる想いを千景とテルが「弔いごはん」で晴らしていく『木暮姉弟のとむらい喫茶』を11回連載でお送りします。今回は第11回です。

※本記事はうおやま著の書籍『木暮姉弟のとむらい喫茶』から一部抜粋・編集しました。

私にはまだできることがある

でもまだ生きてる

わかりました、しっかり看取ります

あのガーリックチキンがハナと向き合う最後のパワーをくれたのだ

お姉ちゃん、このままじゃ孤独死だって!

あなたの人生は心から愛した者がいた人生でしたか

だから私の人生は幸せなんだと思うよ

たったひとりの妹じゃん!

人でも猫でも愛した者がひとりでもいたら人生は幸せなのかもね

答える必要はないですね

著=うおやま/『木暮姉弟のとむらい喫茶』