濃厚な風味が魅力&アンチエイジング効果も期待できる「黒酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

撮影・津留崎徹花 スタイリング・駒井京子 構成&文・板倉みきこ

夏に欲する酸味には、体を整える効能が満載。料理家で養生デザイナーの井澤由美子さんに、食養生の観点からひもとく、すっぱくて美味しいレシピを考案してもらいました。

黒酢ジャージャー麺

濃厚な風味が魅力&アンチエイジング効果も期待できる「黒酢」を使った、夏疲れ解消レシピ

黒酢の風味が生きる濃厚な肉味噌餡。粗みじんにした肩ロース肉は食べ応え充分。ミネラルなど栄養価が高く、疲労回復効果があるうずらの卵で、肉に加えてたんぱく質を補給。下半身のむくみ対策になるくるみで、コクと甘さも加わる。

【材料(2人分)】

豚肩ロース…100g

玉ねぎ…1/2個

中華麺…2玉

きゅうり…1/3本(ピーラーで薄切り)

うずらのゆで卵…8個

A[黒酢、醤油、砂糖、甜麺醤…各大さじ2

片栗粉…小さじ1

胡椒…少々

生姜、にんにく…各1かけ

ごま油…大さじ1と2/3

くるみ…適量

【作り方】

1. 玉ねぎ、生姜、にんにく、豚肉は粗みじん切りにする。

2. フライパンにごま油大さじ1をなじませ、肉を入れ中火にかけて炒め、色が変わったら、うずらのゆで卵、にんにく、生姜、玉ねぎを加えてさらに炒める。Aを加えて全体を炒め合わせ、火を止めて残りの油をなじませる。

3. ゆでた麺を皿に盛り、2をかける。きゅうりとくるみをトッピングする。

トマトと卵の黒酢炒め

トマトは抗酸化力が強いリコピン、利尿作用があるカリウムも豊富なのでむくみ予防にもいい。油で炒めるとリコピンの吸収率も上がる。卵だけでなく、食感と香りがアクセントになるセロリも加えて。

【材料(2人分)】

トマト…2個

卵…3個

セロリ…5cm

砂糖、塩…各2つまみ

A[黒酢、酒、水…各大さじ1

鶏ガラスープの素、片栗粉、砂糖…各小さじ1

塩、おろしにんにく…各少々

B[マヨネーズ…大さじ1

胡椒…少々

ごま油…大さじ2

【作り方】

1. トマトは乱切りにし、砂糖、塩をなじませる。セロリは斜め薄切りに。Aは混ぜておく。卵にBを加え混ぜる。

2. フライパンを中火にかけてよく熱し、ごま油大さじ1をなじませる。1の卵液を一気に加え、膨らんできたら大きく混ぜて一度取り出す。

3. 2のフライパンに残りの油をなじませ、1のトマトとセロリをざっと炒め、Aを加える。2の卵を戻し入れ、水分を吸わせるように炒めたら、器に盛る。

山芋とホタテの養生蒸し黒酢あんかけ

冷えた胃腸が喜ぶ蒸し物は、優しい食感で食欲減退時にも食べやすい。滋養強壮によい山芋は、腎機能を高め、アンチエイジングにも有効とされる。葛はイソフラボンを含むので、女性にうれしい素材。

【材料(2人分)】

山芋のすりおろし…1カップ(400g)

ホタテ缶…小1缶65g

卵…2個

A[出汁…100ml

黒酢、醤油、みりん…各小さじ2

水溶き葛粉葛粉…大さじ1

水…大さじ3

【作り方】

1. 山芋、卵、ほぐしたホタテ(缶汁ごと)をよく混ぜ合わせる。2つの耐熱容器に等分に入れ、蒸し器で8分ほど蒸す。

2. Aを小鍋に入れて煮立て、水溶き葛粉を混ぜながら加えてとろみをつけ、1にそれぞれかける。薬膳酢に漬けたクコの実を飾ってもいい。

薬膳に精通する、料理家で養生デザイナーの井澤由美子さん。食で体を労る、整えるという“食養生”の観点から、今回は夏疲れを解消する、酢を使ったレシピを考案してもらった。

「胃腸の働きが弱まりやすい夏。酢の主成分の酢酸には、唾液や胃酸の分泌を促して消化をスムーズにし、免疫力の維持や強化に役立つ働きがあります。また、酢には血流を改善したり、疲労回復効果なども期待できます」

酢の効果に加え、旬の食材を組み合わせれば滋養強壮が叶うレシピが完成。米酢、黒酢、果実酢など風味の異なる酢を使い分け、夏を乗り切ろう。

井澤由美子さん(いざわ・ゆみこ)

料理家、養生デザイナー

国際中医薬膳師、国際中医師。「東京食薬LABO」主宰。発酵食や薬膳、郷土食に精通し、食養生の観点を取り入れたレシピを開発。

『クロワッサン』1147号より