あなたは成城石井の「まあまあレアなオリジナルアイス」を知っているか / 初実食で体験した「仰天のなめらかさ」
僭越ながら、筆者はスーパーマーケット「成城石井」に対して提言を行いたい。同店はもっと、オリジナルブランドのアイスクリームに関して大々的にアピールすべきではないか。
例えば力強い字体で「アイス」と書かれたのぼり旗を店先に大量に配置したり、あるいは「成城アイスくん」などと名付けたマスコットキャラクターを四方八方で活躍させたりするのはどうか。多少ブランドイメージが犠牲になるかもしれないが、この際やむを得まい。
何故こんな提言に及んだかと言えば、最近になって同店オリジナルのアイスの存在を知り、初めて実食したからなのだが──これが何とも、とんでもなく美味しかったのである。そして何故その存在を知らなかったかと言えば、これが何とも、まあまあレアなアイスなのである。
改めて詳しく書くと、このたび実食したのは「くちどけなめらかなアイス」という商品だ。同商品にはミルク味、チョコレート味、コーヒー味などのフレーバーがあり、筆者はオーソドックスなミルク味を選んだ。価格は税込356円だった。
実はこのアイス、「成城石井」の全ての店舗で手に入るわけではない。アイスを含む冷凍食品を販売している店舗は、公式サイトを参照するに全国230店中88店、つまり全体の約40パーセントほどに限定されているのだ。
おおまかに言い換えれば、目の前に10の「成城石井」が並んでいたとして、そのうち4店でしか買えないわけである。「目の前に成城石井が並んでいることがないのでピンと来ない」という方もいるかもしれないが、ともかくまあまあレアであり、ゆえに筆者も知るのが遅れた。
知るのが遅れただけならまだしも、これが極上の品だったのだから始末に負えない。何故もっと早く教えてくれなかったのか、何故もっと評判を呼んでいないのかという気持ちになった。
最も驚かされた点は、商品名でも強調されている口当たりである。こんなになめらかなアイスが、というより、誇張抜きにこんなになめらかな物体が存在することに目を剥いた。
優しくまろやかに唇を撫でて、淡雪のように溶けていく感触は、しかし同時に、重い衝撃でこちらのアイスへの認識を揺さぶるものでもあった。舌の上で広がった瞬間にぞくりと身が震えたのは、間違いなく冷たい温度のせいではなかった。
飲み込んだあともなお、ほのかな柔らかさが唇に残っていた。このアイスを食べているあいだは、今しがたの口どけを何度だって楽しむことができる。そんなわかりきった事実が嬉しくてたまらなくなってしまった。
そのうえ当然と言うべきか、味わいも至高であった。濃厚なコクをたたえていながら、不思議なほどにすっきりとしている。均整の取れた甘美さには一分の隙も無く、後味までもなめらか極まりない。
おまけに付け加えると、そうした食感と味わいが、最初から最後まで最高潮のまま続く。アイスの特に美味しい部分を食べた時の「今の箇所はアタリだったな」という感覚が、この「成城石井」ブランドにおいては絶え間なくやってくる。金脈のみで構成されたアイスなのである。
あえてケチをつけるとするなら、前記した少々高めの価格設定が引っかからなくはない。だがしかし、実食した今となってはそれだけの価値があると断言できる。より多くの人に手に取ってほしい商品だと偽りなく主張できる。
やはり「成城石井」は大々的にアピールすべきではないか。耳に残るキャッチーな「成城石井アイスソング」を作ったり、心を沸かす「成城石井アイスダンス」で一世を風靡したりすべきではないか──などと思ったが、さすがにこれ以上の差し出口は控えておく。
せめて当記事が、このアイスのさらなる飛躍に少しでも貢献できたなら幸いである。その喜びはまあまあどころか、非常にレアなものだ。
参考リンク:成城石井 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.