大阪・関西万博イタリア館前の鐘 大阪市内の教会にお引越し 教会に移設 「イタリアの恩返し」「地元に移設されるとは」

大阪・関西万博イタリアパビリオン前に展示されていたが、玉造のカトリック玉造教会に移設され話題になっている。

万博でもひときわ注目を集める鐘が、なぜ玉造の教会に?記者は仏教徒なので念のため確認したところ、宗教に関わらず誰でも教会に入れるとのことなので取材に赴くことに。

「本当にこんなところに…?」と思いながら住宅街を歩くと、突然大きな教会が出現。屋外にイタリア館の巨大な鐘も発見した。なぜ玉造に移設されたのか?どうやって運んだのか?カトリック大阪高松大司教区の関係者に聞いた。

慎重に設置作業が進みました

――移設された経緯は? 

関係者:イタリアパビリオンのテーマは「芸術が生命を再生する」。モリーゼ州はそれに沿って州内の芸術、製品などを紹介する展示を行いプレミアータ・フォンドリア・マリネッリ社の職人が製作した鐘を展示しました。「イタリアと日本の友好」や「人類の平和」、「未来への希望」を願って制作されたもので、モリーゼ州は展示後、日本国内での展示を希望され寄贈先を検討している中で、礼拝や結婚式など伝統的な鐘の利用ができる当教会に寄贈いただけることとなりました。

――設置作業はどのように?

とうとう万博会場から玉造に

関係者:住友倉庫グループ・間口グループ共同企業体の皆様が運搬と設置を行ってくださいました。カトリック大阪高松大司教区(以降:教区)では設置場所の検討を重ね、土台となるコンクリートを敷き、造園業者と相談をしながら木々に影響のないように準備しました。

基礎工事からしっかり

各分野の専門家が集まりました

――鐘が運ばれててきた時の皆さんの様子は?

鐘を積んだトラックが到着

開封。しっかり梱包されています

玉造へようこそ!

関係者:実際に運ばれてきた鐘を目の前で見ると、大きさに驚くとともに、モリーゼ州への感謝が溢れました。設置・運搬をしていただいた方も現物を見るのは初めてな方も多く、大きさと輝きに驚いていたとともに、責任の重大さを感じている様子でした。組立説明書のようなものはなかかったので、皆でイタリア館の前に設置されていた時の画像を見ながら、設置の手順を検討しました。

フォークリフトで釣りさげて移動

――誰でも見に行って良いのでしょうか?

関係者:教会は、神社仏閣と同様に祈りの場です。心静かにお祈りをしたいときに訪ねていただければと思います。鐘は屋外に設置されているので、いつでも誰でもご覧いただけます。今後、教会のシンボルとなるとともに地域のシンボルになっていけばよいと思います。鐘の音がイタリアと日本をつなぎ、友好と平和の証として長く親しまれることを願っています。

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SNSでは「イタリアの恩返しがすごい」「まさか地元に移設されるとは」「設置された教会は美しくて印象的だったので、みんな行ってみてほしい」などの反響が集まった。大阪の住宅街に突如現れる大聖堂と、イタリア館の鐘。宗教に関わらず見に行けるそうなので、足を運んでみてはいかがだろうか。

大阪高松カテドラル聖マリア大聖堂 HP

https://tamatsukuri.ostk.catholic.jp/

(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)