パク・ボヨン「未知のソウル」で一人二役に挑戦“逃げたくなることも…視聴者の好評に感謝”

最近韓国で放送が終了したtvN「未知のソウル」は、顔以外のすべてが異なる双子の姉妹が人生を入れ替える嘘で、本当の愛と人生を見つけていく成長ドラマだ。パク・ボヨンは劇中、双子の姉妹ユ・ミジとユ・ミレ役を務め、同じ顔を持ちながらも全く異なる感情や人生の重みを背負っている2人の人物を繊細に表現した。パク・ボヨンは今回の作品を通じて、「自分自身に厳しい人たちに送る慰めと応援」というメッセージを伝えたかったという。彼女が表現したミジとミレの時間は、お互いを、そして自分自身を深く見つめる旅であった。デビュー20周年を控えている女優パク・ボヨンの顔は依然として清らかで優しさが溢れているが、その内面はしっかりしている。そして、彼女が演じたミジとミレのように、「今日もいい人であり続けたいという気持ち」を抱いて前に進む準備ができていた。―― 「未知のソウル」が大好評ですが、お気持ちはいかがですか?
パク・ボヨン:とても嬉しいです。テレビドラマは久しぶりなので、毎週放送を見ながら一緒に“走った”という感じがしました。好反応が多くて、レビューを見るのに忙しいほどでした。1番心配していたのは、一人二役について「単純に私が2回登場するように思われないか」ということだったのですが、視聴者の皆さんがミジとミレをしっかり区別してくださってありがたく、嬉しかったです。―― ミジとミレをどのように演じ分けようと思いましたか?
パク・ボヨン:監督から「あまり違いをつけようとせず、細かい部分で区別してみよう」と言われました。「無理に使っていない演技のトーンを使わないように」というアドバイスもありました。基本設定で、トーンに違いをつけるようにしました。ミレは私がプライベートの時の極めて個人的なトーンを使い、ミジは私が演技する時に心地よく感じるトーンや、社会生活を送る時の姿を参考にしました。細かい部分を表現するために、ヘアメイクにも差をつけました。ミレはアイラインを引く時は粘膜もきちんと埋め、髪もきちんと結んでいます。一方でミジはメイクが苦手というコンセプトで、アイラインは目尻にだけ引きました。髪もいつも“尻尾”が残っています。―― 一人二役のオファーを受けて迷いはなかったのですか?
パク・ボヨン:ものすごくありました(笑)。最初に台本をもらった瞬間に欲が出て、「やります!」と即答した後、「どうしよう」と思いました。最初の撮影前は本当に逃げたかったですし、撮影しながらもずっと自分自身をチェックし続けました。終わるまで、「自分は上手にできているのか」という疑問は常にあったと思います。

パク・ボヨン:どちらも自分の子供のような役なので、選ぶのは難しいですが、共感という側面ではミジの方が近かったと思います。ミレのように職場生活を経験したことがなく、近づきにくかったのに対し、ミジは母と私との関係にも似ているし、私も人生で失敗を経験したり、楽観的になったこともあったので、より共感できた面があったと思います。―― 実際に失敗したり、大変だった時は、どのように克服しましたか?
パク・ボヨン:ミジと同じように、私も漢江(ハンガン)が好きなのですが、一度は泣きたいのに泣く場所がなくて、漢江に行って泣いたことがあります。最近も仕事中にぶつかって吐き出したい気分になったら、そのスポットに行って決意を固めます。また、ファンが送ってくれる手紙も本当に大きな力になります。―― GOT7のジニョンさん、リュ・ギョンスさんとの共演はいかがでしたか?
パク・ボヨン:最初はジニョンさんとギョンスさんの実際の性格を逆だと思っていました。自分の予想とは違って面白かったです。ジニョンさんはいたずら好きな人だと思っていたのですが、意外と落ち着いていて大人びたところが多く、ギョンスさんは静かな人だと思っていたのにいたずら好きで、一言一言が面白いです。―― 一人二役だけでなく、演技以外で難しかったことはありますか?
パク・ボヨン:編み物の練習をしたのですが、時間の関係でマスターできなかったんです。ジニョンさんと合わせる時に、私がめちゃくちゃにして渡したら、ジニョンさんが全部解いてやり直してくれました(笑)。ありがたかったです。トラックの運転は免許がないので、“やっているふり”で演じました(笑)。幸い、観察して真似をするのは好きなので、あまり苦労はありませんでした。―― 今回の作品を通して、どのような癒しを感じましたか?
パク・ボヨン:台本にある多くのナレーションが心に触れました。「弱い自分がバレるのが怖くて、1人で隠れて飲み込んでいた、音のない日々」のようなフレーズです。演技をしながら、「自分ならあのような選択ができるのだろうか」と悩むようになりました。ミジの選択には、私がやりたかったけれどできなかった“勇気”があると思いました。そのようなものを逃さず生きていきたいと改めて思いました。―― 「コンクリート・ユートピア」以降、演技やキャラクターに確実に変化があったようですね。
パク・ボヨン:そうですね。以前は明るくてはつらつとしたキャラクターが多かったのですが、ある瞬間、「1つのイメージに固まってしまうのではないか」という悩みが生まれました。「コンクリート・ユートピア」以降、慰めを与えられるキャラクターに惹かれましたし、実際にその時期にもらった慰めを分かち合いたいという気持ちもありました。「未知のソウル」の台本を読んで、「これは逃してはいけない」という確信がありました。

パク・ボヨン:Disney+の「ゴールドランド」という作品を撮影していますが、ジャンルもキャラクターもかなりダークな方です。闇の極みを見せると思います(笑)。「ゴールドランド」が終わったら、もう少し明るいものをやりたいです。慰めもいいですが、楽しさも届けたいです。―― デビュー20周年を控えていますよね。
パク・ボヨン:20年間も演技を続けるとは想像もできませんでした。デビュー当初は「この道は自分に向いていない」と思うことも多かったのですが、振り返ってみると、この仕事が私の運命のような気がします。Netflix「今日もあなたに太陽を」に出演しながら、自分自信を褒めたり、慰めたりする術を少し身につけました。そして、「こんなに長い間演技をすることができ、愛してくださる方がいるのを見ると、私はこの仕事ができない人ではないんだな」と思うようになりました。これからも「良い人であり続けてたい」という気持ちを持って、私が台本を通して感じた気持ちを観客にきちんと伝えられる女優であり続けたいです。―― 今後、また一人二役以上の役に挑戦したいと思いますか?
パク・ボヨン:私はもう十分経験したと思います(笑)。知らなかったからこそ勇敢に選択できたのですが、今はどのように撮影するかはよく知っているので……。また挑戦するのは簡単ではないと思います。