エアコン「つけっぱなし」「こまめに消す」電気代が安いのはどっち?電気代を下げる裏ワザも紹介

夏の電気代を圧迫する大きな要因はエアコン。「こまめに消すより、つけっぱなしの方が節約になる」という説も耳にしますが、本当に家計に優しいのは「こまめに消す」と「つけっぱなし」のどちらなのでしょうか? 家計の専門家であるファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんが解説します。

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エアコンの電気代のしくみってどうなってる?

猛暑が続き、朝から熱中症警戒アラートが出され、夜になっても熱帯夜が続く昨今、エアコンをきるタイミングが見つからず、つけっぱなし状態となってしまい、電気代が心配になっている人も多いのではないでしょうか?

エアコンがどのくらいの電気を消費するかは、エアコンの機能や外気温などによっても変わりますが、夏場においては、電気代のうちの34.2%がエアコンの使用によることもあるようです(※1)。

そう聞くと、少しの時間でもエアコンをこまめにきることで、電気代が上がるのを防ぎたい気持ちになるのですが、一般的に、もっとも多く電力を消費するのは、じつはエアコンを「起動したとき」なんです。

理由としては、とくに夏場は外気温との差が大きいため、部屋全体を冷やすために多くの電力が必要になることが挙げられます。

「つけっぱなし」と「こまめに消す」どちらがおトク?

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最近では、こまめにエアコンを消すより、つけっぱなしのほうが電気代はかからないという情報も見かけますが、それは条件によって異なります。

たとえば、猛暑日の日中などは一度エアコンをきってしまうと、室温が急激に上がるため、それを冷やすためにエアコンをつけたとき、大きな電力を消費します。

そのため、真夏の昼間などに30分程度の短い時間、外出するようなときは、エアコンはつけたままの方が電力の消費は防げることが多いようです。

一方で、30分以上の外出をする場合は、エアコンを一度消した方が電気代を抑えられます。(※2)

また暑さが和らぐこれからの時期は、夕方~夜間は日中よりも気温が下がりやすいため、外気温や室温、体感に合わせて、無理のない範囲でエアコンを切る判断をするのもひとつの方法です。

電気代を効果的に減らすアドバイス4つ

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エアコンをこまめに消すことはもちろんですが、それ以外にも電気代を効果的に減らすために工夫できることも取り入れてみましょう。

●1:室温を上げない工夫をする

大きな窓には“よしず”をかけたり、グリーンカーテンをつくったりして、外からの熱が室内に入り込みにくくなる工夫をしましょう。カーテンを遮熱機能のあるものなどに変え、外出時には閉めていくことで、室温が上がることを防ぐことができます。

●2:設定温度を高めにし、扇風機と併用する

外が暑いとついつい設定温度を低くしてしまいがちですが、設定温度を下げるとより多くの電気代がかかります。帰宅後、一定の時間涼しくしたあとは、設定温度を上げて、扇風機などと併用することで涼むようにできるとよいですね。

無風の25℃より、風のある27℃の方が快適なことも多いです。

●3:フィルター掃除

エアコンをつける時間が長くなれば、フィルターも汚れやすくなります。

最近は、お掃除機能がついているものもありますが、それでもフィルターやそのまわりなどは定期的にチェックし、エアコンの機能が落ちないように気をつけましょう。

●4:必要のない場所の戸は閉める

エアコンで冷やす部屋の広さはせまいほど電気代は節約できます。居室の収納の扉を開けたままにせずしっかり閉めたり、戸のないウォークインクローゼットなどがある場合は、戸でなくても、のれんやカーテンなどをつけたりするのも効果的です。

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エアコンは時間帯や外気温に合わせて「つけたまま」「こまめに消す」を組み合わせることで電気代の節約につながります。

とはいえ、大切なのは「節約」と「健康」のバランス。昼間の短時間外出では「つけたまま」を選び、長時間不在や夜間は「こまめに消す」。さらに、室温を上げない工夫や設定温度の調整を取り入れることで、無理なく効率的に節約できます。

利用環境やエアコンの性能により状況は異なりますが、無理なガマンをせず、快適な室内環境を保ちながら、残暑を乗りきりましょう。

※ 夜間電力代参照:https://kurahiro.tepco.co.jp/living/26680/index.html

※ 1 参照:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/index.html#general-section

※ 2 参照:https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05

※ 熱中症対策のためにも、室内は28℃以下に保つよう、エアコンや扇風機を利用して適切な室温管理を心がけましょう