
「a-nation」出演者が、真夏の暑さに負けない情熱溢れるステージを見せた。8月30日の「a-nation」小中学生の14名で構成されたヴォーカル&ダンスカンパニーPGがオープニングアクトで登場。昨年「夏休みの自由研究をバズらせたい小中学生集団」としてTikTokでバズった彼らは、今年はPGとしてa-nation初出演。元気いっぱいのパフォーマンスでフレッシュさをアピールし、ボーカルでは伸びやかなハイトーンをスタジアムに響かせた。最後に披露した新曲「BANABANA」は力強い応援歌。大きな会場にも恐れることなく、笑顔を見せながら堂々としたパフォーマンスを見せたPGが「a-nation 2025」の開幕前を盛り上げた。続いて登場したのは昨年7月にデビューした女性ソロアーティストの輝叶。デビュー曲「ICY」ではダンサーと息の合ったパフォーマンスで歌って踊れる実力を見せたかと思えば、バラード曲「For Love」では一転、切ない表情とボーカルで曲の世界観を表現してみせた。最後に披露したのは今年2月にリリースした4th Digital Single「no games, no lies」。チルなR&Bナンバーをゆるやかなダンスとともにパフォーマンスし、会場を盛り上げた。続いて大阪発5人組ロックバンドNovelbrightが「a-nation」に2度目の出演。厳かなSEでメンバーがステージに登場すると、Vo.竹中雄大が力強い声を晴れ渡る青空に響かせて「Sunny drop」からライブがスタート。「声出せますか!」という竹中のシャウトにつられて、オーディエンスも笑顔で声をあげ、手を大きく振り上げる。アコースティックギターの静かなメロディから始まった「seeker」では竹中が驚くべきロングトーンで会場を圧倒したかと思えば、続く「愛とか恋とか」では広いステージの端から端まで歩きながら、客席に向けて語りかけるように歌う姿が印象的。今年4月にリリースした最新曲「カノープス」に続いて、ラスト「Walking with you」では疾走感あふれるメロディに竹中の優しくも芯の強い声が響き渡り、「a-nation 2025」のトップバッターとしての存在感を示した。1995年にavexからデビューしたMAXは今年でデビュー30周年。昨年リリースした「BOOM BOOM BOMB-BA-YEA」でライブをスタートすると、頭上で両手を大きく叩いて会場を盛り上げた。「今日だけのスペシャルメドレーを用意してきました」と言って始まったサマースペシャルメドレーでは、MAXの大ヒット曲「GET MY LOVE!」や「TORA TORA TORA」を含めた4曲を披露。“MAXといえばこの曲!”という夏にピッタリのヒットメドレーで、真夏の味の素スタジアムの熱気は早くも最高潮に。自分たちの等身大の気持ちを歌ったという「Lovin' me」では肩の力が抜けた大人の魅力を存分に発揮。最近ではソロで活動することも多い彼女たちだが、4人のパフォーマンス力が健在であることを見せつけた。スペインの歌姫Ana Menaも「a-nation」に初出演。真っ白なビキニスタイルの衣装に白のロングブーツでステージに登場すると、スタジアムに吹く風に長いブロンドの髪をなびかせ、1曲目「Me he pillado」から透明感のあるボーカルで会場を魅了した。「こんにちは、TOKYO! Ana Menaです」と日本語で挨拶した後、「Música ligera」では男性ダンサーの上に腰掛けたり、高く抱きかかえられたまま歌うパフォーマンスでオーディエンスの度肝を抜き、そんな会場の反応にAna Menaも驚いた表情を見せつつも、うれしそう。「Carita」ではマイクをダンサーに預けて踊ったり、曲の最後には寝そべるAna Menaをダンサーが高く掲げ、まるで絵画のように美しい1シーンを作り上げた。最後の「Las 12」では「ジャンプ トゥギャザー!」とシャウト。ダンサーとのアクロバティックなパフォーマンスも含めて、エンターテイメントなステージで観客を魅了した。MAZZELはサマーチューン「Seaside Story」からライブをスタート。続けて披露したデビュー曲「Vivid」では “個性バラバラ”だけれど不思議とパフォーマンスは調和が取れているMAZZELの持ち味を存分に発揮。声質やスキルが異なる彼らの特徴を活かしたパフォーマンスを観客に突きつけた。「CAME TO DANCE」ではメンバー同士笑顔を見せながらタオルを振り回し、ダウナーなメロディに “王様 ダレだ?”がリフレインされる「King Kila Game」では気迫のこもったパフォーマンスで会場を圧倒。その勢いのままにマッシュアップで始まった「J.O.K.E.R.」では怒涛のラップが交差する中、ストリートダンスを活かしたパワフルなダンスが重なり、見ごたえのあるステージに。最後はジャジーなメロディが「Parade」でMAZZELの世界観と曲の表現力を余すところなく見せつけた。昨年、2度目のジャパンツアーで30万人を動員し、数多のK-POPグループの中でも“ライブ重視型”アーティストとして注目されているTREASUREが「a-nation」に初出演。普段のツアー同様、フェスでもバンドセットを組んでのステージとなった。「KING KONG」では圧倒的なパフォーマンスを見せたかと思えば、ライブ巧者な彼ららしくステージの前方に乗り出しオーディエンスを煽っていく。さらに「JIK JIN」とヒット曲を立て続けに披露し、早くもスタジアムの熱気は最高潮に。MCでは9月1日に3rdミニアルバム『LOVE PULSE』でカムバックすることを明かし、そのアルバムから「EVERYTHING」をサプライズで世界初パフォーマンス。続く「HELLO」ではメンバーの熱気に煽られるように観客も一緒になってジャンプしてスタジアムを盛り上げ、「HERE I STAND」ではステージの上で大はしゃぎ。ラストの爽やかなロックナンバー「RUN」まで汗だくになって広いステージを走り回り、オーディエンスと一緒になって夏フェスを楽しんだ。テレビ東京系特撮実写ドラマ「ガールズ×戦士シリーズ」初期3作品の歴代ヒロインで構成されたガールズ・パフォーマンスグループGirls²が「a-nation」に初登場。平成のギャルみあふれる衣装で登場すると、ゴリエとカバーした松浦亜弥の名曲「♡桃色片想い♡」を披露。キュートなパフォーマンスに続いて、「LET ME DANCE」では一転、クールな表情とダンスで異なる魅力を見せる。タオルを振り回しながらパフォーマンスした「C'mon Neo Zipang!!!」まで、はつらつとした笑顔を見せてステージを後にした。「a-nation」出演10回目となる三浦大知は、今年でソロデビュー20周年。ステージに登場するなり大きなクラップで会場を盛り上げると、まずは「Blizzard」の躍動感あふれる軽やかなダンスと朗々と響く歌声で、一瞬にしてスタジアムを三浦大知色に染め上げた。「好きなだけ」では独特なステップに始まり、ダンサーたちの合間で時に翻弄されるように、時に中心となって踊る様は、ライブというよりまさに“パフォーマンス”。続く「心拍音」では広いステージを端から端まで駆け抜け、スタジアムにいるすべてのオーディエンスに向けて、自身の声とメッセージを届けようとする姿が印象的だった。「EXCITE」では自ら率先してタオルを回しながらステージを走り回り、かと思えばライブ後半とは思えないほど打点の高い回し蹴りで観客から大きな歓声を引き出す。最後に披露した「Horizon Dreamer」で見せた緩急あるダンス、そしてド低音で締めくくるボーカルまで、三浦大知の魅力を詰め込んだライブで観客の視線を独占した。2020年の日韓合同のグローバルオーディションプロジェクト「Nizi Project」から誕生したNiziUは、今年で2年連続2度目の「a-nation」。元気よくステージに登場すると、セルフィーを撮っているような振り付けがポイントの「Take a picture」からライブがスタート。NiziUらしいサマーソング「Super Summer」ではメンバーがタオルを振る動きに合わせてスタジアムの観客もタオルやうちわを振り回し、夏フェスらしい盛り上がりを見せる。去年の「a-nation」がとてもいい思い出として残っているというNiziUは、今年も会場後方まで一体となって大きな声を聴かせてくれた観客に笑顔。「みなさんの声が聞きたいです」と言って始まった「What if -Japanese ver.-」では疾走感あふれるメロディに乗せてオーディエンスと一緒になって拳を突き上げ、シャウト。「Make you happy」ではステージの端まで駆けていき、ファンにアピールしたかと思えば、ラストは全員揃っての“縄跳びダンス”で締めくくり。ライブの最初から最後まで、朗らかな笑顔でパフォーマンスを届けてくれた。続いて登場したのは4ピースロックバンドのI Don't Like Mondays.。彼らの海外での人気を決定づけたアニメ「ONE PIECE」主題歌の「PAINT」に続いて、チルなメロディと軽やかな歌詞が癖になる「kiriがないですわ」では独特の感性を垣間見せた。「夏の曲」と紹介して始まった「LEMONADE」まで、夏の夕暮れにぴったりなライブで、白熱の「a-nation」にひとときの余裕を感じさせた。今年3月にソロデビューを果たしたITZYのイェジは、これが初めての「a-nation」。ダンサーを従えての「Air」では彼女が持つシャープさ、ダイナミックさをパフォーマンスに昇華し、YEJIとはどういうアーティストなのかを存分に見せつけた。一方、客席にMIDZY(ITZYのファンネーム)の姿を見つけるとうれしそうに、「とても力になります」と笑顔。続く「Crown On My Head」でもパワフルなパフォーマンスで圧倒したかと思えば、MCでは「お水、飲みますね」と途端にふわふわした話し方になるギャップがなんともチャーミング。ダンスの合間に見せる投げキッスがセクシーな「Can’t Slow Me, No」に続いて、“1日24時間、1週間7日では足りないくらいの愛”を表現したという「258」まで全力のパフォーマンスを見せ、ソロとして初めてのフェスで大きな爪痕を残した。YOSHIKIプロデュースによるガールズ・ヴォーカルグループ美麗-Bi-ray-は今年で2度目の「a-nation」。日が落ちたスタジアムに鈴の音のようなハイトーンが響き渡ると、厳かなムードの中で「Butterfly」がスタート。クラシカルな楽曲に挟まれる4オクターブの高音はオーディエンスの心を打ち抜き、続く新曲の「Your Jealousy」では可憐なボーカルだけでなく、パワフルなラップでもその実力を証明した。韓国のみならず世界各国の音楽フェスに引っ張りだこのBlock Bのジコが日本のフェスに3年ぶりに登場、「a-nation」はこれが初めての出演となる。「8年前に日本でミュージックビデオを撮りました」と語った「Artist」にはじまり、自曲を他のアーティストと一緒に踊る“チャレンジ”というカルチャーを作った伝説の曲「Any Song」、韓国で一世を風靡した「New thing」では独特なリズムに合わせて踊るようにステージのあちこちを歩き回り、日本のオーディエンスに手を振り続けた。韓国の伝統的なサウンドをアレンジした「Turtle Ship」の早口でがなり立てるようなラップから、「Okey Dokey」のダークファンタジーを思わせる不穏なメロディに乗せた変幻自在なラップまで、ジコのラップスタイルの幅広さを思う存分叩きつける。「味の素スタジアムを世界で一番ホットなスポットにします」というコメントで始まったのは、昨年BLACKPINKのジェニーとのフィーチャリングが話題になった「SPOT!」。最後までラッパーとして、エンターテイナーとしてステージを全うした。すっかり日が暮れた味の素スタジアムに登場した平井 大。「祈り花」ではウクレレを弾きながら優しくも穏やかな声を届けたかと思えば、「MIRROR MIRROR」から「Under the sea」のメドレーではまるでミュージカルのようなにぎやかな楽曲で、ステージを端から端まで歩きながら、客席に向き合った。オーディエンスのシンガロングで始まった「Slow & Easy」では、曲ののんびりしたテンポに合わせて入場者に配られた光るうちわの青い光が右に左に大きく揺れて、癒やしのひとときに。「まだちょっと時間があるみたいだから」と言って、客席に「最近、結婚したという人は?」と問いかけると、ちょうど去年結婚したという夫婦を発見。その2人に向けて歌ったのは、平井 大の代表的なラブソング「Stand by me, Stand by you.」。最後には2人に「末永くお幸せに」と祝福を贈り、ライブを締めくくった。2022年のデビュー以来グローバルに活躍し、昨年に引き続き今年もアメリカの音楽フェスティバル「コーチェラヴァレー・ミュージック&アートフェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)」に招かれたXGが、「a-nation」初出演にしてヘッドライナーとして登場した。強いビートに不思議なメロディが癖になる「TGIF」に続いて、「SOMETHING AIN'T RIGHT」ではスピーディなダンスにクルクル変わるフォーメーションが展開されて一瞬たりとも目が離せない。かと思えば「NEW DANCE」では妖精のようにも見える白い衣装がよく似合う、ファンシーなステージで観客を魅了した。時には一糸乱れぬダンスで、時には自由に声を上げながら、心から音楽を楽しむ姿は観ているこちらの気分まで上げてくれる。真っ赤な照明の中で椅子を使って歌い踊るパフォーマンスが印象的だった「GRL GVNG」、アンドロイドのようにさえ見えるほど角度をピッタリ合わせたパフォーマンスが驚異的な「HESONO O+X-GENE」のステージに続いて、「IYKYK」では軽やかに伸びるボーカルと小気味いいラップでスタジアムをXG色に染め上げる。メンバーもオーディエンスも一緒になって「XG!」とシャウトしながら始まった「MASCARA」では、メンバーがフロートに乗って広いスタジアムを一周。ビートの強いEDMでスタジアムをクラブへと変えてみせると、続く「MILLION PLACES」では一転して甘いハーモニーを響かせ、しっとりとした雰囲気に。メンバーそれぞれ白いバラ一輪を手にしながらパフォーマンスした「IS THIS LOVE」はピアノのみの伴奏でより深みを感じさせたかと思えば、白いバラを手放し、最後には赤いバラを手に取る一連の流れは演劇のようなストーリーを感じさせた。ラストの「SHOOTING STAR」まで、余裕を感じさせるステージングでXGにとって初めてのスタジアムを終えると、スタジアムには花火が上がり、「a-nation 2025」初日の幕を閉じた。取材・文/尹 秀姫